麻偽ブログ

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2009.02.03
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カテゴリ: 小説
一話はこちら
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 太陽が西に傾く時(2)

 「人類滅亡?」
理恵は笑って聞き返した。たった一週間後にそれが現実のこととなっているなんて…

 人類が滅亡してしまってから、しばらくたった後の博多駅は静まり返っていた。九州最大の駅であった面影は全く残っていない。いるといえば、大阪同様にネズミくらいのものだ。ただ、博多駅から数キロ西に向かった所にある一軒家、そこに一人だけ生き残った女子の姿があった。

 3140年現在、人類は更なる文明を築き上げてきた。特に二十一世紀から進歩したものとして、まずはエアーカーが挙げられる。一時は石油の枯渇により、自動車がなくなるという事態に陥るとまで言われたが、空気を燃料にするエアーカーの開発が成功して、今はそのエアーカーが主流となっている。尚、性能なんかはあまり二十一世紀の物とは変わっていない。
 もう一つ例を挙げると、二十三世紀の学者が地面から出るエネルギーを、電磁波として地上に流す仕組みを発表した。その仕組みが生かされているのが、現在の携帯電話の充電である。それで生み出すことの出来る電磁波は、そこまで大きいものでもなかったので、家庭用に使うことは出来なかったが、携帯電話にその電磁波を受信する装置を付けることで、それの充電にのみ電磁波を生かすことが出来るようになったのだ。それにより、携帯電話は自動で充電されるようになった!!
だが、思ったほどに研究が進んでいない分野も多く、例えば宇宙開発なんかは点でダメ。月に一般人が住んでいることなんてないし、宇宙旅行もいくら札束を積んだって出来ない。石油が枯渇しても、エアーカーが出来たおかげで自動車などの問題は大丈夫なのだが、ロケットを飛ばすほどのエネルギーはなかなか手に入らない。これが宇宙開発の進まない理由だ。


 田代理恵(たしろ りえ)、博多の一軒家に住む生き残りの女子である。
 彼女は、そこそこ裕福な家に住み、何だってある程度の事はこなせる器用さを持ち、器量だって悪くない女子高生である。ただ、ちょっと人見知りなところがある。
「どうすればいいの。」
ここの所、何か呟くとすればそればかりだ。まぁ、話し相手すらいないのだから仕方ないだろう。それに加え、お腹が減っているから、あまり何もしたくないのだ。
 家にあった食糧も尽きてきた。もう、少しの缶詰が残っているだけだ。
「………」
数日前から降り続いている雨も、だいぶ小雨になってきた。このままでは何も始まらない、でも歩き出す気にはならない。彼女は再びソファにもたれかかり、呟いた。
「このまま、死んでしまおうかな?」
彼女は、もう孤独に押し潰されそうになっている。それを分かってくれる相手もいない孤独な世界となってしまった。この地球は!!

 (next 蒼波)

 追伸、蒼波さんの 第三話





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最終更新日  2009.02.08 16:28:54 コメント(3) | コメントを書く


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