SAROMAN BLUE 鈴木健司

SAROMAN BLUE 鈴木健司

15サロマ湖100kmマラソン完走記~第2章~

グランディアを後にしようと、濡らしたバンダナを止まってから装着しようとすると応援の方が『あれ~?ランスマに出てたよね!(笑)なんか見たことあると思ったんだよ!』と声を掛けてくれた。『ありがとうございます!今年は大丈夫そうです!』と答えて出発した。グランディア直後の登り坂は歩きも混ぜながらゆっくりと進む。10分で休憩を済ませてもこの歩きもプラスαの休憩になるのだ。さらにサロマ湖では必ず55キロのラップを押した後にトイレ休憩となる。

55キロ 6時間25分50秒 48分46秒

想定内の48分台。休憩が10分だったから走っているペースは7分半くらいという計算になる。そして仮設トイレへ。大きい方ならば道を渡って道の駅へ行くのだが今回は小なので仮設を待つ。男性1つ、女性1つしかないがグランディアの後なのでここでトイレに行こうという方は何回か参加しているランナーだけだろう。3番目に並ぶことになったが、これはいつもより多い。今年はトイレ運が悪いみたい。それでも小待ちなので2分程度でクリアしてスタート。小刻みなアップダウンが繰り返されるが、気候にも助けられてスタミナの消耗は少ない。
58キロまでくれば後は下ってから湖畔沿いを60キロまで平坦で進んでいく。途中ランナーと車の接触事故があったらしく、パトカーがドライバーに話を聴いている様子が見えた。人数が増えたから注意しないといけない。
湖畔に出るとサロマ湖の対岸にワッカの折り返しとなる橋が遠くに見える。いつもは『あそこまでいくのか。』と感じることが多いが、今年は『あそこまで見えてきた!』と前向きな気持ちで走ることができた。不安材料もここまで出てきていないので、しっかりと目標を定めた。

60キロ 7時間03分32秒 37分41秒

ここまで大きく崩れることはないが、徐々に右腕が振れなくなってきているようで、肩・背中・腰と張りを感じるようになった。少し肘を伸ばして拳が下がっている状態が続いていたからだ。やはり固定期間が長かったこともあり、右腕の意識が低かったことが原因だろう。野辺山を走った時と同じように固まってしまったのだ。
エイドに到着したので、ZENダルマとトラを飲んでからショッツ、山よりだんご、オキシーショットと摂取する。バンダナを濡らしてかぶり、右腕も冷やしていく。
60キロを離れて登り坂に差し掛かって歩き出した。先程気になった右側の腰辺りに鈍痛的なものが出てきたからだ。ここは無理しても仕方ない。坂の途中で大久保さんに追い越されていく。大久保さんは癌を克服してサロマ湖に挑戦し完走。今年は病気前の自己ベスト更新が目標で走られている。前回はグランディア前でお会いしたが、今年は少しでもお話しながら走りたかったので、キムアネップへ向けての下り坂を並走した。キロ7分を切るくらいのペースで下りていく。このペースならば12時間06分の自己ベスト更新は不可能ではない感じ。お互いにエールを交換して平坦になってからは先に行っていただいた。
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また今年もこのキムアネップでやや脚が止まりかける。ランフォト2.0のカメラマンが見えたので走らなければカッコ悪いとなんとか走り出すがバランスが悪い。少し歩きを混ぜながらリズムを作ることに。すると後方から内藤さんがやって来た。アート時代のお客さんで今回は宿も同行している。前々回の野辺山では今年転倒した辺りでお会いしたり、前後しているランナーだ。初サロマということで不安な様子。ここまでの状況を伺うと『眠気が・・・あまり食べられていない』という。まずは63キロのエイドまでゆっくりと走る。65キロの通過タイムを計算しながらエイドに到着。ここには2ヶ所目のスペシャルが置いてある。内藤さんにオキシーショットを眠気対策に水に溶かして飲んでもらう。僕自身もここからが正念場なのでショッツをしっかりと飲んでハンガーノックを防ぐ。エイドを離れたのが7時間39分くらい。次の64キロは魔女の森に入ってからすぐにある。ひとつの基準は65キロ8時間での通過。ここがはみ出してしまうと80キロ10時間までキロ8分を切るペースで走らなければならない。このまま行けば65キロは7時間50分で通過できる。ということは15キロで10分の貯金があるということ。80キロを10時間以内で抜けるには、5キロ42分で刻んでも十分貯金があるということだ。今の区間は歩きが増えてしまったが、内藤さんと並走することでまたリズムを取り戻していく。

