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SAROMAN BLUE 鈴木健司
09チャレンジ富士五湖112キロ完走記第2章
すぐに荷物を受け取り、まずは水分補給とウエストポーチに残ったカーボショッツとオキシショットを飲み切る。72キロの永山くんと美佳さんに会うことができた。また112キロや100キロで折り返すランナーのお客さんとも会話を交わす。
そうこうしているうちに時間の経過があるので、場所を変え後半の準備に取り掛かる。まずはウエストポーチの補充。カーボショッツのフラスコにオキシショットのボトル。スポーツミネラル2つ。そしてパワーバーとベスパのオーガニックを入れた。最後にカーボショッツのワイルドビーン2本は1本ポーチに入っていたので、『まぁいいか』と思い再び荷物に戻した。
さらに肩バランスアンダーまで脱ぎ、ベースにX_FITHOTのロングスリーブを着て、再び肩バランスアンダーを重ねた。
他の装備としてはレモテープを足裏と腰に貼っていたので張り替えた。風が冷たく感じてきたので、預けていたアシックスのジャケットを腰巻きにした。いざ出発!の前にトイレに向かい、スタート時間は8時間33分を迎えたところとなった・・・まずいな・・・。
本栖湖の出発時にナンバーカードにチェックが入る。そして300人くらいしか向かわない淋しい左側のコースに向かう。
70キロの表示がいつ出て来るか気になる。このコースは昔の77キロの際に、3キロ先の駐車場まで走っているので大体のイメージはついている。しかし70キロを過ぎないことには後半の組み立てとして不安を拭えない。
70キロ 8時間46分27秒 48分02秒
本栖湖のエイドで10分以上休んでいた割りにはラップタイムでは許容範囲内。しかし90分で12キロを回らなければならないので、ある程度飛ばしていかないと厳しそうだ。
あと1時間14分で10キロ。80キロ10時間だけをポイントにしているのでキロ7分半でなくてはいけないとますます不安になる。まずは逆さ富士の見える駐車場までの登りを走って登る。
しかし途中で失速・・・歩きを含めて頂上に辿り着いた。そしてまだまだ先に行かないとエイドがないので、毎年寄っているトイレで休憩をする。束の間ではあるが、脚を冷やし首に水を掛けてリフレッシュする。そして気持ち的にも冷静になろうとスタートした。
この先は基本的には平坦だ。いつも風が強い本栖湖だが、今年は例年のような冷たい風はない。陽射しが暖かく感じる。
しかし、集中力が切れてきたのか、走り出してもすぐに歩き、歩く時間が増えてくる。また2年前にHANAがサプライズ応援をしてくれた場所に差し掛かると、今年もまた!を期待していた。今年はまずありえないので、頑張るしかない!と思うが、脚が進まない。
そしてまた時間を気にする。75キロはまだ到着していない。遠くにエイドが見えているが、なかなか近づかず気持ちばかりが焦り、時計のラップは45分を過ぎている。ようやくエイドまで1キロの看板が出てきたが、75キロは確認することができなかった。
このペースでは無理か。また昨年のようにリタイアしてしまうのか・・・いや!ここで諦めてはいけない!まずはエイドまで走り続けよう!本栖湖周回にただ1つだけのエイド。ランナーの数も疎らで、時間ギリギリの半分諦めモードの雰囲気も漂う。
ここでの補給は、本栖湖入口で摂らなかったスペシャルドリンク!片手に持って走っていたが、満を持しての投入だ!さらにオキシショットを加え、別にカーボショッツとスポーツミネラルを摂る。
ボランティアの方には『なんですか、それ?いろいろあるのねぇ~』『いやショップの店員なんで、自ら試してお薦めするんですよ!』『なるほど!アートスポーツね!頑張ってください!』『絶対完走するぞ!オー!』と掛け声を自ら掛けスタートした。
まずは本栖湖入口にどのくらいで戻れるかだ!最後の坂にキロ10分掛けるように前半貯金を作っているので、80キロの通過は10時間を過ぎても10分くらいは許容範囲となる。10時間を切れてもそこで疲労度がたくさんあっては完走は遠くなってしまうからだ。まずは良いリズムで走ることを心掛けよう。
エイドをスタートすると湖畔沿いに木が迫り出した日陰の道を走る。平坦でもなく細かな蛇行とアップダウンが気持ち良い。ペース作りにはまず心拍数だ。基本140~145が自分に負担のない心拍数。それをベースに気持ち良く走る!スペシャルなどの補給の効果もあり、歩きが入ることもなくキロ7分から7分半くらいのペースになっている。
