漫画家・写真家玉地俊雄 紫煙のゆらぎ

漫画家・写真家玉地俊雄 紫煙のゆらぎ

2016.01.22
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カテゴリ: 手塚治虫 玉地俊雄



幻のまんがマン創刊号の表紙






手塚治虫 玉地俊雄 ・ 不敬罪ならぬGIとパンパンで表紙壱萬枚を張り替えたまんがマン創刊号






1年前にこの表紙を刷ったまんが誌を出版すれば 不敬罪 で特高警察に逮捕されたであろう。
雲上人の天皇が墜落している。
東条英機が鉄格子の中から叫んでいる。
共産党が糞を吐き出すキツネに乗って左手が2本あって鎌を持って暴れている。

戦後の日本を徹底的に揶揄した過激なまんがは酒井七馬さんの筆による作品であった。
大坂ときをさんは大人向けの風刺漫画本を出版しようとした。



大坂さんと手塚さん



このまんがマンを見て投稿して大坂ときをさんを訊ねてきたのが手塚治虫先生であった。
意気投合しまんがマンクラブの会員第3号に登録したのが手塚さんであった。


新宝島への道が開けたのがこの まんがマン であった。



まんがマン


配線の翌年の春、
街は焼け野原で喰うや喰わずの暗黒時代に大阪の片隅から漫画雑誌が発行された。

それが  まんかマン  である。
売価は  壱円伍拾銭  であった。



ダメデス



その当時日本の出版物は、
全てアメリカ占領軍のGHQが事前検閲をして自由な行動は不許可であった。

ゲラ刷りの段階で検閲を受けOKを貰わねば成らない。
表紙は過激だがいつもスイスイと通るから壱萬部全部印刷した後にGHQまで持っていった。

左下のアメリカGIと日本女性が腕を組んでいる姿が ダメ であった。
日本政府がアメリカ占領軍の要請を受けて施設を作っていたのにダメであった。


まんがマン創刊号の壱萬部は発売できない。



壱萬枚の表紙を張り替えた



酒井七馬は

                        へー ? さよか

と、
言って再度どうでもいいような表紙を書き直してくれた。

と、
おもしろおかしく話していた。
創刊号はやはり完売であったという。



公益社団法人日本漫画家協会会員

                                玉地 俊雄





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最終更新日  2016.01.22 09:57:23


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