65キロ 7時間49分43秒 46分11秒

ここで45分を越えるラップとなってしまった。しかし魔女の森の中である程度のリズムには戻ってきた。明らかに60キロまでのリズムとは違うが、悪いなりにペースを崩さずに走ることはできるようになってきている。
魔女の森以降は内藤さんとのリズムの違いで前後することはあるが見える範囲で走れている。私設エイド2ヶ所も立ち寄りカラダを冷やして、斉藤商店を目指した!
黄色い建物が目に入るとなんだか元気が湧いてくる。斉藤さんに『あんた去年テレビ観たよ!ゴールで待ってるからね。』とエールをいただき冷たいタオルで顔を拭った。そして冷凍されたブルーベリーをいただき70キロを目指す。屋根の上のさろまにあん応援団からの声援に応え走っていく。途中ニューバランスの方が応援でいたのでコーラをいただきパワー注入!そして後ろから天道さんが追い付いてきた。天道さんはカメラを巧みに操り、ウルトラマラソンの動画公開している。
天道さん動画はこちら!

70キロ 8時間34分32秒 44分48秒

予定していた42分よりは約4分オーバーだが、エイドに3つ立ち寄っての45分以内なので問題ない。80キロまでは90分残らなかったので、この後に修正していこう。天道さんは余裕もありそうで先に行っていただいた。
42分で大丈夫と思っていた65キロからラップを大きくはみ出したので、その分の遅れとなってしまった。気を取り直して、再度計算をし直す。あと10キロを85分でクリアするのが目標だ。コースは鶴賀リゾートに向かう直線道路に入っているが、走り続けられるリズムは作れないので、ここでは電柱走りで前を目指す。走るスピードはキロ7分。歩きを入れて8分ペースの計算になり、さらに休憩を加えて42分前後を想定する。
鶴賀は74キロ手前となる。いつも計算するのは同じなのだが、鶴賀を73キロと考えて8分ペースの計算をする。7キロ×8分なのでワッカの入口まで56分掛かる計算だ。なので鶴賀出発時間は9時間04分となる。まずはこのリミットで設定する。
71キロと72キロでラップを確認。8分ペースで走っていることを確認。かぶり水もパスしてまずはこのリズムを崩さないように、電柱走りを繰り返す。73キロを過ぎてまもなく鶴賀到着というところでYuさんにお会いする。イケメンのYUさんは爽やかな笑顔で声援を送ってくれて並走しながら写真も撮ってくれた。いつかはイベントなどでコラボしたい方だ。
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鶴賀リゾートに到着するとLive中継の砂田さんがいらっしゃる。『いつもギリギリの鈴木さん!昨年みたいなことはダメですよ(笑)』と突っ込まれ笑顔で応える。砂田さんのベストタイムを2倍しても100キロでは敵わない(笑)もちろん100キロじゃなくても敵わないけど(笑)
ここではおしるこをいただき、バンダナを濡らして頭と手首を冷やした。天気は良いが風を正面から受けるようになってからは、寒さを感じるようになってきた。手元の時計は9時間06分を過ぎており、予定よりも若干の遅れが出ている。スタートするとすぐに74キロがあるのでタイムを確認すると9時間10分で通過。75キロに向けて貯金をすることができた。

