SAROMAN BLUE 鈴木健司

SAROMAN BLUE 鈴木健司

2004サロマ湖100kmウルトラマラソン

2004年6月27日第19回サロマ湖100kmウルトラマラソン


今年で通算12回目のサロマ湖100kmウルトラマラソン。18歳で初出場した1993年から今年は29歳になる。目標としていたサロマンブルー20代の夢は01・02年の足踏みにより達成できなかったが、昨年2年振りの完走でまた一歩近づく事ができた。今回はもう足踏みはしていられない!来年の20回大会30歳でサロマンブルー達成に標準を合わせ、なんとしても完走!それだけだった・・・。

大会前、不安が募る。4月の富士五湖77kmでリタイア・・・45kmでの脚の張り、後半動かない身体・・・不安をかき消すように5月はいつになく月間走行距離150kmオーバー。僕にとっては走り込んだ方だ。6月に入ってもなかなか練習できず、距離が伸ばせない。サロマ湖前の練習はたったの65km。
その中でも加圧を利用したり、ストレッチポールを使ったりして体調管理を心掛けた。しかしシューズが1足に決まらない・・・例年緑館(54km)では着替えだけでシューズまでは変えていなかったのだが、今回は迷いがあった。結局金曜日の荷造りの時点で2足持って行く事に決めた。

あとの不安は天気だ。1週間前から気温を気にして過ごしていた。昨年の夏はベッドの上だったので6月中旬の暑さまでが応える。今年の北海道は暑いという情報もマイナスイメージだった。理想は昨年の天候・・・厚い雲に覆われ気温は12℃前後・・・走るには絶好のコンディションと完走率73.4%が物語っている。サロマンブルーの景色は見たいけど、レース当日は遠慮します!といった感じだ(汗)

お店では1週間前からサロマ湖を走るランナーで持ち切りだった。皆さん不安をかき消すように、ウエア・給食・持ち物など、自分の話に耳を傾けてくれる。少しでもその不安を拭い、前向きな気持ちでサロマ湖へ向かっていただきたいと思っていた。だって自分も不安ですから・・・。

そしていよいよ出発の日を迎えた。網走地方日曜日の天気予報は変わって、晴れ!気温は20℃!きた~!暑くなるなこりゃ・・・。まあ釧路とかは曇りだし、雲も出てくれるでしょう。

今回は初めてオホーツク紋別空港を利用。スタート地点の湧別町には車で30分と非常に近い。例年は女満別空港を利用するのだが、会場に近いのは嬉しい。その一方、飛行機が小さくて膝が前の座席にあたる(笑)エコノミー症候群になりそうだ。(特に帰りが不安)

レンタカーを借りて、昼食を摂ってから一路湧別総合体育館へ!238号線を東へ向かう。会場に着き、車を止めて公園の中を移動すると、今年は以上にテントが多い!ビックリする程の数だ。

エントリ数も100km2476名・50km326名で合計2802名とかなり多い。旅費を安く上げる為にという人も多いだろうが、北海道の参加者が1192名とダントツに多いのにビックリした!やはり地元意識の高さが伺える。

さて今回の兎虎BBQメンバーはこちら!

アート鈴木の妻・華恵。ここのところ僕より走ってます!富士五湖も後半爆走し、77km完走。昨年のように眠くならなければ、ゴールできるでしょう。
初100km挑戦のほっすぃー!富士五湖は70kmでタイムオーバー。昨年のサロマ湖50kmを完走し、満を持してサロマ湖100kmに挑戦!粘りの走りを期待します!
そして兎虎BBQ新加入!五十嵐さん!月に2回はどこかの大会に参加。レースが練習になっています。いつも堅実な走りで、気分屋ではありますが今年50kmを完走したら、来年100kmか?

湧別総合体育館前にはスクリーンがあり、昨年のレースの模様が映し出されている。アシックス・ランナーズ・地元の物販テントが立ち並んでいる。そこを歩く度に多くの方に声を掛けられる!『アートさんこんにちは!調子はいかが?』『今渋谷じゃないでしょ?どこにいるの?』などなど(笑)


お客さんとの交流、それが一番の楽しみ!同じスタートラインに立つランナーとして、決してライバルではなく仲間になれる。互いにエールの交換をし明日のスタートを迎えるのだ。

そして16時から始まる前夜祭に向かう。ここではサロマンブルーメンバーの紹介や湧別サロマ湖太鼓・よさこいなどの催しが開かれる。

ランナーに対して会場の大きさにも制限があり、ロビーまでランナーで溢れかえっている。あちらこちらからも再会の挨拶が交わされ、健闘を誓い合う!
僕もマイクさん・takedaさん・丹代さんなど、会いに会場を歩き回った。一角にサロマンブルー専用テーブルがある。今度はここに来るぞ!と改めて心に誓った。

長居しても宿の料理が食べられなくなるので、早い時間に退出。takedaさんと共に、会場をあとにする。次に向かったのは42.195kmの月見が浜だ。

ここの通過予定は掛かっても5時間だ。昨年も4時間55分・・・。このフルマラソンの距離を楽に、余裕を持って通過したいなあ。

takedaさんの宿泊は緑館。僕らはもう少し先の道の駅に隣接する『悠林館』だ。小高い丘の上にある『悠林館』はサロマ湖が一望でき、小さいながらも満喫で切る宿だ。ちょうど夕食中にサロマ湖へ沈む夕日が綺麗に見えた。この夕日が最後まで消えるのを眺め、「よし、これで明日は完走!!」と気合いを入れた。


