★ 真夜中の独り言 ★

★ 真夜中の独り言 ★

2017.06.10
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★  時の息吹  ★



              また ひとつ

              歳が去り
              星が流れる
              その光は
              新たな歳を躰に残す


              今年が
              こころ残りに
              背を向ける



新たな年の息吹が聞こえ
             母のいる勝手から
             湯気が立ちのぼる



             どうやら

             我らは
             時の壁を超えそうだ


            この恵みに

            こうべを垂れ
            しじまの中で
            感謝の祈りを捧げよう







By.星原女瑪・(2016.12.29.新作)2017.6.10.

                                       (注意:詩の転載を禁ずる:シェアはご遠慮下さい)

















詩を読んで下さる皆様
                                              本当に有り難うございます。
                                              昨年末に出来た詩ですが、
                                              とても気になる所が有りましたので、
                                              推敲して、新たな作品に仕上げました。
                                              ご一読いただけましたら、幸いです。


                                                           By.星原女瑪(ほしはらめめ)2017.6.10.





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🙇    お知らせ】

       短編小説・ 心ゆくまで ・は、下段に記載しています。
       続きは執筆中です...いま少しお待ち下さい~🙇.


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         短編小説

ミステリーロマンの世界へ、 ようこそ。
拙い小説ですが、 読んで戴けましたら幸いです。





★ 心ゆくまで ★



          其の四の(1)




沙織を抱えた柿谷は、小走りに葬儀場の裏手に周った。
鉄扉を押して道路に出ると、すぐ近くにステーションワゴンが止まっていた。
ドアを開けて沙織を座らせてから、車のハッチバックを開けた。
それから再び沙織を抱き上げて、後ろの広いスペースに寝かせた。
『沙織さん、ほんの少し待っていてください』
柿谷の言葉に、
沙織は『はい』
と、素直に答えた。
その言葉を聞くと、
柿谷は慌てた様に走り去った。

半時足らずで戻った柿谷は、
運転席から振り向いて、
『さあ、これで大丈夫ですよ。
  沙織さん、少し長く掛かりますが我慢してくださいね』
『はい、何時までも我慢しますわ』
柿谷の優しい眼差しに、沙織は力強く答えた。


二人を乗せた車は、首都高速を抜けて、中央自動車道に入った様だった。

『沙織さん、疲れたら眠ってくださいね』
黙り込んでいた柿谷が、言葉を掛けて来た。
『柿谷さん、私には気遣いなさらないでね。中央道を走っているのかしら…』
『分かりますか。西に向かっています。もう調布ですから、あと少しの我慢です』
『あら、だいぶ都心を離れたのね。何処に連れて行って呉れるのか、楽しみだわ』
沙織は視線を上げて、声を掛けた。
『沙織さんに嬉しいと言われると、僕も嬉しいです』
少し弾んだ声に、沙織は味わった事のない喜びと温もりを感じた。
沙織は目を閉じて、その至福の時を噛み締めた。



ふと眠っていたのか、

『沙織さん、やっと着きました』 柿谷の言葉に目を開けると、車のガラス越しに木々が見えた。
柿谷は一旦おりて戻ると、車を廻してエンジンを切った。

『沙織さん、さあ入りましょう』
柿谷は言いながら、沙織を抱き上げた。
大きめのベッドに降ろされると、ベビーピンクのカバーが優しく目に映った。
扉は引き戸になっているらしく、今は開け放たれていた。
『沙織さん、ここは八王子の丘の上ですよ。』
『あら、いい所ですね。柿谷さん、何から何まで本当に有り難うございます』
沙織は軽く頭を下げた。
『いやいや、僕の身勝手にした事で…』
柿谷は、含羞んだ様に目元を細めた。



       続く】                                        By.星原女瑪 2017.6.03.



         *------*------*------*------*



其の三(3)


   柿谷の言葉に少し安堵した沙織は、    優しい陽射しに包まれている様な気分がした。

   沙織は、明日は必ず迎えに来ると言った柿谷を、今は信じる事が出来た。

   優しい眼差しと、心に染み入って来る穏やかな声が、今は懐かしかった。    軈て沙織は、百合の香を感じながら、いつか深い眠りに落ちた。

   沙織がはっと気付くと、音楽や人の声が聞こえた。
   目を開けると、母の竹が覗き込んで声を掛けて来た。
   『沙織さん、貴女は幾つになっても美しいままね。
     死んでしまった今も、なんて美しいの…。』
   そこまで言うと、竹の涙がポトポトと沙織の頬を濡らした。
   『お母さん、何時までも死人を見ていたらいけないわ。
      少し休みましょう。さあ、向こうへ…』
   姉の由起子が、丁度いいタイミングで竹を連れて行って呉れた。
   沙織は胸苦しいほどに、辛かった。
   母親の悲しみは、沙織を苦しみの淵に沈めた。