75キロ 9時間18分07秒 43分35秒

サイクリングロードに入り対岸にワッカを見ながら入口を目指す。後方から追い抜いていくランナーが『鈴木さんありがと~!』的な声を掛けてくださった。ランスマを観てウルトラのきっかけになったんじゃないかと思うようにした(笑)誰かのためになるって良いことですね。
そのランナーの背中は小さくなり追い付けるペースではない。僕はマイペースを貫いてワッカを目指す。昨年はこの場所をキロ7分くらいで走っていた。75キロまで5キロ40分のリズムでしか走れず、80キロの関門を10時間24分(2014年制限時間)で抜けても10キロを78分でいかなくてはならなかった。80分を確保するためにダッシュしながら80キロを越えたが、8分ペースで走れる脚は残っていなかった。あの時、我慢していたらもしかしたら脚が残っていたかもしれない。ワッカで回復してゴールまで行けたかもしれない。失敗した昨年の僕はなんども『たられば』を繰り返していた。腰が痛くならなかったら・・・。
今年は違った!自分のリズムを貫いた。絶対に80キロを10時間で抜ければ必ず間に合う!その気持ちでだけで80キロを目指した。あと5キロ先に目標の場所がある。昨年ダメだった自分がまだワッカの中にはいるはずだ。その自分とも決別しなくては!
自然とペースが上がる。気持ちも高揚し、リズムも出てきた。呼吸を上げすぎないように、大きく息を吐くことを忘れずにペースを守る。サイクリングロードの最後のアップダウンをクリアして79キロの看板を過ぎれば、ワッカの入口は目の前だ。今年から79.4キロのエイドが関門になっている。ここでまた砂田さん登場!カメラにガッツポーズして応え、エイドに立ち寄る。時間の余裕はある。この先にのエイドは復路95キロ地点だが、そこには水しかないはずだ。少し食べておかないと後半失速に繋がってしまう。ポーチから山よりだんごとショッツを摂取していく。
ここから600メートル!基本登り坂だ。ミストシャワーの下をくぐり抜けてゴールに向かうランナーに声を掛けて進む。はじめから知り合いのランナーさんが多く、大声を張り上げていく。ハイタッチしたい気分が高まり左手を差し出していく!
ゆっくりと走りながら80キロ地点を目指す。前方にはへろへろの3人が走っていたので、マイペースで進みながら前に出る。急ぐつもりはないが、ここに戻ってきた喜びからかどんどん元気になる!そして80キロに到着。

80キロ 9時間57分35秒 39分27秒

やはりペースが上がっていた。約3分の貯金を残して80キロを抜ける。いつもならばここからは1キロ歩いて体力の回復を図るところだが、今年はその必要はない。体力的には走って歩いての繰り返しでキロ9分を刻む方がリズムとして良かった。まだ後続からも知り合いのランナーがワッカを目指しているはず。しっかりとゴールに間に合う目標としてリズム良く走っていこうと決めた。
80キロからしばらくは緑のトンネルの中を進む。走れるところは走り、急な坂は歩いて進む。ワッカ原生花園を遠く見渡せる坂の上に到着すると2年振りのワッカに感動した。そしてゆっくりと進んで81キロに到着!ラップは9分。一定のリズムがとても気持ちいい!ランナーに声を掛けていくと皆さん笑顔で応えてくれる。82キロ、83キロとそのままのリズムを崩さずに進むことができた。
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昨年のことを思い出しながらのラン。全く走れなかったワッカ。腰から脚のダメージは酷く、優ちゃんの折り返しを見送るまでは頑張りたかった。膝に手を付いて脚の回復を待っても筋肉は硬直していくばかり。気持ちとカラダの差が大きく時間だけが過ぎていった。
そんな過去を思い出して、ここまで順調に来れたことがとても嬉しかった。また折り返してくるランナーからも『腰と腕大丈夫ですか?応援してます!』と言葉をいただき、感謝の気持ちしかなかった。そして後続からもペースを上げて僕を抜いていくランナーの方々がやってくる。『ランスマ観てました!今年は大丈夫そうですね!』『ありがとうございます♪ここは制限時間3分前ですよ(笑)9分ペースで走ってますから!』と伝える。
途中2ヵ所目のエイドには応援の方がたくさんいる。へろへろの皆さんや多くの知り合いの方から『今年は大丈夫だな!ゴールで待ってるよ!』左手を挙げて声援に応える。
エイドではスイカを食べてショッツを流して、オキシーショットを飲みながら歩き出す。85キロの通過予定を10時間45分までにと決めているので、そこを3分余裕の10時間42分で抜けていきたい。
エイドを離れ再びたくさんの知り合いのランナーが戻ってくる。左手でハイタッチする際に、相手も左手を出してきて届かないパターンなどもあって可笑しかった(笑)痛いのは僕だけですから!または親指を立てて『いいね!』としてアイコンタクトで挨拶を交わす方もいる。