夕食後はお風呂に直行!大きいお風呂でリラックス、8時半頃だったか?誰もいなかった(汗)明日の起床は2時を考えると、確かに遅いかも・・・寝不足は注意です!21時には布団に入り、華と二人であくび合戦でいつの間にか寝ていました(笑)


そして翌朝?2時、夜中さすがにまだ暗い・・・。用意していただいたお弁当とおにぎり、凄い大きさだ!お弁当だけで食事は完了!3時10分の出発に向けて着替えを始めた。

まずはCW-Xのパフォーマンスショート&プロモデルロングを重ね履き。ソックスはシルク入りの5本指ソックスだ!シューズは前半NBのM961で、後半にはASのGT2090を予定し、準備した。Tシャツは新調した兎虎BBQシャツ、そして定番のニコちゃんバンダナである。そのスタイルもウルトラ界では定着したかな?目立つっていいですよね。
いよいよスタート地点に向けて緑館経由で出発!外に出るも昨年のような寒さはなく、半袖でちょうど良い気候だった。緑館にはお客さんがたくさん宿泊されているので、バスの中でも声を掛けていただいた。
また朝日が丸く綺麗に見る事ができ、今日の暑さを予感させるようだった。


4時に湧別総合体育館に到着。いつもの屋内に入りtakedaさんと合流するものの、暖かいので外にすぐに移動した。ここ数年スタートを外で待つのはほとんどない。今年の暖かさが伺える。さらに空を見上げると雲一つない快晴だ。午前4時という時間にこんなに明るく暖かい・・・厳しいレースになりそうだ。そればかりが頭をよぎる。スタートを待つ間、夜久さんと話をした。今年サロマンブルーが掛かる夜久さんはかなりプレッシャーを感じているようだ。僕も夜久さんも共に暑さに弱い・・・4月の富士五湖・サロマ湖では01・02年リタイアは記憶に新しい。『暑くなりそうですが、お互い頑張りましょう!』とエールを送った!


今年はスペシャルドリンクを用意した。30km・63km・80kmに一般ランナーも置くことができる。華は炭酸抜きコーラをペットボトル(小)に詰め替えまるで醤油だった(笑)自分は予告通りザバスの『グリコーゲンリキッド』に『プロテインタイプ3』だ。へばってきた時に人間は筋肉中のタンパク質まで使われてしまう。そこでプロテイン!腹持ちは良いし、タンパク質の補給がうまくできるという効果に期待大だ!

これで準備完了!!
スタート30分前スタート地点をバックに記念撮影。スタートまであと少し・・・。

と思ったらトイレに行きたくなってきた!今年は仮設トイレに1列でズラ~っと並んでいる。その距離100mはあるでしょうか?時間はあと15分。とりあえず列に並んでみると、向こうの方からオレンジ色の幟が・・・!『へろへろ』だ!昨年のサロマ湖前後からよくお店でお話し頂き、大会を通じて仲良くさせていただいている。応援団を含み13名の大所帯である。並んでいる僕らに空いているトイレ情報を教えてくれたので、女性陣はスムーズに済ませることができた。僕は時間がなかったので、小さい方だけ済ませスタートラインに向かった。

いよいよ、第19回サロマ湖100kmマラソンのスタートである。湧別町の5時の気温は14.6℃。日も昇りこれから気温上昇が考えられる。ランナーの頭には色とりどりのキャップやバンダナ姿が見える。僕らは後方よりスタート!スタートラインまで約1分。昨年はカメラの端っこに華だけが映っていたので、今回はセンターを確保(笑)カメラに向かって手を振りながらスタートゲートを通過した!

今年は久しぶりのコース変更があった。スタート直後、湧別総合体育館を周回して竜宮台に向かうコースが、一度オホーツク海側まで出てから戻ってくるようになったのだ。今までよりも約3km周りを回って今までのコースに還ってくる。今までにない塩の香りが漂ってくる。ホタテの殻の山も見える。

スタート付近まで戻ってくるまではコースも狭く、ペースは上げにくい・・・。100kmという距離の場合、初めの10kmまではアップのつもりで良いと思っている人が多いだろう。実際この状況は5km過ぎまで続いた。

スタート付近では多くの応援がランナーを見送ってくれる。応援の方が一番大変だと思う。今年はまだ暖かくて良いが、ランナーのペースを考えながらの移動、先回りの計画などご苦労様です。応援に笑顔で応えそれを力に進む!これが僕のウルトラの走り方です。

ある程度集団がバラけてくると、お客さんを見つけて走るようになる。まず見つけたのは『ウルトラ7』の方々だ。アート本店を利用していただいてる方で、7人でお揃いのバンダナ。赤いTシャツで統一している!なかなかカッコいい!!聞くと7名中ウルトラ経験者は1名(四万十川)でサロマ湖は皆さん初挑戦ということだ!『アートに飾るので、皆さん良い顔で~!』パシャ!!


皆さん素晴らしい笑顔です!『今は楽しいけど、後半どうなるのか分からない~』という声も聞こえます(笑)みんなで力を合わせれば、ゴールできるはずですよ!

