おとぼけ香港生活から脱皮

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【番外編】・寝台バス



これは豊が福州へ出張に行った時のことである。
この出張は帰りの日が見えない出張だったので、豊の部下共々
私もついて行くことにした。

行きはシンセン空港から約1時間のフライトで福州に着いた。
中国の国内線に乗るのも初めてで乗った飛行機は「東方航空」だった。
乗ったことのある人はご存知だと思うが、

この飛行機は飛ぶのか?

と言うほどに古く、そして、ぼろい←(同じか?)
そして、乱気流で揺れた時には最期を覚悟せねばならないほどで、
飛行機の羽が飛んで行くのではないのかと思うほど、乗客を心配させる。

通路も狭く、バッチリメイクの綺麗なアテンダントが
汚い押し車をキコキコ音を鳴らしながら
新聞を配っているからそのミスマッチになんとも笑える。
そして、配られるジュースは

生ぬるい

エンジンで温められたであろう、
生ぬるいコーラーは美味しいはずもなく・・・


こんなに 不快 快適な飛行機で約1時間も乗らなくては
ならないので、 スリルがあって 楽しいだろう。←(違うだろ?)



出張の用事が済み、私達は帰らなくてはならなかった。
そこで、帰りの飛行機はやはり 怖い 高いので、
安く上げる為に寝台バスで帰ることにした。

寝台バスに初めて乗るのだが、果たしてどんなものだろうか?

足が伸ばせて、リクライニングが倒してある状態の各自のベッドが
通路を挟んで計4列並んでいる。
ベッドの下には沢山の荷物が置けるよう高い位置に設置してある。

私達の乗った寝台バスはちょっと値段が高めで足が伸ばせるのだが、
安いであろう寝台バスは更に2階もあり、しかも足は伸ばせなく
曲げたままだ。
さらに、ランクが下がるときっとクーラーも付いていない程の
おんボロバスに

皆さん難民の方ですか?

と言わんばかりのすし詰め状態で乗らされるのである。
そして、そのおんぼろバスに乗っている人達の顔を追い越しざまに
見ると皆疲れきった顔をしている。


そして、夕食付きなのでちょっと豪華な食事だと思いきや、
案内された所は薄暗く、きれいとは言いがたい場所であった。
よく、中国人が使うホーローの きれいでない 食器に入って
運ばれて来た夕食と言うのはなんともお粗末な料理であった。
更に、ご飯はと言うと、これまたホーローの良く言えば
使いこなされたマグカップに入っている・・・・

私は誰かがこのマグカップで歯磨きのくちすすぎに使って
いるのではないかと想像したらご飯は食べられなくなった。
↑(墓穴を掘っている)


ほんの何分かで食事を済ませ、またバスへと乗り込む形となった。

舗装のされていない道をもうかれこれ何時間も走っている。
そして、所々停車しては乗客を乗せている。
あまり乗客がいなかったバスはもう満席だった。

しかし、この運転手、乗客を休ませてくれない。

きっと舗装された道を走ったらそれはそれでそれなりに
休めたのかもしれない。
しかし、私達の乗ったバスが走った所は舗装もされていない
デコボコ道で、
しかも、この運転手、
クラクションを常に鳴らしている。

気を使えよ!このおんぼろ運転手!←(頭が既におかしくなっている)

車体は大きく揺れ、クラクションの音で休むことなど
ことさらできるはずもなく・・・

そんなこんなであまりにも眠れる環境ではなく、
朝方には頭が朦朧とし、シンセンに着いた頃には寝ていた。

前日の午後に乗って翌朝の6時に到着した。
するってぇと、

16時間も乗っていたのか!

寝台バス。もう2度と乗りたくない代物であり、
中国のでかさに思い知らされた。


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