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アイランド■第6回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所●山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 山田企画事務所のビジネスブログ you tube漫画家になる塾 艇はザ・タワーのプラットフォームから垂直に浮上し、出入口の屋根を突き破って上昇していく。 もう一隻、艇が残っている。マイケルはその艇に走りよる。残っていた警備隊員の一人が、マイケルを静止させる。「機動兵、これは、お前の乗り物ではない」「うるさい、何を言っている。あいつを今、停止しないと大変な事になるんだ」「乗船許可のない者は乗せるわけにはいかん」「何をいってやがる」 マイケルは警備兵をなぐり飛ばした。が、アリスとの戦いで弱っているマイケルの力はあまり、警備兵には効かない。警備兵がマイケルの体を押さえにかかる。「くそっ放せ、放すんだ」「うるさい、サージャント。俺の位は大尉だぞ、命令を聞け」「この重大事に地位など関係ない」 二人はもつれ込んで、艇の内に入った。「くそっ」マイケルはロケットエンジンのボタンを押す。「きさま、何をするんだ」 警備兵の挙をさけ、マイケルは発進スイ。チを、かろうじて押した。「うわっ」 警傭兵は、スタートのショックでコックピットのコンソールにぶつかり、動かなくなった。「すまん。しばらく、おとなしくしていてくれ」 マイケルはコックピットを見て、ザ・タワーの警告音を無視して、上空へあがる。 「連絡艇、どうしたんだ。推が乗っているんだ」 ザ・タワーのエリア・コントロール・センターから呼び出しがかかる。 「すまん、機動兵のマイケル・ブレナンだ。階級サージャント。侵入者を襲う」 「待て、サージャント」 マイケルは無線器をOFFにした。 コンソールのモニターに先行するアリスの艇が写っている。 「よし、アリスめ、これをくらえ」 マイケルは再び、ミサイル攻撃をかける。が、ある事に気づく。 「そうだ、いかん。フルスロットルだ」 ミサイルを発射し、同時に自分の艇を、できるだけアリスの艇に近づける。 大爆発が起った。マイケルは相手とさしちがえるつもりだったのだ。さすがはザタワーの機動兵である。 が、爆発した両艇の破片が散ばり、落ちてゆく空の一点に、石球が停止していた。 その石球はやがて、地球を廻る。ある島の上空で止まり、急速に島へ落下していく。決められた一つの運命の様に。 その島の名はサンチェス島。(続く)1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所●山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 山田企画事務所のビジネスブログ you tube漫画家になる塾
2014.03.06
アイランド■第5回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所●山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 山田企画事務所のビジネスブログ you tube漫画家になる塾 機動兵サージャント(連邦軍軍曹)、マイケル・ブレナンが、命令を下す。屈強の機動兵を前に。 「キャノン、どこに侵入者がいるか、早くピックアップしろ」 キャノンニ等兵は、生動体スキャナーで、アリスフアーム全体をサーチする。 「ちぇっ、皆、同じ顔をしてやがる」キャノンは毒づいた。 バイオノイド=ママ、アリスは確かにステロタイプだ。アリスファームはいわばアリの王国、各々のアリスの住む房には丁人のアリス。ただしアリスの体には、シリアルナンバーが打ち込まれている。各々のアリスの生みだすバイオノイドは、タイプ別、職能別に形態が異なっていた。 ブレナンはいらだっていた。レッドアラームがついてから、すでに、一時間がすぎている。機動服の中で冷汗が流れていた。 「キ十ノン、まだ、発見できないのか」 「サージャント、だめだ。このアリスHファーム内で乱反射がおこ っている。発生源を確定できないんだ」 「ちぇ、伺をしているんだ。スキャナーがやくにたたんというのか」 早く発見せねば、機動兵の名誉にかかわる。「よIし、しかたがない。アリスを総ての房から出して整列させろ、いいか気をつけろ」 アリスは考える。この子を渡してなるものか。