段々と見慣れた景色に周回道路がまもなく終わることを感じる。そして経過時間はまもなく10時間を刻もうとしていた。キャンプ場などが近づきアップダウンがきつくなる。それでもなんとかペースを守りエイドに向かう最後の坂まで辿り着いた。さすがにその坂道は歩いてしまった。
112キロのランナー以外には本栖湖エイド到着が関門となり14持30分が制限時間だ。ちょうどその閉鎖された関門の脇を通りエイドに入った。
エイドにはナンバーカードを外してゆっくり休憩している人、ブルーシートに大の字で寝ている人様々だ。自分は休んでいる暇はない。しかし、この次のエイドは青木ヶ原樹海大橋を登り切った先に給水、そしてここから8キロ先にうどんエイドとなる。携帯しているエネルギーだけでなく、お腹に入れておく必要もあるだろう。
ボランティアの若い女性陣の『頑張ってください!』に押され、カステラを食べてスタートを切った。
そしてすぐに80キロ地点を確認!
80キロ 10時間08分55秒 1時間22分28秒(10キロラップ:平均8分15秒)
実際本栖湖の向こう側でバテていたので、後半の5キロが38分くらいで走っていそうな感覚だった。昨年は10時間20分近く掛かっていたので、気持ち的にも昨年のように飛ばし過ぎを注意した。体力的には今年の方が余裕がある。
100キロの通過目標が12時間40分だ。このタイムで行けば残り12キロに110分を残すことができる。ラスト2キロは下り坂になるので、15分あればカバーできる。と言うことは10キロに95分を掛けられるのだ。そうするとキロ9分でも5分間の余裕が生まれる。この安心感がギリギリでも間に合わせる秘訣だ。
今年のクリニックでも『走りながら考えるのは非常に面倒くさいのでしっかり計画を!』と伝えているのだが、実際自分は考えながら走っている。この計算を繰り返しながら集中力も高めている感じだ。でも頭が回らないので皆さんには始めからの計画をお薦めしたい!
本栖湖から精進湖の出口の途中で、いつもサロマ湖でご一緒しているお客さんが歩いていた。聞くと『本栖湖の関門がギリギリだったから、もう間に合わないかな』と。そう、14時30分の関門は112キロには関係ないのだが、明確な表示がない為に次のエイドも関門に間に合わないのでは?と勘違いをしてしまったのだ!『いや大丈夫ですよ!とりあえずまだ間に合いますよ!行きましょう!』
樹海大橋に掛かると往きに強く吹いていた風が、今は追い風となりランナーの背中を押してくれる。この坂を歩くと走るではタイムの貯金に差が出る。背筋を伸ばし、風をもろに受けて走った。そして85キロに辿り着いた。
85キロ 10時間48分21秒 39分25秒
完全復活だ!キロ8分をキープしている。この間エイドはなく、少し歩きもあったがこのペースならば安心だ。給水では水分とカーボショッツを摂り、次のうどんまでペースをキープする。
西湖の入口までは緩やかな登り。ここも風が味方してくれた。国道を横切り西湖へ向かう。約1.5キロでうどんエイドだ。前を行くランナーにお客さんを見つける。
『こんにちは!あれ?鈴木さんが来ると言うことはギリギリってことですか?』『まあ、でもうどんを食べたりする時間はありますよ!』そんな会話を交わしうどん野鳥の森公園へ到着した。
ここは88キロ地点。この先にすぐ90キロがあり、西湖公民館が91キロぐらいで関門になっている。その次のエイドは西湖を越え、峠の下りにある96キロ付近の西浜小学校だ。
まずはうどんを頂きボランティアの子供達と会話を交わす『じっとしていると寒いよね、大丈夫?』『大丈夫っす!頑張ってください!』『ありがとう!』さらにカーボショッツとオキシショットを注入し、スタートした。
西湖は往きには通らなかった反対側を走る。うどんから始めは下り坂。そして周回道路に入ると登りが始まる。西湖は1周約10キロになっていて起点がこの近くになる。抜けるまでの約6キロはこれを基準にペースの確認ができる。
登りは歩く、緩やかな部分を走る!ここまでかなり頑張ったので、積極的にカラダを休ませた。まもなく90キロだ。
90キロ 11時間35分35秒 47分14秒
思ったよりも掛かっている。うどんエイドで結構時間を使ってしまったようだ。あと22キロで3時間弱・・・と頭の中でまたまた計算を始めた。この先の西湖公民館で確認しよう。平坦になってから関門まで走り出す!