85キロ 10時間42分27秒 44分51秒

予定通り85キロを通過!電柱走りでもないので、呼吸も上がらずに安定した走りだ。折り返せば向かい風になる。この時にエネルギーをたくさん使ってしまうので、確実に補給を走りながら進める。追い風のワッカ折り返しまではアームウォーマーはポーチに通したままで走っている。
ワッカの折り返しは遠くに見える新しい橋桁のところ。昨年は辿り着かなかった場所だ。昨年リタイアした87キロ付近は折り返して90キロ計測地点。今年ここに関門はなく、先程のエイドが関門となっている。どんな想いでこの場所を通過するかと思っていた。過去のリタイアでは振り返ることが多かった。今走れている自分と諦めた自分が交錯して今年はいける!と気持ちを上げていったが今年は気持ちに大きな違いがあった。
それは『あくまでも通過点に過ぎない!』と思えたこと。ここを乗り越えることが目標ではなくゴールすることにしっかりと標準を定めていたからだろう。脚の状態・腕の痛み・タイムの経過などすべての状態を把握した上で、必ずゴールできると確信していたので、過去に引きずられることはなかったのだと思う。
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顔を上げて折り返しを目指す。ランナーとのエールの交換で元気をもらい、こちらからもパワーを送る。後ろから来るランナーの方々からも『やっと追い付いた!これで完走できます!』『いってらっしゃい!』とペースを維持して見送る。皆さんしっかりとした脚取りで僕のことを置いていく(笑)
折り返し手前のエイドはたくさんのランナーでごった返していた。行きは立ち寄らず帰りにしようと決めてまずは折り返しを目指すと、そこには大きな坂が待ち構えていた。新しい橋の途中まで登ってから、今までの橋へと降りていく。その後サロマ湖側へ下った先に折り返し地点が見えた!『ここまで来てこの登りは厳しいな(苦笑)』と下りは止まらずに折り返してからゆっくりと歩いて戻る。ようやくワッカも折り返しを迎えて、残りはゴールへ向かうだけだ。エイドに戻る間、折り返しを目指すランナーにエールを送っていると、魔女の森で一緒だった内藤さんが後ろに?あれ?先に行ってなかったかな?さらにはウルトラクリニック参加者の方など、多くの方を見つけたので、『ここまで来てくださいね!』と声を掛けていく。
エイドに到着すると庄司さんが居たので『ラスト楽しんでくださいね!間に合いますから!』と伝える。僕は後続のランナーから内藤さんと待ち構えて様子を伺う。さらに30キロで出会った山下さんもエイドに到着。痛みは引いていないようだが、この位置ならばいけると思う。アームウォーマーを装着!右手を通すのは痛い!
内藤さんに色々と話を聞くと、70キロ手前のトイレと鶴賀のトイレ休憩があったらしい。でもそれを加味してこの位置にいるということは、問題ないなと感じた。この先のペースに関してまた僕だけがたくさん喋る(笑)『90キロの通過を11時間30分以内で抜けたいので、ここは少しだけ頑張りますよ!1.5キロくらいですから。』
エイドに少し長居した感があったので、少しだけ歩く時間を減らして走り続ける。細かいアップダウンがあるので、呼吸が上がらないように時折歩きも混ぜながら。すると折り返しを目指すランナーの中に、松宮さんを発見!松宮さんは初ウルトラで完走を目指しているが、少し距離が空いている。でも諦めずに折り返しを目指していた。なんとか頑張って欲しかったが、98キロ地点で13時間を迎えてしまったらしい。なんとか最後まで走らせて欲しかったと本人は悔しそうだった。

90キロ 11時間27分54秒 45分27秒

90キロの手前で貯金が確認できたので歩きながら計測地点を越える。ラップも45分台と安定しており、貯金も2分残っている。『少し歩きましょう。』折り返しのエイドから8分を少し切る速さで走ってきた。休憩も少なくしたので負担は大きいと思う。なので走れるところは走り、登りは途中まで頑張ってから歩く作戦をとった。
エイドに到着する手前で『95キロにあるエイドには水しかないので、固形物を摂るならばここが最後です。ラスト2キロにもあるけど。』と伝え補給を意識してもらう。ここからは1キロ毎にタイムを確認して間に合うことを確認。1キロ9分が目安だ。ゴールを見てしまうとまだ10キロを切ったばかりなので、10キロを90分!と考えるだけでも長く感じてしまう。確実に目標をクリアしていることを確認しながら走ると自信に繋がるのだ。貯金が貯まれば歩いてもいいよ!のご褒美が貰える感じだ。
93キロを過ぎて今度は大きな下り坂。内藤さんに『この先の下り坂を止まらずに走って、平坦で歩きます?それとも下りは歩いて平坦を走ります?』『下りなのに歩くんですか?』当然の答えだ(笑)。でもどっちが楽かは本人しかわからない。痛い部位によっては下りで無理せずに負担の掛からない平坦で走った方が良いこともあるので一応確認した。
そして遠くにテントが見えてくる。95キロのエイドだ。あそこまで行けばゴールは確実に見えてくる。時間的な余裕もありそうだ。ここからは後続のランナーを待ちながら行こうと決めて内藤さんにはエイドからは先に行ってもらった。

