K/Night

K/Night

紅水・夢喰い・想い



引かれた線から
紅の液体が
流れ堕ちる

液体は
透明で
澄んでいる
水に溶ける

紅が
徐々に
透明度を増し
そして
消えた

全てが
元通り

まさか

透明な水は
もう透明ではない

澄んでいた水は
もう澄んではいない

純粋は
紅の液体が溶けて
不純になった

紅い
紅い
巡り行く
液体の為に

【夢喰い】
眠れ
眠る
眠り行く

誘え
誘う
誘いければ

とろり
溶ける
甘美な
夢を

見せ
見ゆ
見いし

甘美な
夢は
甘美な
食事

喰らえ
喰らう
喰らいしモノ

魂もろとも
取り込んでやろう

眠れ
眠る
眠り逝く

誘え
誘う
誘いければ

夢喰われしモノは
夢喰いの


【想い】
「如何して冷たくするの?」
君の想いが邪魔だから

「私の事が嫌いになったの?」
好きだったら冷たくなんかしない

「教えて?私に悪い所があるなら直すから」
求められてもつじつま合わせの言葉を並べるだけだ
嫌いなものは嫌い

「今ならきっとやり直せるから」
覆水盆に返らず
壊れたものは修理すれば直るだろう
だけど始めの状態ではない
それは複製で上辺で、直ぐにまた壊れてしまうものだ

「愛しているのよ」
そうやって言葉を欲しがるのか?
愛のない、器だけの言葉を?
結局傷付くのは君だけなのに?

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