待てよ・・・20キロ3時間でキロ9分だから・・・2キロプラスで・・・3時間はないし・・・。おっとこれは(汗)!
関門に到着をすると残りの距離は21キロだと言う。時間はまもなく11時間45分だ。ますますギリギリになっていく。とりあえず後半坂道が続くので走れる西湖・河口湖で稼いでいこう。
もう一度計算すると制限時間まで2時間45分。距離は21キロ。単純にハーフマラソンだとしても、後半歩きばかりでは辿り着かない。10キロを1時間20分で走れば11キロに1時間25分使うことができる。10キロ1時間20分はキロ8分ペースだ。残りの11キロもラスト2キロが下りだと考えるとキロ8分でピッタリだな。(こんなことを考えながらいつも走っている)
後半に少しでも余裕を作る為に、この西湖は頑張ろう!西湖公民館近くには周回キロ表示が3キロとなっていた。西湖出口まであと3キロと思ったら俄然やる気が出た。いつも永遠に終わらないと思える西湖が時間的にも30分以内で抜けられる!と言う安心感が余裕に繋がった。
ここから気持ちではキロ7分!実際はたぶん7分半から8分近くだが、休憩時間を稼ぐ為にも先を急いだ。西湖湖畔に出ても風はこちらに味方した!もちろん風は強く吹いているのだが、背中を押してくれる。
1キロごとにラップを確認するとキロ7分ちょっとで走れていた。エイドもない、このまま西浜小学校まで走り切りたい。
ここで前を走るランナーにお客さんを見つけた!こちらを見て自分がやって来ることにリミットを感じているような苦笑いを浮かべている。そう自分は自らも認めるリミットランナー!近づいて行くと女性ランナーが『鈴木さん来ないで~!』一緒に走っている男性が『鈴木さん、死神みたいに言われてますよ!(笑)』『いや~ギリギリですよ!』と自分。
もうすぐ西湖も終わり。95キロの表示が出てくるところだが、なんと看板は92.5キロだった!いやいや、これはないでしょ!何度も走っているコースだから、大体の把握はしている。90キロ以降西湖周回の距離表示でも走ってきたんだから、92.5キロと言うことはない。次の表示で確認するか、100キロの距離表示で考えるかだ。
西湖に別れを告げ、峠のトンネルに向かう。トンネルに向かって追い風が凄い!押し出されるような形で河口湖へと向かった。
すると下りの途中に石橋君がいる。見るからに足を引きずり、下りも痛くて進めないと言う感じだ。少し離れた所から『いしばし~!大丈夫か?』もう半ベソ状態で『膝が痛くて・・・。』『走れるか!?間に合うぞ!ペース上げるぞ!付いてこい!』急な下り坂で膝が痛ければ厳しい状態だが、なんとか付いてきた。
まずは石橋君の装備を確認する。『行けるか?ポーチの中には何が残っている?』『カーボショッツ2本とベスパハイパーです。』『次の西浜小学校でベスパハイパーを摂って、オキシショットを水に混ぜて摂ってすぐ出るぞ!この時間だとエイドにあまり残っていないから、まずはそれを摂ろう。』
西浜小学校エイドは閑散としている。自分もパンパンに乳酸が溜まる脚を軽くする為にオキシショットを摂った。歩きながら坂を下り始めた。
これからの作戦を石橋君に説明。たぶん計算はできないだろうから、今キロ7分ちょっとで走ることで、最後の坂に余裕を作るんだと話した。石橋君は初100キロ。膝に不安があると練習でも感じていたが、脚をかばいながらもペースを切り替えて付いて来れるのは、ベースのスピードがあるからだ。
途中河口湖湖畔で、チームZEROの逢坂さんに追い付いた。キロ8分では走っているので、前に出たがあのペースならばギリギリ大丈夫だろう。こちらは脚のダメージの大きい石橋君を連れてなので、安心できる距離まで進みたいと思った。
距離については95キロを過ぎて残りは15キロくらいだと言うこと。河口湖へ出て100キロ看板に85キロを発見!残りは15キロと言うことだ。
またまた計算をする。もうすぐ100キロの計測ポイントもあるので、再チェックだ。100キロと思われる場所に到着。(表示はなし)
