漫画家・写真家玉地俊雄 紫煙のゆらぎ

漫画家・写真家玉地俊雄 紫煙のゆらぎ

2008.07.20
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カテゴリ: 紫煙のゆらぎ



フォトで見えるように、葉は信じられないほど傷んでいるが、懸命に花を開いた事に、生命の尊厳と大切さ実感して、命の尊さを感じ取ってください。




               紫煙のゆらぎ・月下美人




月下の美人。

サボテン科のエピフィルムという多年草の植物であり、僕の母親の御父さん御母さんが、
高知県で育てていた花を株分けしてもらって、すでに40年以上生きている。

枯れかかった事も何度もあれば、5つ花をつけた年もあったし、
ある夜同時に3つ花開いたこともあった。

花が開き始めると、近所の人を呼んでよい香りと花を愛でたり、


冬はつらそうに寒さに耐えていた。
あまりにつらくて枯れそうになったことや、肥料を与えすぎて死にそうになった事もあった。

ごめんね。

でも、夏になると花を開こうと懸命に葉をひろげて大きく背を伸ばす。

とある朝、突然ちいさなちいさな花芽が出てくる。
葉や茎かとおもえる小さな突起が、たちまち数日で花芽に成長すると、
ほぼ一週間で花を開き、数時間でその命を閉じる。

しおれてしまった花は …… とても哀しいが、一生懸命に開いていさぎよさを残す。

僕は月下の美人を天女下凡とかさねあわす。

牡丹や櫻の花に比べても特別な憐れがある。

何年かの間に咲くのか咲かないのか、このサボテンの命のいとなみに僕はじっと待つ。


白百合の数倍ほどの強い香りを放ち、天女が世俗下界に降臨されたような、
素敵で美麗な純白の美質を見せてくれる。

数時間でしおれてゆく前におしべの花粉をヒトデのようなめしべにつけてあげる。

月下の美人は、満足しているのかどうかは判らないが、
数時間で長い長い努力の結果を終焉させ、しぼみ、しおれて、花の命の短さと憐れを告げる。



Mozart のピアノ協奏曲第20番の第2楽章は、あまりにも有名すぎてイケナイけれど、
裸足の伯爵夫人のように美しい花だと想う。


気が向いたらまた咲いてね。









社団法人日本漫画家協会会員・参与

                               玉地 俊雄

http://plaza.rakuten.co.jp/balitama/





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最終更新日  2009.08.06 17:02:32


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