兎虎BBQメンバーも順調に5kmを通過。33:16“。スタートまでのロスを除けば6分半だ。いい感じでしょ。このまま行こう! ずーと先に見える森を越えると竜宮台まで続く、1本道に入る。例年よりも距離を走っているので、10kmポイントでは得した気分だった。
10kmポイント!1:04:48“(31‘32”)少し速くなっているけど、速すぎるペースではない。気持ち良い感じだ。しかし、トイレタイムを取りたくなってきた。まず華が結構並んでいるトイレに向かう。『ゆっくり行ってるから、急いで来ないでね。』こう注意したが、どうだろう?見ただけで、6人くらいは並んでいるなあ。こっちがトイレ休憩を取れば同じくらいになるでしょ。

今年はやけに日差しが逆光となって非常に眩しい・・・ここ例年竜宮台までに日差しが強く感じたことはなかったけど、コース変更のせいもあるのかな?約20分ズレている訳だし。

ここで、アート鈴木『力石モード回避対策』の為の最終兵器を取り出した!『塩飴』である。いつもよりも暑いサロマ湖・・・今年のリタイア回避する為には『力石モード』にならないように、しっかりと塩分を取らなくては!以前は自分の汗の塩を舐められるくらい、塩分がすべて汗として出てしまうのだ。塩っぱくて食べられたもんじゃないと聞いていたが、美味しい!全然塩っぱくないぞ?これならいくらでも食べられそうだ。

そうこうしている間にトップのランナーが過ぎていく!速いなあ。毎度のことながら実業団の選手はレベルが違うね。まあ頑張ってください!
こちらは15km。1:36‘29“(31’40”)ほい、来た!イーブンペースに落ち着いたぞ。よしよし。ちょうど反対側に20kmの計測ポイントを発見。初サロマ湖のお客さんと『折り返しまであと2.5kmぐらいですね』と確認する。いつもは折り返しのランナーの写真をバシバシ撮るのだが、なかなか見つけにくい状況が続く・・・。しかし知り合いを見つけてはハイタッチで元気を貰い竜宮台を目指した!この間トイレのことは忘れちゃうんですよね(笑)


そして竜宮台の折り返しが約17.5km!ここでしばらく行くと華を発見!!速すぎるよ!走り方が違います・・・(驚)後ろにいるのは『へろへろ』集団!皆さん元気です!この後に来たのは『ウルトラ7』まだまだ元気ですね!兎虎のほっすぃーはだいぶ後方まで下がってしまいましたが、へろへろの山田さんが付いてくれてます。一安心。頑張れ、ほっすぃー!!

そして20km手前で華が追い付いてきました!かなり速い!声を掛けずに脇から笑顔で抜いていこうとします!!『速すぎるよ~!こっちはトイレ行ってないのに・・・』20kmは2:09‘18“(32”49“)写真撮影もあったし、ロスではない、予定通りだ。

へろへろのりきさん・小川さんが接近!兎虎BBQ・へろへろの3ショットを残しておきました。前に行かれたらいつ追い付けるか分からないので・・・(汗)


僕はすぐに例年通り予定のトイレへ!昨年同様見えてきたトイレを観察・・・誰も出て来ない・・・30m先を行くランナーがトイレに向かう!あっ、やられた!・・・ノックしているが先客がいるらしく、待たずに先へと走って行った!ラッキー!ここでへろへろメンバー・華と分かれトイレ待ち・・・ストレッチで時間を過ごす・・・太腿の裏が張っているなあ。2分後、開いた!大のつもりで行ったが、ダメだった・・・仕方ない、切り替えてギリギリのタイミングで行こう!

前を行く華を追いかける。が、そこへ華が登場!行きに立ち寄ったトイレにまた行ったらしい!!大丈夫?確かに暑いし、たくさん水分補給したらトイレも多くなるよな。後半に掛けても注意して進もう。度重なるトイレは貯金でカバーしないと!

25kmの通過は2:44‘05“(34’46”)。この時点で湧別町の気温は20.7℃!雲一つない快晴が続く。この辺りから、CW-Xに水をジャブジャブと掛け始めた。かなり涼しくなる!しばらく走れば乾くし、ベタベタしないので非常に良い!へろへろメンバーも太陽を背に浴びながらの力走が続く・・・。

30kmポイントは例年よりも戻ってくる場所が短い。スタートの3km分がここで調整されているので、気分的に楽だ!30kmポイントにはスペシャルドリンク!ここで試食以来二度目のスペシャルを飲んだ!小さいシェーカーに冷水を入れ『グリコーゲンリキッド・プロテインタイプ3』をシェイク!!!シェイクするのも楽しい。一気飲み!ゴクゴク、プファ~!うまい!30kmの通過は3:20‘51“(36’46”)。この頃からキロ7分をキープするのが難しくなってきた。要因としては、暑さ対策としてエイドでのしっかりとした冷却処理と補給の為だ。2.5kmごとにあるバケツもありがたい状況。脱水症状だけは避けたいところだ。

秘密兵器の『塩飴』も10個持ってきていて10kmごとの予定だったが、早めのタイミングで舐めるようにした。30km過ぎて脚の張りも気になりだしてきた。特に痛い部分はないが、重さを感じる。次の35km手前のエイドではエナジーゼリーを食べる。こう暑いと固形物は食べにくいので、とにかく腹に入れたという感じだ。