100キロ 12時間44分20秒 1時間08分44秒
たぶん距離的には合っているだろう。この10キロ飛ばしに飛ばしたので、キロ7分を切っている。休憩もかなり省いたので、当初の計画の100キロ12時間40分まで4分差まで持ち直した。
この距離が正しいならば、残り12キロに1時間45分ある。安心できる状態ではない。そしてこのエイドの次はラスト約7キロの地点までない。ここから5キロ先、しかも河口湖大橋の通りに出れば登り坂だ。
まずはここでも補給が1番!石橋君にはカーボショッツを1本しっかり摂ってもらった。自分は手持ちのカーボショッツがラスト1本となった。本栖湖で拾わなかった2本が大きく影響している。今摂らずしていつ摂る!と言うタイミングだったのでしっかりと飲んだ。
この先は今よりも歩きも増えるだろうが、リズム良く走れているのでこのまま粘れるだけ粘ろう!まずは河口湖大橋の交差点を目指した。石橋君と『絶対ゴールするぞ!』『オー!』の掛け声で気持ちを盛り上げた。
河口湖湖畔は比較的平坦で走りやすい部分ではあるが、段々と陽も傾いてきて寒さが厳しくなってくる。動いていないとすぐに体温を奪われそうだ。なんとか大通りまで戻ってきたが、徐々に登りが始まる。
1人旅ならば歩いているところだが、今回は石橋君がいるし時間的な余裕を作るのに最終関門までは急いだ。途中に距離表示があったが、今になって『100キロ』・・・な訳ないでしょ!
坂道は走ったり歩いたり。持ち的に前向きになる為にも目印を決め、掛け声を掛けながら走った。その距離たった100メートルぐらいの繰り返しだったが、歩きっぱなしよりもリズムを作れた。
そしてようやく国道に到着。ここからコースが昨年と変わっていた。従来は左折して船津口登山道を右折したが、今年はそのまま直進となった。
ここで『やった~!鈴木さんに追い付いた!』と言う声が!見ると、西湖で『来ないで~!』と言っていた女性と走っていた方だった。『鈴木さんに追い付いたら、絶対ゴールできますよね!良かった~!』後から分かったことだが、こちらの小関さんはいつもサロマ湖で走っている自分の友人の同級生だった!
『距離が曖昧なので、ギリギリでしょうけど、まだ大丈夫ですよ!』無理せず歩きながら、時折走り最終関門を目指した。
最終関門はゴールまで約7キロの地点にある。実際は6キロちょっと。ここを7キロで計算すると9分で刻めば63分。500メートル短ければ4分30秒早くなり59分だ。現在の時間は13時間38分くらいだったと思う。残り52分。7分で走り3分貯金だが、ここから7分は厳しい。ラスト2キロは確実にキロ7分で刻める。と言うことは5キロを38分で刻むことになる。
色々考えても仕方がない。坂を登り切れば、ラスト2キロは毎年のことだ。それは変わらないだろう。少しでも前に行こう。
今になって考えると100キロ以降も頑張って走っていたのに、ラストの坂で貯金がないのはおかしいことだった。本来歩き中心でも良いくらい余裕があるはずだったのに。このことはゴールタイムでつじつまが合う。
最終関門には豚汁があると書かれていたが、やっぱりなかった・・・。石橋君は最後のカーボショッツを摂り、自分はフラスコを目一杯振ったが空っぽだった。ここにきてお腹が空いてきた。ポーチは空だったが、デジカメを入れたケースの中にパワーバーが入っていた!お~!これこそ天の助けだ!食べながら坂を登り始めた。
105キロの標識があったが気にせず走る。我慢我慢のしどころだ。周りにも完走を諦めないランナーがたくさんいる。辺りは薄暗くなり、時間の経過と共に坂が終わることも感じ取っていた。
いよいよ終わりが見えてきた。最初にぶつかるT字路はラストの急坂の目印だ。歩くことを増やせないので、リズム良く電信柱2本分だとか、あの看板まで!を繰り返しラン&ウォーク!ここへ来て石橋君のリズムが良くなり『先に行っていいよ!追い付かれないようにね!』と前に行かせた。あの調子ならば問題ないだろう。