そりゃ、少しばかり変った子だけれども、私の息子なんだ。おまけに宇宙から帰ってきた子なんだ。今、私にはこの子しかいないんだから。アリスは他のアリスに自分に同調してくれる様に頼んだ。もちろんアリス全員が同調してくれた。とにかく、かわいい、自分の子供なんだもの。 「こいつら、皆、何か、たくらんでるんじゃないですか」 デルタニ等兵が、サージャントHマイケルに言った。デルタは神経質に目をきょろきょろさせている。 「どう考えてもおかしいですよ。これだけ探してもわからないなんて」 キャノンも同調する。 「メイン=コントロールルーム、俺だ。機動兵、サージャント=ブレナンだ。助けがいる。今だに侵入者を発見できんのだ。アリスファームをクリーンにしてもかまわないか」 マイケルは、メインコントロールルームに連絡をとる。 クリーンにするとは、現在ここにいるアリスを全員処分してしまうという事だった。 アリスたちがそれを聞いてどよめく。1人のアリスが機動兵の方へ駆け出してきた。 「デルタ、やれ」マイケルが叫ぶ。 このアリスは、機動兵連の集中攻撃を受ける。体がずたずたにひきさかれた。 それを見ていたアリス達が、全員機動兵にむかってくる。 私達の子供を守るために、始めて、権力にはむかったのだ。銃火が、アリス=ファームをなめつくす。アリス=ファームは大混乱におちいった。 「コントロールルーム、クリーンにしろ、アリス達の反乱だ」 マイケルがインカムを使い、叫んでいた。 「OK、マイケル」 コンソールルームのスイッチがおされる。アリスファームに毒ガスが吸入される。機動兵達はバイザーをかぶっているので大丈夫だ。 アリスファームに静寂がおとずれた。 「OK、一人一人チェックしろ、キャノン」 「サージャント、千人はいますぜ」 「嘆くな、それに気をつけろ、侵入者が混じっているなら、死んでいるとはかぎらん。急に襲いかかってくるかもしれんぞ」「驚かさないで下さいよ」 機動兵は、アリスたちをチェックし始めた。マイケルの言う通り、あのアリスは生きていた。胎室にいるビィIの力だ。いやそれよりもビィーに同化しているクワノンの力といった方がいいだろう。 デルタがこのアリスに銃口を向けた。アリスは銃口をにぎりしめ、デルタの体をたぐりよせる。「うわっ、な、なんだ、こいつは」 アリスは、デルタの体を機動服ごと抱きしめた。「や、やめろ、やめてくれ」 デルタは機動服の内で、自分の骨がボキボキ析れていくのを感じた。フロアになげだされる。アリスのIけりで、デルタのバイザーデルタの頭を人わて壁まで吹き飛んでいた。 「うわっ、デルター」 キャノンは、一部始終を宛て、銃口をアリスに向け、乱射する。が、マグナム弾はアリスの体にはじきかえされている。「くそっ、化物め」「いい、皆のかたきよ」 アリスは、素早く、キャノンの体まで走りより、右腕で、キ十ノンの体をひとなぎした。「グアッ」 キャノンの体も、機動服の胴体ジョイント部分で、真二つにたたき割られていた。キャノンの上半身は血しぶきをあげながら、走ってきたマイケルにぶちあたる。 マイケルの体は床にたたきつけられる。 「くそっ、侵入者を発見したぞ、気をつけろ、怪力だ」 マイケルはインカムで叫ぶ。バイザーはキャノンの血のりで前が見えない。 アリスは、その間、三人の機動兵をなぐり殺していた。 「ドアに近づけるな、ドアをロックしろ」 アリス=ファームのドア前で、残った機動兵が、近づいてくるアリスに、重機銃をぶち込む。が、効果はない。 機動兵四名が、同時にアリスの体を押ざえ込もうとする。恐るべき力だった。アリスは四名を、アリス=ファームの20mの高さにある天井まで投げあげた。機動兵たちの体は、チタン構造のプレートを突きやぶり上のフロアの間しょう材にぶちやぶり、それから再び、アリスフアームまで落下した。即死だった。 アリスは何事もなかったように、ドアに穴をあけてでていった。 『かあさん、すばらしかったよ』 『あなたが力を与えてくれたのね、ビイー、私はおかげて、ママの仲間のかたきをうてたわ』 「いかん、アリスが脱出した」血へどをはきながら、マイケルが叫んでいた。血まみれのバイザーをぬぐう。眼の前には、累々たる屍が吼えた。 アリスは、ゆっくり回廊を歩き始めた。 「どこへ行けばいいの、ビィー」 「お母さん、僕の指示通りに歩くんだ。とにかく、このタワーから脱出しよう」 「そうね、ここは人が多すぎるわ、あなたを育てるには、もっと静かな所が必要だわ」 『そう、まず、僕は、あなたの体から分離しなければいけない。そのためには時間と、安全な場所が必要なんだ。母さん、がんばってね。