35kmは国道238号線に出たところにある。これ以降は昨年までとコースは変わらず進むことになる。華と二人でトイレのタイミングを計っていたので、待っても良いから寄ることを決めていた!
35kmの通過3:58‘35“(37’43”)。走っているのは確実に7分以内なのだが、休憩に2分ぐらい掛かっている感じだ。予定通りトイレへ!2つあり、並んでいるのはすべて女性が3人、後ろも女性だ。「男性は外でも良いじゃないの?」と思われたくないので、自然と手がお腹をさすっていた(笑)

ここでのロスは5分位?トイレの内容も充実し(笑)ペースを取り戻す!ここからの国道沿いは日陰なし!ランナーも1列になって走るという、気分的にも辛いところだ。しかし、途中にあるエイドステーションは非常に多くのボランティアに支えられており、元気を貰える!

このエイドを過ぎると40kmポイントだ。4:40‘49“(42’14”)トイレの時間も入っていると考えれば、大丈夫だ。去年と一緒!キロ8分ならばまだまだ走れるぞ!と確信した。そして月見が浜に左折する道を前方に見ながら水芭蕉群生地である芭露(バロ)を抜ける。

ここから山道を避ける測道に曲がる。昨日も下見した月見が浜だ。ここは竜宮台以来サロマ湖に面する初めての場所で、サロマ湖の大きさを実感する。特に天気がよく見晴らしも良いので、まさにサロマンブルーなサロマ湖だった。しかし、そんな余裕もなくフルマラソンのゲートを抜ける!4:56‘20“。昨年とほとんど変わらない。この後の展開がある程度読めてきた。とりあえず緑館まで良いペースで行きたい。欲を言えば緑館を6時間30分~35分には出発したい!そんな気持ちでいた。


月見が浜では、写真撮影がある。前方の車の上にカメラマンを発見!意識して前を見つめ、華と並走した(笑)シャッターを切る音が2回ぐらい聞こえた。写真が楽しみだ。再び238号線に出る。まずは45km。5;21‘01“(40’12”)この手前のエイドで華は4度目のトイレへ。あら、大変ね。自分はストレッチと、ただひたすらにCW-Xに冷水を掛けていた。この頃から首筋にも水を浴びるようになった。

45km以降は徐々にアップダウンが現れる!細かい丘の繰り返しだが、フルを通過したランナーの脚には応える。立ち止まって写真を撮っては再び、走り始めたりしていた。

2つ目の坂の途中が50kmポイントだ!通過タイムは5:58‘57“(37’56”)ここの制限時間が6時間半だから、余裕は30分だ。ここから80kmまではギリギリで通過するとかなり厳しい状況になる。少しでも貯金が欲しかった。

52km地点にエイドステーションがあり、緑館まではあと2kmだ。長い下りのせいで華が膝に違和感を覚える。ボランティアのおじさんが『アイシングするかい?』『大丈夫です!』と断ったが、おじさんは袋に入っていた氷を1袋持ってきてくれた。ありがとう!この袋に入った氷が、最後まで完走の手助けになるとはこの時は気が付かなかった。

緑館まであと1つ登りを越えて、次の登りの途中に緑館がある。54km過ぎのエイドステーションで着替えができるオアシス的な場所だ。到着時間は6:37分過ぎ・・・。まずは着替えを受取りこの先の時間を計算する。すると現れたのはほっすぃーだ。残念ながら体調の不十分もありリタイアしてしまったという。
この時の気温は25℃!その時は知らなかったが、後半戦の山場ワッカ原生花園の対策としてウインドバリアの長袖を着用した!正直暑い素材だが、汗の冷えをカバーするには一番の素材だ!初めは暑く感じるのだが、長く走る時には効果を最大限に発揮する!そしてその上に兎虎BBQのTシャツにした。(昨年と同じ格好になってしまうので、Tシャツは新作のまま・・・笑)


そしてトイレに行き、シューズをやはり交換した。自分の中で柔らかいASのGT2090にスーパーフィートを差し替え、イエローチップを付け替えていると、ランナーズのビデオ取材が・・・なんてコメントしたかな??『絶対ゴールします!』だったかな?着替えの荷物はほっすぃーが宿に持ち帰ることに。そしてレンタカーでゴールへ向かってくれることとなった。
時間は6時間45分を過ぎた。さあ出発!と行き掛けたところに、アイシング用の氷の山を発見!先程貰ったビニール袋を着替えた所に忘れたのに気が付き、ダッシュで戻り氷をたくさん入れてスタートした。『華は先に行って!』正直余裕がない。あと5kmを45分だ。ギリギリではダメ、2分でも3分でも貯金を作らなくては・・・。そう思い、緑館直後の坂を登り始めた・・・。


華との差は10m。55km付近まで急な登りが続く。坂を上ると自分達が宿泊している悠林館が丘の上に見えてくる。
55kmの通過は6:50‘48“(51’50”)緑館での休憩が10分とすれば、ここも予定通り。しかし残り5kmを45分ということは単純にキロ9分でギリギリ。緑館出発から少し走っただけではあるが、ここで改めて気持ちの整理と制限タイムを意識をした。

少し平坦からなだらかな下り、そして再びダラダラと登り始める。この登りで着替えた長袖がとても暑く感じる・・・失敗したとは思わない。カラダが慣れていないだけだ。後半必ずこれで良かったと感じるはずだ!半袖の状態まで袖を折り返して調節した。

