北京ビジネス最前線改め中国ビジネス後方基地

北京ビジネス最前線改め中国ビジネス後方基地

2004.11.22
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ご存知の通り、中国は偽物(フェイク、模造品、模倣品)と海賊版の宝庫です。世界に向けた製造(密造?)基地であるとともに、恐らく世界最大の偽物マーケットでもあるでしょう。被害を受けているのは、日本や欧米の有名ブランドや著名アーティストの作品だけではありません。中国国内のブランドや著名アーティストもやはり偽物の被害を受けています。模造品が多いのはタバコと酒です。これらは模造品の成分構成によっては生命をも奪い取ってしまいます。農村部で中国側との宴席で出された著名ブランドの白酒が実は偽物だったため、命を落としてしまった日本人もいます。中国国内アーティストのCDや映画のDVDの海賊版もたくさん出回っています (「ぺきん日記」 11月13日) 。北京の伝説のロックスター崔健を中心に「知的財産権の侵害は文化の再創造への機会を危うくするもので、結局被害を受けるのは中国人民だ」という主張の元で、民衆に訴えるキャンペーンを展開していますが、焼け石に水です。

つまり、中国の知的財産権保護の体制は日本や海外に対してのみ甘い、とは言えないと思うのです。また、中国でも知的財産権の保有者はその侵害を防ぐため、いろいろ努力をしている、と思うのです。それでも尚、偽物はなくならない、と言うのが現実なのです。日中政府間や民間の間で、さまざまな対策会議 (Asahi.com 11月20日) が行われているようですが、中国政府が対策に本腰を入れるかどうか別にして、そうしている間にも、偽物は製造され市場に流通していくのです。この現実を受け入れて、被害をできるだけ小さく食い止めることのほうが先決だと思います。

家電などの耐久消費財に関して言えば、中国都市部の消費者の偽物に対する意識は高まっています。本物ブランドを買い求める消費者は、偽者でないか徹底的に検証します。肌に直接影響を与えるシャンプーなどの日用品やお口に入る食品なども、信頼のおけるブランドの商品を選びますし、その商品が偽者でないか、極端な話、スーパーで栓を空けて確かめたり、正規品の空きパッケージと比較したりして、自分でよく確認してから購入します。中国都市部の消費者は一般的にブランド信仰者ですから、ブランドの信頼度が大きければ、そうしたブランド品を購入できるだけの経済力を持っている人たちは、きっと自ら偽物を嗅ぎ分けて、本物を購入するでしょう。
ですから、日本企業もブランド力を強くすること、販売価格に見合うだけの特長(技術力や高品質)を保持すること、によって、中国都市部での偽物対策ができると思います。

農村部に関しては、手の施しようが無いかもしれません。人口比では圧倒的に大きなマーケットかもしれませんが、かと言って日本など海外ブランドの商品を買うほどの経済力が無いわけですから、対策するだけ無駄かもしれません。
一番良いのは、彼らの経済水準に見合う価格帯の商品を作ってあげることでしょう。ただ、日本企業が直接製造販売していたら、きっと採算が合わないので、農村部に強い中国企業にやってもらうのです。ライセンスや特許を製造数量で縛らずに、期間を区切って売り渡してしまうのです。多額のライセンス料は期待できませんが、偽者対策に費用をかけるのではなく、若干の収入を獲得できるのです。うまくいけば、ライセンスを売り渡した中国企業が、自分のマーケットにおける偽物対策までやってくれるかもしれません。自分の会社の商品の売れ行きに影響するからです。もちろん、この場合、農村部(低所得者マーケット)向けの第2ブランドを用意したほうが良いでしょう。
経済力の無い国向けに医薬品の特許料を安くする、という動きにも似ていると思います。本物を買えないから偽物を買わざるを得ない人たちには、こうした方法で、偽物を駆逐してみてはどうなのでしょうか。


日本で行われている対策同様、正規版に付加価値をつける、ということも考えられます。ただボーナストラックやメイキング映像では簡単にコピーされてしまいますから、別の付加価値が必要でしょう。2002年北京工人体育場で開催されたGLAYの北京公演では、中国のファンは海賊版の4倍以上の値段がする正規版CDを購入してエントリーしました。2ヶ月で10万枚近い正規版CDが売れたそうです。中国における正規版CDの販売数量としては画期的な数字です。これはヒントになるかもしれません。ただ、GLAYの北京公演には付加価値と呼べないほどのコストがかかっているでしょうけど。
日本企業が直接海賊版対策を行うのではなく、中国同業者を味方につける、と言うのが私の方向性です。信頼性が高い有力な中国のベンダーに版権を売り渡してしまいます。販売数量に応じたロイヤリティーではなく、売り渡しです。中国のベンダーは、販売数量が多ければ多いほど儲かることになりますから、海賊版に対してもきっと目くじらを立てることになります。商売上手な中国人でしたら、自分の利益を侵害するライバルを見過ごすことはできないはずです。どこまで効果が得られるかは未知数ですが、日本と中国の有識者で「対策会議」に明け暮れているよりはマシかもしれません。知的財産権の所有者は多額の収入を期待することはできませんが、海賊版対策のためのコストはかからないのです。

中国政府の厳しい対応を迫ることももちろん重要ですが、巨大かつアンコントロールなマーケットの中国で、スグに答えを求めるのは非現実的だと思います。富裕層の多い都市部マーケットには、日本の技術力とブランド力をしっかり打ち出すこと。貧困層の多い農村部マーケットには、その経済力に見合った知的財産権の換金方法を模索すること。そして、それぞれのマーケットに有力で信頼度の高い中国企業をうまく巻き込むこと。こんなことから始めてみてはいかがかな、と思うのでした....





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Last updated  2004.11.22 12:04:21コメント(0) | コメントを書く


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