残りは約2キロと思って最後の坂を登り切り、最終エイドへ。するとここでも『あと3キロだよ!』『いや、それはないでしょ?トラック何周も回らせるの?』『回るみたいですよ!』『え~!』
2年前に100キロランナーだけが3/4のところプラス1周しなければならなかったことがあるが、3キロと言うならば何周させるの?それはないな!また最終エイドで一緒になった小関さんと、初100キロを目指すSさん(初対面)と並走する。
Sさんは『完走できますか?間に合いますか?』と不安そう。坂を登り切ったら歩こうと思っていたけど、絶対ゴールしたいと言う気持ちが彼女を走らせていたと思う。自分と小関さんはここまで来たら気持ちに余裕ができた。『絶対大丈夫です!間に合いますから!良く頑張りましたね!』Sさんは目に涙を浮かべながら走っている。初めてのウルトラ、やっぱり強い気持ちが大切だなあと心から思った。
計測ポイントがありおそらく110キロ!『110キロですか?』と聞くと『そうです!』やっと来ました!正しい距離に。
110キロ 14時間10分22秒 1時間26分01秒
100キロからの10キロを9分掛からずカバー!坂があった割りに頑張ったタイムだ。本来1人旅ならば100分くらいで走っていただろう。距離表示の曖昧&石橋君との並走によりタイムとしては縮まった訳だ。
残り2キロ!ここで2キロならば最終エイドで3キロないって!またまた思ってしまった。さあ切り替えてラスト2キロ楽しみましょう!
Sさんは感動のあまりまだ涙が止まらない。途中まで仲間3人で走っていたのを見掛けたが、仲間は完走を信じて前を走っていった。『ここで走れてるのは2人のおかげです!』『いやいや、走って来たのは本人ですから。自分が頑張ったんですよ!初めのチャレンジで立派ですよ!』小関さんと2人でウルトラの魅力を語り合った。特にこういったコミュニケーションはウルトラの醍醐味!目標とするゴールが一緒なだけに、少しの間でも絆ができる。
最後の北麓公園に向かうカーブを曲がりあと下り坂。一層ピッチが上がる!スタート地点の競技場が近付いてきた!ライトに照らされて沿道の応援がシルエットになる。その中から『アートスポーツ頑張れ!おめでとう!お帰りなさい!鈴木さ~ん!早過ぎるんじゃない?』の声(笑)。
Sさんから『一緒にゴールしてください!お2人のお陰で走り切れました!』と声を掛けて頂いた。競技場の前から今年は左折し、100メートルのスタート地点からトラックへ!逆走しゴールを迎える。バックには富士山があり、ゴールシーンを盛り上げてくれる。(かなり真っ暗になってきたが・・・)
トラックでは手を繋ぎゴールの練習。そして『前後のランナーと間隔を空けるんですよ!ゴール写真の為に!あと下は向かないように!(笑)』競技場内ではナンバーカードから名前を呼んでくれている。最終コーナーで自分の名前が呼ばれ『は~い!』と大声で叫んだ!
そして2009年チャレンジ富士五湖112キロのゴールを迎えた。
112キロ 14時間21分34秒
応援の大観衆に迎えられ最高のゴールを切ることができた!タイムもアート鈴木に似合わない自己ベスト更新だ!(07年14時間27分51秒)ゴール後、小関さん、Sさんとガッチリと握手を交わしお互いの完走を祝った!
また河口湖で抜いてしまった逢坂さんも時間内にゴールすることができ、石橋君、永山君、美佳さんと全員が112キロ・100キロ・72キロで完走と言う結果となった。
ゴール前はたくさんのお客さんにも会うことができた。クリニックに参加して頂いた方や、楽天ブロガーの方、各地のウルトラで会ういつもの仲間との再会が嬉しかった。ゴール後、着替えの為に体育館に向かうのに30分近く掛かったが、たくさんのふれあいと完走できたことに興奮していた。
着替えも終わり荷物を片付けていると、一緒にゴールしたSさんが声を掛けてくれた。こちらは名刺を渡し、Sさんは名前入りのナンバーカードをくれた。山梨県のSさん、毎年富士五湖で会えるでしょうね!