途中の57.5kmのバケツエイドでは、さっき緑館で休憩したにもかかわらず給水と水浴びをした。特に足下に重点的に水を掛ける。新しくしたシューズは既に中までビシャビシャだ・・・だが、外側のメッシュ素材のおかげで踏み込む度に表に水が飛び出してくる!!しばらくするとグシャっという音もしなくなるくらいに水が抜けてくれた。

待てよ。緑館でソックスは換えていない・・・前半からかなり水を掛けていたもののソックスは常にサラッとした状態を保っている。さすがシルクだ!!雨の日の実走テストができていなかったもが、サロマ湖本番で体験!予想通りだった。
アート鈴木オススメソックスはこちら!!

続く登りと、制限時間を意識した速い走り、さらに暑さの為にカラダ的にいっぱいになってきた。バケツエイドで華には追い付いたが、ここで無理すると後がまずいと判断。『ここはペースを落とすよ』『私(華)は走りたい。下りが心配だから下りで歩きたい・・・』と少し距離をおいて進む・・・。お互い無理しないペースが大事だ。華は昨年制限時間に追われて走った場所だ。なるべく余裕が欲しいのだろう。

しかし、小休止を入れると回復!すぐに華に追い付いた。ここで58kmを過ぎ、サロマ湖畔ヘ続く下り坂となる。自分が追い付いていたので、華は歩くことはなくゆっくりと坂を下る。途中へろへろ応援団に激励されパワーを頂き、60kmの関門を目指した!
穏やかなサロマ湖だなあ。湖の濃い青と空の澄んだ青が目の前に広がる。そして遠くに60kmエイドのテントが見える。さらに対岸には霞んで見えるワッカ原生花園・・・。『お~~!待ってろよ!ワッカ!』と心の中で叫んでいた!

今年のスペシャルドリンクは63kmに変更になっていた。例年ならば、高校生達が300m手前からゼッケンを読上げ、スペシャルの準備をしていてくれた。今回はそれがないのが残念だった。しかし、エイドのボランティアの方はもちろん、大会役員の方も『しっかり水分補給してくださいね。』と言ってくれた。いつもは無愛想なスーツ姿の役員の方からの言葉が嬉しかった。

60kmは7:27‘31“(36’42”)。ここでへろへろ幸恵さんと合流!70kmの制限時間は8時間45分。エイドステーションでストレッチと補給と水浴びをして、呼吸を整える。時計は7時間30分を経過した。3人で確認『ここから次の関門まで80分あります。キロ8分で行くとギリギリで80kmの関門までに75分しか取れないので、なんとかここを75分で走りましょう!』60kmを過ぎると少し登りがある。その坂を登り切れば、キムアネップ岬へ向かう下り坂になる。坂の手前から幸恵さんが遅れ始める・・・華も少し辛そうな表情を浮かべ始めた・・・。

61km過ぎで坂を登り切り左折、その先を行くランナーが見える・・・。この先はキムアネップ岬。サロマ湖の青さと新緑がとても綺麗な場所であるのと裏腹にサロマ湖でいつもキツく感じる場所である。前方に先を行くランナーの姿が見え、エイドもあるのだが岬を大きく回るのでなかなか着かない。
今回は華を引っ張りながらギリギリのペースを維持する。62.5kmのバケツエイドでは再び首スジ・下半身すべてに水を掛ける。しかし、そんなに止まっている暇はない・・・再びキムアネップに続く坂道を下り始めた。前後には数人のランナーが走っている。後方を見やると列になって進むランナーの影が遠くに見えた・・・。

サロマ湖畔に到着し、快晴のため対岸まではっきり見える・・・あそこがワッカだ!そしてその折り返し地点に当たる橋が見える!ワッカの折り返しは88km・・・なんて遠いんだろう・・・折り返している人もいるんだなあ・・・なんて思いながらも、でも必ず行ってやる!と気持ちを引き締めた。


華との会話が減ってくる。昨年この辺りを女性ランナーと共に制限時間に迫られながら走っていた華は、今回も昨年のように苦しい状況だったに違いない。先を走る足取りはいつもの軽快さが無くなっていた・・・。
63kmエイドステーションにはスペシャルドリンク!華は『炭酸抜きコーラ』を、自分はプロテインを摂る。ボランティアの学生に『じっとしてて、寒い?暑い?どっち?』なんて聞いてみた・・・(笑)『暑いっすよ~!』『だよね!じっとしてて暑いんだから、走ってたら暑いはずだよね!!ありがとう!』『頑張ってくださ~い!!』の応援に後押しされ、出発した。

今思い返すと、この自分のスペシャルドリンクは摂るのに時間が掛かる・・・プロテインを開け、グリコーゲンリキッドを開け、水を入れシェイクする!華はストッレッチしながら待っていてくれた。自分のペースで行くのがウルトラ完走のコツ!相手に合わせていたら、付いていくのはキツいはずだ・・・。あの時水を取ってくれた華を、『待っていないで、先に行っていていいよ!』と言っていたら、この後の状況は変わっていたかもしれない・・・。


この後は、通称『魔女の森』サロマ湖唯一の森の中を走る場所で涼しくて気持ち良のだが、曲がりくねった道が同じ景色で変わらない・・・まだ続くの?・・・約2km続くこの『魔女の森』はランナーの走る気力を奪っているのかも・・・。途中65km8:07‘36“(40’05”)。70kmまであと37分しかない。焦る気持ち・・・。

この森の中を走っていくうちに華との距離が少しずつ空いてきた。『サロマンブルーのリーチが掛かっているんだから、先に行ってね。』とレース後半から口にしていた華。昨年同様、並走しては2人ともタイムアウトだ!5m差がついた時に振り返って『華、頑張れ!』と声を掛けたが、顔は苦しい表情だ。自分もギリギリで、70kmの関門は3分から5分前には通過したかった。森を抜ける辺りで前方に『へろへろ』応援部隊が見える!!元気を貰い、『魔女の森』を突破した!

