BEAUTY MOON

妊娠、シンママになって


そのときは嬉しくて駅までお出迎えに行きました。改札から彼が降りてきて「久しぶり!」って言ったときは泣きそうなくらい嬉しくてけど恥ずかしくてそれを隠すので精一杯でした。

それから私と彼はけんかもして何度も別れの危機を迎えたけれどどうにか付き合ってて、それなりに幸せな日々でした。

けれど付き合って1ヶ月後、毎回ほぼ狂うことなくくる生理がこない…。一週間たってもこない…。二週間たってもこない…。思い当たるフシはたくさんありました。
薬局に行って検査薬を買い、急いで家に帰ってトイレへ…1~2分でわかるって書いてあったけど使ってすぐに結果はわかりました。陽性反応でした。

そのとき私が思ったこと、「産みたい!けど彼は??」でした。気が動転して冷静さはなかった。彼より先に仲のいい友達のMちゃんに電話してました。
彼女は「○○はいるの?もう話した?…今すぐ来るように言いな!」と言い私は彼にメールしました。「今どこにいる?今、検査薬で検査したら陽性だった」と。そうしたらすぐに電話がかかってきて「間違いないの?今すぐ行くから」とだけ言われ電話を切りました。

15分後くらいに彼は部屋に来て「間違いないんだよね?どうする?」と聞いてきました。私は「どうするじゃないよ!」とだけしか言えなかった。そんな私に彼は「…今回は諦めるしかないよ」とだけ告げました。私は泣くしかできなかった。「産みたい」って一言が言えなくて「そうだよね…うん」と答えて泣いてました。彼は抱きしめながら「ごめんな。本当にごめん…」と言い続けてたけど私は彼の顔を見ることはできなかったです。

その日から私はどこか彼に対して不信感というかなんて言ったらわからないけど今までとは違う感情が生まれました。

彼に「病院行った?行かなくていいの?」と言われても「行くよ」とだけ答えて病院には一度も行かないまま、街には師走特有の雰囲気を感じるようになった頃、私達は別れました。原因は彼曰く「妊娠したことは関係ない!えりが俺のことを考えてないから」だそうです。私から言わせれば「お前こそ私と赤ちゃんのこと考えたことあるの?」でしたが…。

病院には12月ももうあと一週間くらいで終わるという頃に行きました。おなかの赤ちゃんは元気に動いていました。堕胎するとなると誘発剤で陣痛を起こして死産という形をとる方法しかない週数になってました。
エコーで赤ちゃんの姿を初めて見たときに私の心は決まった気がします。

「この子は私が産んで育てる!この子は私が守るんだから」

そう決意したのに彼には言えなかった。

けれど彼には言わなくちゃいけない。勇気を振り絞ってメールしました。
「私、赤ちゃん産むから。」
彼からはものすごい罵倒を浴びました。そのとき彼の本性が見えた気がしました。私のこと、赤ちゃんのこと何も考えてない自分本位の考えしか言わない。「産むなら俺に迷惑をかけないと誓え!」彼はそう言いました。

彼とは産むことを伝えてから一度も連絡はとってません。もちろん彼からも連絡はありません。今も静岡にいるのか?それとも地元に帰ったのかも知りません。
けれど認知はまだだけど美月の父親は彼であることは間違いないです。変わらない事実です。

美月にパパのぬくもりを教えてあげられない。それはすごく苦しいです。つらいです。私自身、つらく寂しくなるときもあります。

でも美月も私も可哀相ではないと思います。だって美月と私の家族、友達にとても愛されてることを感じるから。
美月は弱虫の私のところにきてくれて私の宝物だから。愛しくて大切な存在。みんなに笑顔を与えてくれる存在。

美月にはこれからつらい思いさせることあると思う。けれど一つ一つを受けとめて二人、笑顔で明るく生きてきたい!!

未婚シングルマザー、婚外子、世間では偏見の目で見られることもある。平等と定めている法から非嫡出子と差別されている。
けれど子を思う親の気持ちはそんなの関係ない!!愛情は変わらない!!

美月を産んで本当によかった!後悔なんてしたこともない!
美月、ママを選んでくれてありがとう!生まれてきてくれてありがとう!!



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