   少しすると、
   『ご遺族の皆様、お夕食の支度が整いましたので食堂に起こし下さい。』
   アナウンスが流れた。え、私ったら夕暮れまで眠っていたんの…。
   驚いた沙織は、思わず呟いた。
   暫くして辺りが静まると、柿谷の顔が浮かんだ。
   あの時に見た彫りの深い端正な顔が浮かぶと、
   沙織は何故か物悲しさを感じた。


   私ったら、柿谷さんが恋しいのかしら…。

   そんなことを想ってみて、沙織は顔が火照るのを感じた。
   それは、輝久には感じた事のない感情だった。
   少しすると、夕食の香りが仄かにしたが、沙織は食欲を全く感じなかった。
   静まり返った部屋の棺桶の中は薄暗く、
   保冷剤でヒンヤリしていたが、寒さも感じず妙に居心地が好かった。
   その内に、沙織はまた深い眠りに落ちた。

  火葬場の炉に火が入り、台に乗せられた沙織の傍らには、
  何人もの人が詰め寄って来た。
  『ねえ…待ってよ。お母さん、由起子姉さん、お兄さん、私を焼かないでよ。
     お願いだから、焼かないで…。』
 沙織は必死に叫ぶと、額に脂汗が滲んだ。
 心臓がバクバクと悲鳴をあげ、苦しくて気が遠退きそうだった。
 『誰か…誰か助けて』
しかし沙織の叫びは聞こえないらしく、

 誰もが泪したまま沈黙のうちにいた。

   『沙織さん、沙織さん、………。』
   誰かの呼び声に、はっと目を開けると、柿谷が覗き込んでいだ。
   『柿谷さん。私、あと少しで焼かれる夢を見ていたの…。とても怖かったわ。』
   『そうでしたか、額の汗はその所為ですね。』
   柿谷は言いながら、沙織の額を優しく拭った。
   ハンカチの青葉色が、沙織には新鮮に映った。
  『沙織さん、迎えに来ました。さあ、僕と行きましょう』
  『柿谷さん、お待ちしていました。本当に嬉しいです。』

   柿谷は佐織を軽く掬い上げると、走るように出口へ急いだ。

         続く 】


                     By.星原女瑪.2017.5.6~7.


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*------*------*------*------*------*------*------*



其の三(2)


花束が揺れた所為か、百合の香が一層つよくなり二人を包んだ。

『ねえ、柿谷さん。
  どうして私の声が聞こえたりするのかしら…』
沙織は正直な疑問を、投げ掛けてみた。
柿谷は沙織を覗き込む様に少し身を乗り出して、
『そうですね。僕にも確かな事は言えませんが、
  僕にとって沙織さんは、生きた人なのですよ。』
『そう…。』
『不思議なことですが、僕の中で貴女は生きているのです。
  だから声を聞くことも美しい瞳の様子も、僕には感じられるのです。』
『そう…。』

会話が途切れると、柿谷は焼香台の小さな遺影を覗き込んで見詰めていた。

その柿谷の背中に向かって、沙織は疑問を投げ掛けた。
『柿谷さんか私のことに気付いたのは、いつ頃からなのですか』
  すると柿谷は、静かに向き直り、
『救急車の中で、沙織さんに付き添っていた時です…。
  僕が沙織さんの手首に触れたら、
  凄い勢いで脈打っているのを感じました。
  僕は驚きましたが、嬉しさのほうが先走って…。
  咄嗟に笹本さんに声を掛けたのですが、
  相手にして貰えませんでした。』

『そうだったのですか…。どうも有難う。』
沙織の微笑に、柿谷は優しい眼差しで頷いた。


『沙織さん。それでは、僕は帰ります。もう30分が過ぎてしまいました。

  実は、防犯カメラに細工をしたもので、長くは居られないのです。
  増して、警察の安置所ですからね。』
『そうだったのね。寂しくなるわ。』
沙織が思わず弱音を吐くと、
『大丈夫ですよ。沙織さん、よく聞いてくださいよ。
  明日は午前中に葬儀場へ移されます。
  しかし、心配しないで僕を待っていて下さい。
  貴女が火葬場で焼かれる事はありません。僕が必ず迎えに行きますから、
  安心して待っていて下さいよ。』
柿谷は力強く言うと、沙織の肩にそっと手を置いた。
『そう…。私は柿谷さんを信じて、待っています。
   本当に有り難うございます。信じています。』

沙織の言葉を聞くと、柿谷は間も無く帰って行った。

                   続く】

By.星原女瑪.2017.4.21
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最終更新日  2017.06.10 13:24:57
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