華との距離は開く一方・・・67km付近で国道238号線に出て『佐呂間大橋』を渡る時大きく振り返って見ると、華との差は300m・・・ここで『間に合わないな・・・』と思い、大きく手を振った。華もそれに応える。うまくすれば70kmの関門は越えるだろうと・・・。

この後67.5kmのバケツエイドでは、10秒止まって水浴び。この後には私設エイド『白帆』・70km手前エイドと誘惑がいっぱい!!『白帆』の冷たいおしぼりと凍ったゼリーは見逃せないので、頂いてからスタート!後方カーブの先に華の姿が小さく見えた・・・。

ここからは計算ばかりを繰り返す・・・。さっき65kmであと37分だった。68km通過タイムが8時間30分。この先のエイドで休んでは貯金ができない!かと言って何も取らないと、74km鶴賀リゾートまでエイドはない・・・。僕の中では決まった!70km手前のエイドはパスして、鶴賀までノンストップで行こう!おしるこを味わっている暇はないが、それなら80kmまで行ける!トイレも行きたいが行っていたら間に合わない気がする。我慢我慢・・・。

この辺りでペースが落ちていたり、歩きが入っているようだと70kmの関門が危ない!ここで知り合いを見つけては、『間に合いますよ!』とか『次のエイド、結構ネックですよ!』と声を張り上げていた。70kmの関門8時間45分は80kmまで75分しかなく、その間にはおしるこポイント鶴賀リゾート、そしてワッカの入口までのサイクリングロードではアップダウンが続く。正直、75分という数字では安心できなかったからである。

予定通り、エイドはパスして70kmの関門へ到着。8:42‘59“(35’23”)。辛うじて2分の貯金、80kmまで77分できた。しかし止まれない・・・。関門を通り過ぎ歩きのランナーが歩道を行くのに対して、自分だけは車道をかっ飛んでいたに違いない!しかし歩道側で海宝さんがアイスキャンディーを配っているのを見た時には、思わず引き返そうかと思った(笑)
しばらくアイスキャンディーを頬張るランナーを横目に見ながら、鶴賀リゾートへと繋がる直線道路を進んだ。このエイドをパスしたことが吉と出るか凶と出るかは分からなかったが、今は進むしかない!でも、エイドをパスしても良い味方が自分にはあった。

52kmのエイドでボランティアのおじさんがくれたアイシング用の袋だ。緑館以降エイドで氷を詰め込み、走りながら溶かしては首スジ・足下へと浴びていたのだ。この時もビニールの中に氷が!止まる必要がなく、アイシングができる。ここまでもかなり助けられていた。
しばらく進むと72.5kmのバケツエイドが見えた!なんとそこには氷の山が!!!ビックリした!!!こんな暑い状況で本当に山の氷。思わず『スゲ~!』と言ってしまった。僕は細かく砕けた氷を袋一杯に積め、バケツの水を少しだけ入れ水分を補給してから再びスタートした。2.5kmのエイドがなかったらこの暑さにへばっていたことだろう。
そして鶴賀リゾートに到着。ここにも氷があり、再び詰め込む。『暖かいおしるこ・冷たいおしるこ・そうめんありま~す!』の声に先を急ぐ予定だった鶴賀を満喫した!気分はそうめんだった!『うっ、うまい!旨すぎる!!』『へろへろ』の応援部隊に激励を受け、ストレッチしてから出発。昨年華を待ち、確実に間に合う時間として出発したのが、9時間7分だった。今年はエイドをパスしてきたせいか、カラダが休みを欲しがっている。9時間10分を回ったが、もう少し休みたい・・・。9時間12分ぐらいで『へろへろ』の皆さんに見送られスタートした。

少し行くと74kmの表示が・・・あっ、ヤバい勘違いしていた。鶴賀からあと6kmだと思っていた自分は、この距離を入れていなかった。約1分のロスだ。少し焦り始めた。この先は75km付近からサイクリングロードに入る。レースの翌日など時間があったらサイクリングなどしてみたいもんだなあと思いながら進んでいく。75kmを通過するが、ラップを押していなかった。(完走記執筆中に気が付く)それだけ集中していた証拠だろうか??