とりあえず形のない僕としては、母さんに力をさずけ、母さんにがんばってもらうしかないんだ』 「わかっているわ、ビィー、とにかく、あなたを安全に生まなければね。タワーから早く脱出しましょう」 「かあさん、走って。新手の機動兵がやってきたようだ。今度は装甲車に乗っている」 「マイケル、あいつか」車長が言った。 「そうだ。あのアリスだ」マイケルは装甲車のコックビットにようやく体をのせていた。 「よし、ダムダム弾を発射しろ」車長が叫んだ。 「しかし、ここはタワーの回廊ですよ」砲手がいう。 「かまうものか、あいつをほおっておいてみろ。タワーごと、ふき飛ばされるぞ」「そんなばかな」「ばかな事がありえるんだ。早く射て」 装甲車から発射された砲弾は、アリスの体へ直進する。『さあ、かあさん、体を横へ移動させて』「わかったわ、ビィー」 体すれすれを砲撃が通過する。「何んだ、いまのは。アリスめ、空間移動したな」「いっただろう、さいつは尋常のアリスではない。化物だ。それもクワノンに同化されたな」「ミサイルを発射しろ」「わかりました」砲手も恐怖で顔があおざめている。 ミサイルは、ねらいたがわず、逃げるアリスの体に直進したように腿えた。が反転してくる。 「いかん、車から逃げだせ」 「うわっ」 ミサイルは装甲車に反転して直撃する。装甲車はバラバラに吹き飛ぶ。マイケルは床に倒れている。 「くそっ、何んて奴なんだ」 アリスは、装甲車の様子をかいま腿て、走り出した。 「いかん、地球連邦首相用の連絡艇乗場だ」マイケルは何とか立ちあがった。 マイケルが乗場のプラットフォームに辿りついた時には、3名の乗組員と4名の警備隊がフロアに投げだされていて、アリスは首相用の連絡艇に乗り込んでいる。 コックビットの中の顔と、マイケルの視線があった。一瞬の事だった。(続く)1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所●山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 山田企画事務所のビジネスブログ you tube漫画家になる塾
2014.03.05
アイランド■第4回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 you tube漫画家になる塾 よし、ビィーは待ちかまえていた。自分自身が消滅する瞬間、それは一体、どんな気持ちなのだろう。二つの個体がぶつかる。 『こいつは違う』ビィーは、生体ミサイルを包み込んだ瞬間、思った。 「ビィー」ビィーの順に声が響く。 『君、君はだれなんだ』 ビィーは意識が混乱しながら叫んでいた。こんなはずはないんだ。生体ミサイルを包み込んだ瞬間、死んでしまうはずなんだから。『僕は、もちろん、クワノンの生体ミサイルさ』 『でも、なぜ、僕は石化しないんだ』 「それは、僕が、ニュータイプだからだ」 『ニュータイプだって』 「そうさ、我々、クワノンは、君達、地球人類と同化する事にしたんだ」『同化するだと』『クワノンの歴史学者が、つい最近、新発見したんだ。クワノンと地球人類とが同じ種から発生したものだという事実をね」 『そんな事は信じられない』 『君が信じようと信じまいと僕の責任ではない。さあ、ビィー、僕を地上に連れていってくれ』 『地球上など、僕も行った事がない』 「何だって 君は地球人類じゃないのか」 「そうだ、僕はバイオノイド。細胞から発生された生物機械なのだ」 『それはこまった。我々クワノン人は、君達こそ、地球人類だと思っていたのだ』 しばらくの間、ビィーの頭の中へ流れ込むクワノンの思考が、とだえた。何を考えているのだろう。しかし、彼の言った事は本当なのだろうか。クワノンと地球人類が同種だって。 『ビィー、君の行きたいところはどこなんだ』 またクワノンの意識がビィーの内に戻ってきた。 『行きたいところ、だって地球の事なぞ…』 ビィーは思った。そうだアリスママの所が… 『ママの所か、わかった』『えっ、なぜ、僕の心を』『君と僕とはI心同体なのさ』『いつから』『いまのいまからさ』『ま、待ってくれ』ビィーの意識はとぎれた。 突然、アリスは目覚めた。何かが自分の内に落下して来た。そんな衝撃を感じた。 『ママ、ママ………』 体の中から声が響いてくる。自分の体にある人工胎室からの様だ。誰だろう。現在、アリスの体の中にはバイオノイドの原料など注入されてはいなかった。 アリスは窓の外を吃た。アリスはアリス=ファームにいる。地表から数千mにあるこのザ=タワーからは青空が県える。地平線もくっきりと見えるのだ。