北京ビジネス最前線改め中国ビジネス後方基地

北京ビジネス最前線改め中国ビジネス後方基地

2004.12.10
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ウチの業界は半分金融会社のようなものです。仕入れ代金の大半はニコニコ現金前払いで、クライアントからのご入金はサービスの実行が確認されてから平均2ヶ月ほど待たなければなりません。平均すると3ヶ月間ほど代金を「立替」しているのと同じことですから、ある程度余裕を持った資金繰りのためには、毎月の平均売上の4~5か月分くらいの運転資金が必要になります。

日本の本社が資本金を低く抑えているので、売上規模の拡大に応じて資金調達をしていかなければなりません。
日本の親会社から貸してもらえるか、と言うと、そう簡単にはいきません。いわゆる「親子ローン」には総投資額の何%以内と言う上限が設定されているからです。ウチのような設備投資のほとんどいらないサービス業では、何の足しにもなりません。
社債や株式なんていうのは、中国政府の外資系企業に対するハードルが高すぎて、今のところ非現実的です。
結局は、銀行からの借入金に頼らなければならないのです。借入にしても担保物件など無いに等しいので、日本の本社から債務保証をしてもらいます。成長著しい中国のことですから、日本の親会社も債務保証には前向きなのですが、額が大きくなっていくと取締役会決裁が必要になってしまい、親会社のオジサマたちに説明するための資料作りに追われることになります。
手続きはすっご~く面倒ではありますが、銀行がお金を貸してくれるのだから、ありがたいことです。

さてウチの会社の場合、仕入れ元はほとんど中国ですし、クライアントからの入金も大部分中国国内からになるので、当然のことながら、必要な資金は人民元です。ところが、人民元の金利と言うのは驚くほど高いのです。お金持ちが貯金するには有利ですが、お金を借りる側からすると困ったものです。1年の短期借入の金利は5.31%から、この10月には更にアップして5.83%になってしまいました。ウチの会社を含め、中国のこの業界で営業利益率5%台の会社なんて、まずあり得ないハズですから、こんな高金利で資金調達してしまったら、商売が成り立ちません。

そこで、これまでは外貨建てで借り入れて、人民元に両替して、資金に組み込んでいたのです。日本の預金金利が驚くほど低いのはご存知の通りでしょうが、お金を借りるときだって年利0.何%かです。人民元の金利と比べるとタダみたいなモノです。
でも昨年、調子に乗って日本円建ての借入比率を増やしてしまったら、ヒドイ目に遭ってしまいました。03年の上半期は1ドル=110円台後半だった為替レートが年末の決算時期には107円と円高になってしまったのです。米ドルと人民元はほぼ固定レートですから、人民元に対しても円高になってしまったわけです。具体的には、1人民元=14.5円くらいだったのに、年末には1人民元=13円弱になってしまいました。11%以上アップです。

つまり、1人民元=14.5円の時に、5億円借り入れると、約3,450万人民元に両替できるのですが、12月末に1人民元=13円になってしまったので、5億円の借金が会社の帳簿上は約3,850万人民元に膨らんでしまうことになるのです。実際に調達した資金より400万人民元も多く借金していることになってしまうのです。
為替リスクについては、もちろん考慮はしたつもりですし、12月の決算時という瞬間の出来事ですから、中長期には何とかつじつまが合うだろう、と思ったものの、ショックはデカかったです。

そこで、今年は米ドル建ての借入比率を一気に増やしました。日本円と比べれば高い米ドルの金利ですが、人民元の金利を考えれば、割安感があります。年初は短期借入で1%台でしたから。しかも、前述の通り、人民元レートは米ドルにほぼ固定されていますから、為替リスクの心配もほとんどありません。5月に円安に振れたときに、日本円建ての借金の大部分も米ドルに移行しました。

そんな折、6月になって中国の通貨当局は、「外貨建て借入金の人民元への両替を禁止する」と言う措置を急に発表したのです。実質的に人民元建ての借入しかできないようにしたのです。理由はいろいろ取り沙汰されていますが、直感的に「人民元の対米ドル切り上げが近い」と考えたのは私だけではないはずです。人民元が米ドルに対して高くなれば、米ドル建ての借金に関して、さっき述べたことと逆のことが起こるのです。1ドル=8.28人民元の時点で500万ドルを借り入れ両替すると4,140万RMBになるのですが、仮に5%人民元が切り上げになって1ドル=7.87人民元になると借金は3,835万RMBに減ってしまうのです。
通貨当局の規制が実施される直前に、ウチの会社では駆け込みで、向こう2年間必要と見込まれる資金をまとめて米ドルで借り入れてしまいました。はっきり言うと、金利のかかる余剰資金を抱え込んでしまったことになります。

それでも、金利は年1%台だし、人民元が切り上げされれば、借金してお金が儲かることになるので、人民元の切り上げをまだかまだかと、ウキウキしながら待っていたのです。中国高官の「為替制度の現状維持」発言や「人民元の切り上げ近し」のニュースに一喜一憂しながら...10月のG7会議では各国が中国にがんがん圧力をかけてくれるだろう、と期待していました。ところが、その後も人民元の対ドルレートには何の動きもありません。
それどころか、米国の金利がどんどん上昇していくではありませんか。6月時点と比較すると1%アップ、2倍です。
これでは余剰資金の金利負担だけ増えてしまって、為替差益は「捕らぬ狸」です....

幸いなことに最近、中国の市中金利も上昇しました。余剰資金を1年物の定期にしておけば、何とか米ドル借入分の金利はチャラになりそうですが、そうは言ってもやはり人民元の対米ドル上昇を心待ちにしている今日この頃です。





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Last updated  2004.12.10 17:11:20
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