77.5kmのバケツエイドが唯一の補給場所だ。アップダウンも始まり走っていると、前にいるのは『群馬の卓球戦士』さんだ!華の知り合いで僕はこのサロマ湖で初対面。かなり苦しそうだ。『どうですか?7分半ペースですよね。間に合いますかね?』僕は『大丈夫です!絶対間に合いますよ。』『80kmまで付いて行かせてください!』と脚を引きずりながらもペースを合わせてきた。確実に歩を進めるものの、80km関門にはまたまた問題が・・・


80km関門の問題。それはエイドステーションが関門よりも500m以上手前にあるということだ。しかもワッカの入口から関門までは登り坂・・・。さらに80kmにはスペシャルドリンク!!時間が掛かる。
そこで僕は少しペースアップ!!最後の下り坂で自分の中で必死の走りに変わった。(他から見てもあまり速くないと思われるが・・・)『卓球戦士』さんは少し離れてしまった。ワッカから出てくるランナーはゴールの常呂町民センターへ向かいペースが上がる。サブ10突破の掛かったランナーだ。一方関門ギリギリのランナーはワッカに向かってペースアップ。関門突破が大きな差だ(汗)

僕はエイドでスペシャルのシェイカーを受取り、その中に氷の入った水を一杯入れ、手持ちの袋に『かち割り』を引っさげワッカの中へと向かった。ジャブジャブとシェイカーの水が音を立てる。あと500mの看板が坂の途中に出現!『まだ500mもあるのか~~~!!』坂を登らない限り、安心はできない。少し歩きも入りながら、平坦・下りは走る!!役員のおじさんが一人いる。もうすぐだ!80m先に80kmの関門が見えてきた!時計を確認すると、9時間58分だ。『よっしゃ~!』厳しい80km関門突破!!9:59‘02“(1:16’02”)


残り時間は1分。全力で駆け抜けてくる必死のランナー達。一方背中が見えるゴールに向かい走るランナー・・・ものすごく対照的だ!関門20秒前・・・『卓球戦士』さんが見えてきた!!すご~い!食らい付いてきたんだ!なんと4秒前に通過!素晴らしい走りです!!おめでとうございます!


さて80km通過!ここからは10km90分だ。ここまで来ればなんとかできる!それだけの思いで走って来た。エイドで受け取ったスペシャルドリンクをシェイクし一気に飲む!うまい!これで補給は万全。が、脚が進まない・・・。とにかく脚の裏が痛い。とにかく前に進むしかない。まずは登りを歩いて進む。そして平坦を走っては歩き、走っては歩きの繰り返し・・・。かち割りの水をCW?Xに目一杯掛けて冷却させる。タイツを伝わり水は靴の中へ・・・。これでなんとか足裏も冷やされてきた。靴の中の水も踏み込む度にグシャッグシャとなるがシルクソックスのおかげでいつの間にか足裏はサラサラになる。

やっとのことでワッカ原生花園メイン会場に到着!!昨年と違って日差しが眩しい。前方に永遠とランナーが連なる・・・。


83kmまでの各1kmのラップは11分・・・。まずい、まずいぞ。まずは平坦を走り、下りも走り、登りは歩くに切り替えた。85km通過で40分あればいい。そこに標準を合わせる。折り返してくるランナーに知り合いがいれば元気よく挨拶をし、『奥さんは?』と聞かれると『一人になっちゃいました~(涙)』と答えた。昨年もそうだったが、皆さん『良かったね、間に合ったんだ!』と声を掛けてくれる。そういった声援が力になる。

ペースも回復し、しばらく進むとへろへろのノボリだ~!リタイアしてしまったランナーも含めて応援団が凄い!『ナイスラン!』と言う言葉が嬉しかった!笑顔とガッツポーズで応える!『へろへろ』もキングりきさんが力走を続けているようだ。ペースはキロ7分まで回復し、前半の遅れを取り戻した。85kmの通過は10:47‘00“(47’58”)。
その後もお客さんを激写し、りきさん・マイクさんがいい笑顔で応えてくれた!皆さんいい笑顔です。90km走って来たとは思えないです。


そしていよいよ、復路の90km関門。往路の87kmを通過した。残り1.5km先の折り返し地点。だいぶ日差しも西に傾いてきた。62kmのキムアネップ岬から見えた、あんなに遠かったワッカの折り返しが、少し眩しい光の先に待っている。いよいよゴールまで帰るだけだ。

そこへ折り返しから戻ってくるランナーに夜久さんを発見!!『あっ、夜久さん!』力のない返事が返ってきた。前半から順調そうだったので僕がワッカを入る前に抜けってしまっていたのか?と思っていた夜久さんがここまで落ちている・・・。ちょっと心配。

僕が折り返してしばらく行くと、やってきたのは『卓球戦士』さんだ!!かなり歩きが入っていたようで、必死の形相だ!なんとか90km越えられるか?僕は少し回復したおかげで、90kmは11:26‘57“(39’57”)とまずまずのタイムで90kmを突破した。!その先のエイドで氷を頂き、頭から水をかぶり、脚に水を掛け、かち割りだけを手に歩き始めた。

その後方を見やると・・・ガッツポーヅしているランナーの影が見える・・・逆光で顔は見えないが、何度か振り返る度ガッツポーズ!あっ、『卓球戦士』さんだ!大きく手を振って応えた。すごいなあ。『卓球戦士』さんはサロマ湖だけを走るランナーで他の大会は走らない。でもサロマ湖は6回も完走しているのだ。粘りが違います!