翌月曜日から仕事だったのでSKINSに履き替えすぐに車を走らせた。体調的には少しだけ力石モードになったが、問題なかった。車中は皆疲れているのに寝る人はなく興奮していた。
お腹も空いていたので22時に武蔵浦和に到着し『餃子の王将』で打ち上げをしようと思ったが、22時閉店で間に合わなかった・・・。後日打ち上げとし解散した。
今回のチャレンジ富士五湖112キロを振り返って。
体調面はまったく問題なかった。昨年の教訓を生かしレースに望んだ結果だ。大会に向けての練習は3月の24時間走で138キロ。その後はウルトラマラソンクリニックでのランが1回。これを機に帰宅ランを再会。4月のクリニックと帰宅ランを4回行い、大会を迎えた。
正直3月末のクリニックではカラダが動かず不安になった。しかし帰宅ランを、初めはへばりながらも徐々にペースを上げ、繰り返しことで安心感を得ていた。超ロングの練習は今回は24時間走でカバーした。
今回特に意識して行ったのは補給面。前半から積極的補給。カーボショッツ10本・オキシショット大を主食とした。エイドにはエネルギー系の食べ物は要所のポイントにしかなく、途中の補給は自ら携帯したものを摂ることでかなり疲労を抑えられた。
80キロ以降100キロまでの力走は、70キロ以降落ち込みがあったにも関わらず、キープできたのは補給がしっかりとできたからに間違いないと感じている。大会に応じて量は変えれば良いと思うが、カーボショッツ6本とオキシショット200mlは基本になりそうだ。
レース全体の組み立てに関しては、タイム的にみると50キロで貯金は作れなかったのは反省材料。これはサロマ湖に向けて基礎スピードを研く必要あり。68キロでの休憩15分の使い方はもう少し減らせたかな?来年以降は8時間25分では本栖湖周回に向かいたい。
後半の95キロ過ぎから112キロまでのリカバリーは距離表示の不備などがあり、通常時よりかなり頑張った。距離さえしっかりと合っていればもう少し遅いゴールだったと思われる。
最後にウエアリング。今回も肩バランスアップシャツをベースに前半戦。後半は前半プラスX-FITHOTのロングスリーブを重ねた。
思ったよりも朝の冷え込みもなく、本栖湖の奥でも風がなかったが、やはり帰り道の風が冷たく感じられた。モンベルのULジャケットが見つからなかったので、いつも帰宅ランで使うアシックスのジャケットを持ったが、モンベルより暖かったので良かったようだ。
サポートグッズとして活躍したのはやはりレモテープ。足裏・腰と途中のエイドで貼り直したが、かなり楽だった。下肢に不安はなかったが、緊急に備えて持っていると役立つ。
いろいろと準備をして望んだチャレンジ富士五湖112キロ。
走る前はリタイアするものか!と昨年の反省を胸に走っていたが、やはり途中で気持ちの切れてしまう部分があった。いつも通りでも、やはりコースや天候に左右される部分も大きい。
暑いのは苦手とか坂が苦手とかあるが、結局走るのは自分なのでそれなりの努力をしないと走れないのだ。練習してきた自信が切れない気持ちに繋がると思った。もちろん絶対に完走するんだ!と言う強い気持ちも重要だ。
特に今回西湖を終えた坂の途中で会った石橋君の気持ちは凄かった!会った直後は泣きっ面。しかし前を見据える目はまだ諦めていなかった。最後のゴールを一緒に迎えることはできなかったが、最高の笑顔でゴールしただろう。また最後みんなで撮った集合写真にも嬉しさが込み上げている。見ているだけでこちらも涙を誘われてしまう。
一緒に走った時間が長い程、共有できる部分がたくさんある。次は自分の気持ちだけでゴールできる強い石橋君に変われたはずだ。彼の完走記も楽しみにしたいと思う。
最後に朝から応援で回っていた方、途中で声を掛けて頂いた皆さんありがとうございました。ウルトラマラソンはボランティア含め、たくさんの人に支えられて走らせてもらっていると感じています。またお世話になります。ありがとうございました!
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