95キロ 12時間14分29秒 46分34秒

山下さん、カイチョーミホさん、お客さんの加藤さん等を気にしていたので、95キロを抜けてからゆっくりと進んだ。思ったよりも距離は離れておらず、逆に僕よりも皆良いペース!(笑)心配ない走りで置いていかれてしまった!唯一山下さんだけは相当痛みと闘っている感じだ。でも川の道フルと野辺山100キロもクリアしている方なので必ず来ると思っていた。ラスト4キロ手前にある大きな登り坂までは走って、その後は歩いて登っていく。この1キロは9分。この先は大きな登りはなく、下り勾配とワッカを出てからの平坦だ。無理に飛ばしすぎなければ脚への負担も大きくなることはない。山下さんと並走することはないが、ある程度の距離で来ていることを確認して走る。80キロの計測地点を抜けてラスト3キロとなる。ここまで18分。ゴールまではあと30分を切った。ラスト1キロでは応援でペースが上がるので、この時間があれば大丈夫。緩やかな下りに入り、ワッカの出口を迎えて最後のエイドに到着。『残りあと20分を切りましたよ!完走しましょう!』と声を掛けていただき、食べ物をいただいてスタートする。
左折した先にラスト2キロの看板を確認して走る。時間的なことはあまり気にしない。歩く時間を少し減らして、呼吸が上がらないようにしながらリズムを作る。一旦国道に出てからラスト1キロの看板を越える。残り時間9分。一応時計を確認してから側道に入るとランナーのためのウイニングロードだ。ゴールしたランナーが応援のために迎えてくれる。『もう歩いている時間内よ~!がんばれー!』『歩きたいです!歩きます!』と脚がもたないので少しだけ歩いて再び走る。
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常呂町民センターにあるカーリングホールの建物が見えてくると、両側に応援の方の人垣ができてランナーを迎えてくれる。そこにはいつも迎えてくれる方々が!『ギリギリ王子!(笑)』と声が掛かったり、『バンザイ~!』と皆さんでゴールを祝ってくれた。両側に広がる応援の皆さんとハイタッチはできなかったけど、感謝の気持ちで声援に応えた。
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最後の曲がり角を右折してあとは直線のみ。右側の応援側へ寄りながら、知り合いのランナーに挨拶をして左手ハイタッチで応える。斉藤商店の斉藤さんや同行したメンバーも迎えてくれた。そしていよいよゴールゲートへ!12時間58分台を刻むのを確認して、かなり混雑の中を両手を上げようとしたが右手は上がりきらず、左手で人差し指を1本立てて『あと1回!』をアピールしてゴールした!
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100キロ 12時間58分58秒 44分29秒

約1分前のゴールを確認して時計を止めようとしたが、右手が痛かった。その後山下さんがすぐ後ろでゴールされたのを確認して挨拶に。30キロからの痛みに堪えてさすが川の道をクリアしている鉄人ランナーだと思った。さらには柴又練習会の多摩湖に参加してくださっていた片柳さんもゴールにいて一緒に写真を撮ってサロマ湖の感想などを伺った。
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ゴールの人だかりは完走メダルの不足と言うことで、ナンバカードを回収していたためだった。後日郵送と言うことで、19個目のメダルはお預けとなった。第30回大会だったのと、子供たちの誕生日のお土産にはもってこいだったのだが残念だ。それだけ完走率が高かったということだ。この気象条件ならば納得だ。
その後もたくさんの方に声を掛けていただき、昨年のリベンジと腕の状態を気にしていただいた。同行の竹田さんが迎えてくれてサロマンブルーの部屋へ向かい、着替えもせずに荷物だけ受け取りジャケットだけ羽織って集合場所へ。とにかく今年もお腹が空いてしかたないのでカレーライスを求めるものの完売・・・仕方なくつくね串とか唐揚げをゲットしました。1000円分あるのに時間ギリギリだとこういうこともあるんですよね。
同行のメンバーではワッカ折り返しであった松宮さんが残念ながら98キロで収容されてしまったのと、シオジーがお通じが3日間なかったからと下剤を飲んでお腹ピーピーでリタイアと、鬼太郎の南場さんは悠林館までと決めていたので、予定通りということでした。
それぞれのサロマ湖がそこにはあって、それぞれのドラマがあったと思います。また次回もこの場所で同じゴールを目指していく仲間として会えることを楽しみにしています。

レース後はしっかりと交代浴を行い、脚だけでなく腕も行った。そのお陰で翌朝の散歩から問題なく歩くことができた。食欲はいつもより少なかったが、翌日もお腹一杯まで食べた。今年は中標津の往復だったことが残念な点。昼便しか飛んでいないので大会前後は移動だけになってしまった。来年からはよく考えないといけないかな?

最後にレース全体を振り返る。手首の骨折患部の痛みは時折あったが、徐々に肩・背中・腰へと張りが出てきてからは、ペースを維持することができずに9分のリズムで進むしかなかった。徐々に腕が振れなくなってしまったことが、張りに繋がったと思うので、もっと意識して腕振りをしておけば良かった。やはりギブスの固定の時間が長かったので肩回りの筋肉が固かったことも原因のようだ。
大会前2回(25キロ)しか走れなかったことで、正直脚がもつのか不安だった。30キロまでなにもトラブルがなければその先はどうにかなると思っていたが、右の股関節に若干痛みがあっただけで脚力的には問題なし。60キロまではほぼキロ7分ペースで走り休憩を入れるリズムでしっかりと走れていた。ここまで走れるとは予想外だったが、前回の野辺山の前半を振り返っても同様にベースの力がついている感覚があった。野辺山では転倒、サロマ湖では骨折の影響での張りと最後までそのリズムを維持することはできなかったが、このまま練習量を増やしていければ早くゴールすることも可能性もなくはないと思った。
60キロ以降はリズムが崩れはじめていたので、目標を80キロ10時間以内と明確にして修正。そのためにどう走ったら良いかをカラダと確認しながら走った。そして80キロまで行けば『鉄壁の方程式』で完走できる自信を持って走っていた。前半の貯金もあったお陰で、レース後半からも電柱走りが多くなることはなく、一定のリズムで行けたことはかなりの収穫。ワッカの中では『ここが制限時間3分前ですよ』とお伝えできるくらい余裕があった。タイムはいつも通りであったが、いつもよりも内容としては悪くなかったと感じている。来年のグランドブルー達成もこのくらいのタイムで帰ってこれたら最高です!

補給に関して今回はスペシャルドリンクを封印して、とにかくポーチの中身で対応。やはり空腹感としては例年よりもありガツンとした補給は少なかったが、こまめにショッツとオキシーショットとZENと山よりだんごと塩熱サプリは摂るようにした。塩熱サプリは5キロごと舐めていて、寒くても汗は掻いているので積極的に摂った結果痙攣などを引き起こすことはなかった。
最終的に消化したサプリメントはショッツ10本・メダリストジェル2本・MAGMA4本・オキシーショット1本・ZENダルマ&トラ各15粒・塩熱サプリ10~15粒・ベスパハイパー2本・スポーツようかん1本・山よりだんご1袋といった感じのボリューム。これをグランディアと2回に分けてポーチに収納。やはりスペシャルの重要性を実感した形となった。

最後に今年は昨年のランスマの影響もあり例年よりも数多くのランナーの方々に声を掛けていただき、それが僕自身のパワーにも繋がりました。おそらく『サロマ湖 鈴木健司』での検索もされたようで、ブログのアクセス数は大会前1日1000件を越えていました!テレビって凄いんですね。なので皆さん昨年リタイアのことはもちろん、骨折のことは知っている状態だったのでとても励まされました。
中でも嬉しかったのは『ランスマ観てウルトラ挑戦しようと思い、サロマ湖に来ました!』という言葉。皆さんにウルトラマラソンの魅力を伝えたいと思い活動していますが、それが叶って良かったです。
これからも出来ることは少ないかもしれませんが、ウルトラマラソンに挑戦したい方を応援し、一緒に走り続けたいと思います。次の大会は未定です。来年は少しだけ大人しくしている可能性が高く大会も減らす予定ですが、皆さんとお会いできる準備はしておきますので、よろしくお願いします!

この場を借りまして今年サロマ湖に携わった皆様に感謝、お礼申し上げます。本当にありがとうございました!これからもよろしくお願いします!

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