僕は90km以降もトイレには行かなかった。立ち止まったり、しゃがんだりすると動けなくなりそうだったので、我慢するつもりはなかったがとにかく平坦と下りを走り登りは歩いて進んだ。しかし、集中力が落ちてきた。もう折り返しに向かうランナーはいない。自分に元気を与えられるのは自分自身だけだ。『行ける!行ける!』と思いながら確実に進むだけ・・・。ふと93km地点でオホーツクの海が目に止まった。すごくきれいだなあ。

しばらく進むとランナーズの撮影隊のくるまが止まっている。そしてその前に座り込むランナーの姿が・・・。夜久さん?え~。なんて声を掛けていいか分からず・・・『夜久さん、頑張って・・・』小さな声でしか、声を掛けられなかった。夜久さんからは『あっ、鈴木君・・・』と力ない声・・・。この先は無理かな?と思ってしまった。僕と夜久さんは暑さに弱い。それがここまで来て・・・と言う残念な気持ちが湧いてきた。

僕は止まる訳には行かない、なんとしてでもゴールしなくては!しかし、なかなか前に進まない。なんとか95kmに到着したものの、12:18‘09“(51’11”)と掛かってしまった。気持ちが切れてしまった部分もある。95kmエイドでまた脚に水を掛けて回復を待つ。ここからはカウントダウン・・・。前方にはあと4km地点の小高い丘が見える。かなりのランナーの数が走っている。みんな必死で走っているんだ。頑張ろう!なんとか96km地点の丘までは走って行けた。

そして丘を登り切り、振り返り『ありがとうワッカ原生花園。また来年も、走り切ってやるぞ!』と声に出して言っていた。今から考えると恥ずかしい・・・でも久しぶりに(4年振り)1人で突入したワッカ原生花園。たくさんのボランティアやランナー達に支えられているなあと、振り返りました。

そしてあと3km。ここまで来るともうゴールは目の前。ワッカの出口に向かう。必死で通過した80km地点にはすでに人はなく、寂しい感じもした。ここからは下り坂・・・右手に大きな建物が見えてくるともうすぐだ。するとそこに赤いTシャツが!!華とほっすぃーだ!『健司~!頑張って~!』興奮気味の2人・・・またまたギリギリに帰ってきたから間に合うか心配掛けました。自分は至って冷静・・・間に合うから大丈夫!!

エイドで水を取り、後ろを振り返ると、なんと夜久さん登場!!復活し、良いペースで走り続けている。華もほっすぃーも痛い脚を引きずりながら並走してくれる。自分は夜久さんに追いかけられている感じもあり、必死にペースを上げた。残り2kmの地点を通過。ここで冷静な自分がいた。夜久さんはこれでサロマンブルー達成だ。その夜久さんを前にゴールしてもらった方が良いのか?いや、それじゃダメだ。僕にはもう1年、もう1回ゴールする必要がある。夜久さんのゴールは自分でも見たい!それに夜久さんのあとじゃ目立たないし・・・(笑)

残り1kmを過ぎ、時間は12時間52分を経過・・・。最後の常呂町民センターへの道はまさにランナーのビクトリーロードだ!13時間という普通に考えても長い時間を自分と向き合い、葛藤し走って来た。もうだめかもしれないと思う時があったとしても、ここまで来て良かった、諦めないで良かったと思えるのがこの場所だ。『お帰りなさい!』の声が大きく聞こえる!その声援に笑顔で応える!重たい脚が軽くなった気がするのは、この声援のおかげだ。

最後に直線道路から常呂町民センターに向けて右折すると、ゴールゲートが見える。両脇にはお客さんなども多く、『鈴木君、お帰り~!』の声が・・・すると巨人軍団の斉藤さんが花束を!一瞬立ち止まりお礼を言ってゴールへ向かう!!この直線何mあるんだろう?もっともっとこの雰囲気に包まれていたい!

そして12時間58分47秒でゴール!!
サロマ湖9回目のゴール!

そのシーンを思い返すだけでも嬉しい!いや、よく走った!間に合った!と言う感じだ。メダルを掛けていただき、これで9個目!
ゴールには華恵・ほっすぃー・五十嵐さん・takedaさん・マイクさん・『へろへろ』の皆さんがいて祝福してくれた!ゴールをバックに記念撮影は多くのカメラに狙われ、記者会見の気分だった(笑)そして、応援してくれた皆さんと握手。『へろへろ』の方々には本当に励まされました!!兎虎BBQのみんな・takedaさん・マイクさん皆さんにはお待たせしました!といった感じです。これでやっとサロマンブルーリーチまで辿り着けました。


ゴール後は夜久さんと話をしたり、ず~と応援していただいた『カイチョーミホ』さんなどと記念撮影。本当に皆さんに支えられた今回のサロマ湖100kmマラソンです。特にこの暑いサロマ湖を完走できたことは大きな自信になりました。相変わらず速く走ることはできない自分ですが、100kmを満喫したことは確かです。諦めない気持ち、それに応えるカラダ、支えてくれる仲間達、ボランティアの方々など、どれかが欠けてしまったら走り切ることはできなかったでしょう。本当に皆さんありがとうございました。

そしてこの完走記を読んでいただいた方々の中からも来年のサロマ湖走ってみようかな?と思っていただけたら幸いです。来年は20回記念大会、ワールドカップ、そしてアート鈴木のサロマンブルー達成のゴールと話題が豊富です!皆さんでまたサロマ湖でお会いしましょう。ありがとうございました。

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: