兄やんの日記。

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2005年10月06日
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小雨がぱらつく東京、ひとり急ぐ兄やん。
秋葉原で山手線に乗り換え、東京で降りると、新幹線のホームへ。
(ふ~間に合った~。)
ホームに着いたのは、たしか出発の10分くらい前。
車内に入ると、平日の昼間ということもあってか空席が目立つ。
兄やんの席は、正面向って左側の席。
荷物を置いて上着を脱ぎ、シートを少しだけ倒すして一息吐く。
ようやく落ち着くと、兄やんは静かに目を閉じで出発の時を待っていた。

「パパ~♪」

どうやら後ろの席に座っていた子供の声のようだ。
右後ろを軽めに振り返ると、小さな子供が通路を挟んで反対側の窓まで行き、
ホームに一人立つ父親の姿に手を振っていた。
「パパ~♪」
子供は、時折母親の方を振り返りながらも、笑顔で父親に手を振り続けている。
とても微笑ましい光景に、疲れていた兄やんの顔にも自然と笑顔がこぼれた。

正面に向き直り、目を閉じながらも子供の声に耳を傾けていると、
間もなくして車内アナウンスが入り、新幹線がゆっくりと動き出した。
「パパ…!?」
その瞬間、子供の声に不安の色が過ぎった。
「パパ…パパ!」

そして…
「パパ~!!」
父親が見えなくなると、子供はとうとう、大声で泣き出してしまった。
「パパはお仕事だから残るの!」
母親が必死であやそうとするが、子供に泣き止む様子はない。


前日は内定式と懇親会で寝不足だったため、スグに寝ようと思っていたけど
車内に響き渡る泣き声に、さすがに眠ることはできず…。
けど不思議と、嫌な気持ちにはならなかった。
(いっぱいパパに愛情を注がれて育ってきたんだろうな…。)
目を閉じてると、普段仲良く遊んでいる光景が、まぶたの裏に映るようで…。

(子供が泣いたこと、後で奥さんに聞いた時、パパはきっと嬉しいんだろうな…)
って思ったけど、スグに思い直して…
(涙より、きっと、次に会ったときに「パパ~♪」って最高の笑顔で迎えてくれる、
そっちの方が100倍嬉しいんだろうな…♪)
なんて、ちょっと父親の気持ちになってみたりして。

そのまま眠りについた兄やん。

目を覚ましたのは暫くしてからのこと。
外を見ると、綺麗に晴れ渡った青空が見える。

もうすぐで、仙台に到着する。
荷物を棚から下ろしておこうと、席から立ち上がる。
ふと見えたのは…
ママの胸で安らかに眠る子供の姿だった。





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最終更新日  2005年10月06日 22時02分34秒
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