アウトドア親爺の徒然日記

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2018.05.20
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カテゴリ: 季節



5月20日(日)

今日は爽やかな風が吹いています。 少し涼しく感じるぐらいです。
しばらく寝苦しい夜が続きましたが、今日は良く寝られそうです。


さて、我が家が近所の公園の森の中。
所々木漏れ日が差す、林床の中をお散歩していました。

いわゆる雑木林、落葉広葉樹林です。
コナラやクヌギやシラカシ、エゴノキ等々、様々な雑木が混じり合っています。

3月以降、林床では入れ替り立ち替り、種々なお花が咲いています。
きれいなお花、可愛いお花、不気味なお花など、その個性も様々です。







キンランは、山や丘陵の林の中に生える地上性のランです。
高さは50cmほど。  関東地方の平野部では、4月から5月に開花します。

茎の先端に明るく鮮やかな黄金色のお花が総状に咲きます。
不思議なことに、ほとんどのお花は全開せずに半開き状態のまま咲き終えてしまいます。

葉っぱは10cm前後の長細い楕円形で、縦方向にしわが入っています。
葉柄は見あたりません。葉っぱが茎を抱いていて、互生しています。





キンランの人工栽培はとても難しいのだそうです。
その理由の一つに、菌根への依存性の高さが挙げられています。

ある研究によりますと、
キンランは炭素源の34~43%、窒素源の約49%を菌からいただいているそうです。
似ているランで白い花を咲かせるギンランでは、


菌根を作る菌は、カビやキノコなどの真菌類です。
菌根とはこのような菌が植物の根に感染し、共生を作り上げた状態を指します。

似たようなものには、大豆など豆類が根粒菌と作る根粒が良く知られていますね。





さて菌根菌の中で、有名なキノコではマツタケがあげられます。
そして、キンランが養分を依存している菌根菌は、イボタケ科、ベニタケ科などの菌種なのです。


キンランはその共生系に入り込み、養分を収奪し生育しているのです。
キンランの場合は、ある意味寄生にあたりますね。

イボタケ科、ベニタケ科のキノコは、
コナラやクヌギやシラカシなどの落葉広葉樹林に良く見られますから、
キンランもコナラやクヌギやシラカシの雑木林に生えるランなのです。

このような性質を持ちますから、
菌根類との共生関係が乱された場合、キンランは長期的に生育することが困難になります。

そのため、自生地からキンランのみを掘って移植しても5年程度で枯死してしまうのだそうです。

何れにしても、キンランの生息数は急速に減ってきているようです。
大事にしてあげたいものです。





不気味なお花の代表は、何と言ってもこのマムシグサです。
名前からしてかなり損をしていますね。

マムシグサは、サトイモ科テンナンショウ属の多年草ですよ。
ナンテンショウの仲間は、ちょっと怪しいお花が多いですね。

同じサトイモ科でも
明るい場所で白いお花を咲かせるカラーや水芭蕉は愛でられます。

しかし、薄暗い林床で地味な色のお花を咲かせるナンテンショウの仲間は、
突然出会いますと少しぎょっとしてしまいます。





日本全国の山地や原野の、湿った林床に生えています。
しかし、最近では見かける機会は減ってきているのかもしれません。

ナンテンショウの仲間では大型の部類です。 かなり背が高くなります。

4月12日の日記に書きました、ウラシマソウもナンテンショウ属の仲間です。
左の方にお花が咲き終わったウラシマソウが見えています。





マムシグサとウラシマソウは、どちらも昆虫に受粉を委ねる虫媒花です。
そしてほとんど同じ様な場所に生えます。
従って、昆虫獲得競争では競合しているわけです。

ウラシマソウの方がかなり小振りです。
マムシグサの方がずっと背丈が高く目立ちます。

小柄なウラシマソウは、
何か作戦を立てないと昆虫獲得競争でマムシグサに負けてしまいますね。
そこでウラシマソウは、主に二つの作戦で対抗しているのですよ。

一つ目は、少し早めの開花時期です。 マムシグサより一月近く早く咲きだします。
ウラシマソウが咲くころ、マムシグサはまだ芽を出すか出さないかの状態です。
実際にウラシマソウが開花した場所に、後を追うようにマムシグサが出てきます。

二つ目の作戦は独特なお花の構造だといわれています。
名前の由来となった、
肉穂花序の先端にある浦島太郎の釣竿と釣糸のような付属体です。

付属体の役割は何なのか、未だに謎は解明されていませんが、
虫を誘引する役目があるのではないか、との推測もされています。





この付属体の有無を除くと、
マムシグサとウラシマソウのお花は雰囲気が良く似ています。

どちらも、秋には真っ赤なトウモロコシに似た形状の果実を付けます。

ウラシマソウの日記に書きましたが、
雌雄異株で、株の充実度によって性転換を起こすところも共通です。





ウラシマソウの葉は一枚、マムシグサの葉は二枚です。
偽茎と呼ばれる茎のように見える部分は、
葉柄下部の2つの葉鞘部分が重なってできたもので、正確には茎ではないのです。

マムシグサの場合は、ここに紫褐色のまだらな模様があります。
この模様が毒蛇のマムシの胴体の模様に似ていることが、名前の由来と云われています。

秋田県では「ヘビノバッコ」とも呼ばれているそうです。





ナンテンショウ属のお花には、受粉が確実に行われるよう罠が仕掛けられています。

先に書きました通り、雄花から雌花への花粉の受粉は昆虫によって行われます。

雄花には下部に脱出口が開いています。
上部から進入した昆虫は、体中に花粉をまとい下部から外に出られます。

ところが、雌花はこの部分が閉じていますので、入り込んだ昆虫は下部から脱出できません。
うろうろして花粉を渡してあげるのですが、出ることができず死んでしまうそうなのです。

何と恐ろしいお話なのでしょうか。 自然の摂理には驚くばかりです。





マムシグサは形態的変異に富んでいることで知られています。





このように仏炎苞が緑色のものもあり、
アオマムシグサまたはカントウマムシグサと呼ばれています。





真ん中の肉穂花序は白くて肌理細かく、とてもきれいに見えます。
同属のモチユキソウの白い付属体と似ています。

野山を歩いていますと、
速いものでは一週間か二週間で植生が変化します。

先週と今週では眺めが一変している場所もあります。
このような変化を観察することは、この時期の楽しみの一つでもありますな。






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Last updated  2018.05.20 18:02:14
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