上空を臼`あげる。その青い空のもっと上空で、アリスの子供達が戦っているのだ。何人の子供たちが死んでいったのだろう。もうその数を数える事すらあきらめようとしていた。 死んだ子供の霊だろうか。空耳。そんな事はありえない。だって私はバイオノイドの母なんだもの。人間的な不確実な感情や感覚などあるわけはない。『ママ、僕は帰ってきたんだ』 が、しかし、その声は確かに存在していた。「あなたは一体誰なの」『ママ、僕はビイーだよ。宇宙から帰ってきたんだ』 『僕を覚えているでしょう、ママ』 『ああ、ビィー、私が、自分が生んだ子供達を忘れるわけがないでしょう。私がいままでに生んだ230人の子供一人一人を、はっきりと覚えているわ。でも、ビィー、どうやって私の胎室の中へもどれたの』『ママは、信じないと思うよ。でも本当なんだ』『なに、ビィー、あなたの言う事をすべて信じるわ』『僕は、この星の新人類となるんだ』『何ですって『おちついて聞いて下さい。アリスママ』ビィーとは違う声の響きだ。 『だれ、だれなの、あなた、ビィーではないわね』 「いや私はビィーの一郎でもあるのです」 『ビィーの一部ですって、一体どういう事なの、あなたがすべてを説明してくれるというの』『そういう事です』 ザ=タワーの防禦システムに、レッドアラームがついていた。 コンソールの前のオペレーターは自らの眼をうたがった。おいおい冗談じゃないぜ。 ザタワーの中に侵入者がいるなんて、不可能だ。おまけにアリスファームだ。 が、オペレーターはマニュアル通り、報告せねばならない。 地球連邦軍機動兵が、アリスフアームの前に集合する。(続く)1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 you tube漫画家になる塾
2014.03.04
アイランド■第3回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 you tube漫画家になる塾「コロラド、いい島じゃないか」 「ああ、まあな」 「とても、何人もの人間が住んでいたとは思えんな。おっと済まん。この島の住民を殺してしまったのは結局お前だものな」 コロラドの眼の中には炎が燃えあがっていただろう。そう、この島の住民が死にたえたのは彼の罪だ。クワノンの生体ミサイルは、その落下地帯直径二kmを無人化する。というよりはその地域に生存するありとあらゆる生命体を石化した。人々でにぎわう花や緑の町が突如奇妙な石塊で被われた町となっていたのだ。まるで中世の魔法にかかった町の様だった。しかしこれは動かしようのない事実だった。 コロラドの妻や子供もこのクワノンの生体ミサイルで石化したのだ。彼はまだその頃、サンチェス島に防禦システムSDIIを導入していなかったのだ。 フルカラーの映画が突然モノクロームの両面に変化した。そんな感じだった。島の風景が変ったのだ。 サンチェス島ポートサンチェスは石の町に変化したのだ。クワノンの生体ミサイルが絶対防衛圈を突破し、スカイウォッチャーズの網をやぶって、地球上の一点、サンチェス島に落下した。そしてを石化し、1人の男の心をも、石に変化させてしまった。 ■無限の闇の中から襲ってくるやつらに、ビィーは親近感を持ち始めていた。ビィーは、とにかく孤独だった。ビィーが考える事といえば母親アリスママの事だった。 『ママ、そう思いませんか。僕はこの孤独の中で、思い始めています。彼らははるか遠い星から地球をめがけてくるのです。そして母星に帰れることなぞないでしょう。また地球を攻撃し、それに成功したところで、どんな栄光を担えるわけではないのです。つまり彼らは、精神的な意味での、僕のブラザーではないかと」 ビィーは、彼と同じ時期に生産されたバイオノイド個体群の中での、唯一大の生き残りだった。ビィーが、すでに精神に障害をおこしていたとして何の不思議があるだろう。ビィーは再び考え始める。 「ママ、僕はあなたに会いたい。一刻でも早く。どれ程、あなたに会う事を望んでいるだろう。あなたは母であり、父です』 ビィーはバイオノイド・マザーアリス3537から生まれ、宇宙空間に投げ出された。孤独で、まるで地球から追いだされたような気がした。ビィーたちは地球を、外敵クワノンから守るために作り出されたバイオノイドの監視隊、「スカイウォッチャーズ」だ。 この時期の遺伝工学は種々のバイオノイドを生みだしていた。彼ら、スカイウォッチャーズは無限に続く宇宙の暗黒を日々続けるのだ。 ビィーたちは意識が途切れる事もなく、休を休める事もない。彼らスカイウォッチャーズの意識にあるのは、背後にある母なる地球であり、彼らを生んだママなのだ。 ビィーはまた考えている。 『僕達がいるのは地球を守るためではなく、ましてや、地球人を守るためでもないのだ。そうママ、僕達はあなたを守るために、この宇宙という大いなる暗所にいる』 敵クワノンは地球はるか彼方から生体ミサイルを地球に向けて発射する。その飛来する生体ミサイルをいち早く発見し、処理するのがビィーたちの役目だった。ミサイルを防ぐために、スカイウォッチャーズの一人が犠牲になる。ミサイルー発にスカイウォッチャーズー人。マン=トゥ=マンディフエンスである。 いつ襲ってくるか分からないクワノンの生体ミサイル群。つまり、いつスカイウォ。チャーズは死ぬかわからないわけだ。ビィーは、飛来してくるクワノンの生体ミサイルをついに認知した。 とうとう死ぬ時がやってきたのか。ビィーは考えた。このクワノンの生体ミサイルと相打ちして死ぬこと。それが彼らスカイウォッチャーズのアイデンティティだった。 何の恐れもなかった。ぐいぐいと迫り来るクワノンのミサイル。それをがっちりと受けとめるだけだった。その瞬間、彼らスカイウォッチャーズの体はわずか数ミクロンの薄さまで拡がって、直径十mはある球形のミサイルを包み込み、その中でミサイルを爆発させるのだ。その時、スカイウォッチャーズは石球と化す。 ビィー遠のなきがら、石の球体が宇宙空間のあちこちにちらばっている。ビィーは仲間たちの体をかいま見た。ああ、なるのか、僕も。 クワノンの生体ミサイルも、ビィー遠の様に、思考機能を持っているのだ。今までその事は何となくビィー遠にも分かっていた。ビィー達バイオノイドと生体ミサイルはいわば同類なのだろう。が、しかし残念な事に、彼らは、やはり敵なのだ。(続く)1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 you tube漫画家になる塾コメントする
2014.03.03
アイランド■第2回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 you tube漫画家になる塾 「コロラド、俺だ、射つな」なじみのある声が叫んでいた。 「ボーン、お前だとはわかっていた。警告しておいたろう。何人もこの島に近づく事は許さないとな」 コロラドはスピーカーを通して叫んだ。彼らの行動はすべておみとおしなのだ。なぜなら、この島の防禦システムには1ケ国の国家予算をつぎこんでいた。上空五千mには監視衛星まで飛ばしている。 「コロラド、お前に役に立つ情報を持って来てやったんだ」聞きなじんだボーンの声が遠くから聞こえていた。「静かにしろ、ボーン。お前も知っているだろう。俺が他人にこの島へ入ってこられることを強度にいやがっている事を」 「いいか、コロラド。お前の島と言っているが、この島はもう地図上は存在しない」 「何だと、という事は、俺の島は」 「そう、もう地球上にはないって事だ」 「どういう事だ、ボーン」「いいか、思い出してみろ、コロラド、二、三日前、島に星が落ちてこなかったか」「そういえば、二日前」 この島、サンチェス島はコロラドの島だ。いや今のホーンの話ではとっくに地球上から消滅していらしい。 彼、暗号名コロラドは、地球連邦軍暗殺チーム「レインツリー」に属する暗殺者である。コロラドは考える。私の手で幾度、歴史の運命が変わったか。それを述べるのはやぶさかではない。しかし、この話とは別の問題だ。ともかくも、コロラドの手は他人の血で汚れていた。 しかし、そのおかげて普通の人間がI生かかっても手に入れることができない財産を得ていた。その汚染されたお金を、浄化させようとした。 この島サンチェス島にすべてを注ぎ込んだのだ。この島はコロラドにとっては、いわばエルドラド。楽園だった。気候は温暖で、日々は過ごしやすかった。海の色はエメラルドグリーンで、渚は遠浅だった。生活信条として、何人も、この島へ立ち入る事も許さなかったのだ。あの事件以来。 そこにあらわれたのがボーン。コロラドと同じく「レインツリー」に属するヒットマンだった。まったく思いもかけぬ閑人者だった。確かにコロラドは二日前に、島の山間部に、いん石が堕ちた事を知っていた。 が、屋敷にセットされている防禦システムSDIIはその物体に対して、何らの危険性を警告していなかった。生命反応もなく、ましてや危険物質の存在も告げてはいなかった。 「それがどうかしたのか、ボーン」 「とにかく、会って話をしてくれないか、コロラド、俺は何も武器を持っちゃいない」 「OK、少しはお前さんの言う事を信じよう。同じレインツリーの仲間としてな」 「用心深いお前さんの事さ、そんな事くらいはとっくにおみとおしだろう」そう、確かにおみとおしだった。ボーンの体やゴムボートの解析写真はこの島の防禦機構SD11が何枚も撮影していた。ボーンの言葉どおりに、彼はクリーンだった。武器は一つも持っていない。が、油断はできない。彼の技がいかなる殺人技か、レインツリーの幹部しか知らないのだから。彼は立ち上り、まわりの風景を見渡している。(続く)1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」 you tube漫画家になる塾
2014.03.02
アイランド■第1回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」●第1回「ママ、このあたりだね」 私ビィーは,すっかり年老いた、かたわらにいる母に言った。眼下にはきれいな海が見えている。 「そうだよ、ビィー、サンチェス島はこのあたりにあったんだ」 「じゃ、母さんが、花束をおとしてよ」私はママに、大きな花束を渡した。 「そうだね、ビィー。お父さんも、喜ぶだろうさ。お前がこんなにりっぱになったのだから」 花束は、私達の乗っている「円盤」から、吸い込まれる様に海へ落下していった。 「さようなら、バパ、そしてありがとう」 海面を見つめるママの目には涙が浮んでいだ。私は母の手をにぎりしめていた。 かつて、この海に、「サンチェス島」という島があった。そして、今は、跡形もないのだ。それこそ サンチェス島は悲しみの島だった、「哀ランド」だった。 さて、 私ビィーが、その島の話を、始めようか。■ 潜望鏡がアラフラ海に突出していた。その潜望鏡が、始まりだった。やがて、水上にゆっくり艦橋があらわれ、ゆっくりと航行し始める。甲板を波が洗い始めた。海の色はインディコブルーで、海の底はないようにすら見える。 潜水艦のハッチが開かれ、数人の男がはいあがってくる。やがて、ゴムボートがひきずり出され、I人の男がそれに乗り込んだ。 「頼んだぞ、ボーン」ゴムボートの男に、潜水艦から1人の男が叫んでいた。ゴムボートの男は巨大な体で、答える。 「わかりました、チーフ」 ゴムボートは遠くに見える島をめがけ、エンジン音をあげていた。数十分後、ゴムボートはその島の海岸線にたどりつく。夕闇がせまっていた。男はゴムボートを岸へのりあげた。 突然、光が男を襲う。どこかに仕掛けられたサーチライトが男を照らす。瞬間男は体を伏せた。■ポート=サンチェスの町。 かつてここは美しい海岸を見渡す町だった。今はただの石くれの町。 この風景のありようは、暗号名「コロラド」の判断ミスがまねいた結果だった。その男「コロラド」は孤独だった。過去のあやまちをさいなむ心が、この場所を歩かせるのだ。大いなるあやまちをどうやってつぐなえばいいのか。コロラドは思わず頭を抱え、傍らの石のかたまりに腰かけた。彼の心臓は高なっていた。 天候は、彼の心とはうらはらで、とびきりの晴天だった。そしてこの町あとから腿える海の風景はあまりに青かった。この町の跡と対照的だった。ポート=サンチェスのあった場所は、陰うつで耐えようがない。とても気分が滅入る。 ああ、神よ。コロラドは独りごちた。 ほほを涙がつたい、その涙が大地をぬらしていた。思わず大地に口づけをしていた。 「許してくれ、皆。私が、私が悪いのだ」 何かの気配がした。「プルトゥー」が来ていた。この機械は大の形をしている。この島の防禦システム「エデイ」の一つの端子だった。 「どうしたプルトゥー、何かあったのか」できる限り平静をよそおってコロラドは言った。機械相手に平静を装うだと、私も老いたものだ。コロラドは思う。世界でも名うてのヒットマンのこの私が、その前は連邦軍の………やめておこう。過去にこだわるのは、老いた証拠だろう。 「何者かが、この島に近づこうとしています」 「わかった、いつもの手で、追いはらえ」が、プルトゥーは首をたてに振らなかった。 「しかし、御主人のお知り合いの様ですが」プルトゥーの胴体に、上空の衛星から撮影された映像が出てくる。「こいつは、…」二の句が告げない。「よし、ブルトゥー、渚で待っていようか」「わかりました。御主人さま」 プルトゥーはあとにしたがった。(続く)1975年作品 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」
2014.03.01
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