北京ビジネス最前線改め中国ビジネス後方基地

北京ビジネス最前線改め中国ビジネス後方基地

2006.01.19
XML
日本経済が上り調子になったワケを、キチンを考えていない人たちが強制捜査にgoサインを出したとしか思えません。

ライブドアなどの"IT関連企業"は、株価上昇や個人投資家の拡大に大きな貢献をしてきたはずです。日本の実態経済より株価の上昇幅が大きいことを危惧する方もいらっしゃいますが、少なくとも"気分的"に日本を"暗黒の90年代"から解放したのは、巨大自動車会社の業績よりも彼ら"IT関連会社"だったと思います。
東証のシステムがパンクしたりして、結局日本のハジを海外に曝すハメになってしまったことにおいて、 上海領事館員自殺問題 と似たような、日本の"内輪揉め"のようです。

21世紀になって、日本企業も何かの一つ覚えのように "コンプライアンス" (企業活動において法律やルールを守ること)を口にするようになりました。
違法行為は咎められるべきだとは思います。しかしながら、誤解を怖れず申しあげれば、社員・株主・顧客といったその企業の "ステイクホルダー"や社会一般にプラスになるような"グレイ・ゾーン"であれば、ある程度は許容されても良い のではないか、と私は考えます。
ルールが守られているか破られているかを簡単には判断できないから、スポーツ競技には"審判"がいるわけですし、社会に”司法”があるのです。逆説的に申しあげれば、"審判"がいなければ、白黒ハッキリさせる必要の無い、どちらとも判断可能な"グレイ・ゾーン"が、世の中にはいくらでも存在するのです。企業活動の多くもそのようにして成り立っているのですから、 無理やり外から"審判"を呼んでこなくとも、"市場"に判断を委ねたほうが良い

「不正に40億儲けた影には、40億の損失を被った投資家もいる」とか、「ルールを厳守せねば市場経済が成り立たない」などと反論されてしまえば、その通りです。ライブドアは見過ごすことのできない"ルール破りの悪人"になるかも知れません。でも、 「ライブドアだけが悪人だ」とは、決して言えないでしょう 。"審判"が意図的に見過ごしている巨悪の存在が無いとも言えないでしょう。
フィナンシャル・タイムスの社説 が言うように 「年老いた守護者の復讐(ふくしゅう)」 ( Nikkei Net )とみるのが真っ当に思えてなりません。

中国でお仕事をしていると、"コンプライアンス"の解釈と執行について、いつも考えさせられます。ルールや法律(規定)を堅物に守り抜くと、なかなかビジネスを進められません。 一点の曇りなく両国の法律や規定を遵守している、と言い切れる日系企業が中国でどれほどあるのでしょうか? ほとんどの企業では、海外送金、通関、雇用、ビザ、税務、政府機関への付け届けなどなどで、きっと何らかのルール違反を意識的に行っていると思います。
日本の本社は、必ずといっていいほど"コンプライアンス委員会"みたいなものがあり、中国事業や中国関連取引は、 "注目の的" になっています。でも"コンプライアンス委員会"の改善勧告などをまともに聞いていたら、 他の会社に遅れを取ってしまう でしょう。審判の見えないところで、相手選手にケリを入れるサッカー選手をフェアな奴と思う方は少ないと思いますが、そうしないと勝てない世界では無いですか.....
じゃあ、日本ではどうなんですか、と問いかけると、日本国内でも"グレイ・ゾーン"から足を洗えてない場合が多いのです。中国だけが特別なわけでは無いようです。
株価を上げるために"コンプライアンス"を謳っているのでしょうけど、結局は株価を下げる結果になりかねません

私は"不正"を奨励しているのではありませんが、グレイ・ゾーンが"必要悪"であることも事実だと思います。 全世界のすべての企業が一斉に、グレイ・ゾーンから脱しない限り、ルール破りは無くならない でしょう。

"グレイ・ゾーン"にも節度がある、ライブドアの場合、"出過ぎた杭(釘子)"だから"打たれた"と言ってしまえばそれまでです。日本は"横並び"を尊重しますから.....
この "横並び"尊重思想こそ、日本経済停滞の要因

確かに、日本の"IT関連企業"は危ういことをやってきていると思います。 "グレイ・ゾーン"に足を踏み入れることは、リスクを抱えること 。このことをしっかり認識しているのであれば、わざわざ"審判"を呼んでこなくとも良いのではないかと思うのです。仮に、錬金術が生み出した"薄っぺらな企業"だったら、司法が裁かなくとも、いずれ崩壊するのが市場の論理ではありませんか....
”年老いた守護者"も、いきなり"本丸"を潰さなくとも、別の方法で"警告"を連発するなど、もっと大人の対応もできたのではないか、と思うのです。
理由はどうあれ、 若くて元気のある企業が、意図的に潰されるような国家体質 では、この先 中国に打ち負かされてしまう ようでなりません....





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.01.20 00:42:32
コメント(10) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


グレ~ゾーンはテメ~の小っこい脳みそだわww  
っs さん
グレイゾーンじゃね~んだよバ~カw
真っ黒なんだよ
支那と違って日本には法律ってものがあって守らね~といけないんだよアホ

テメ~は支那人のケツの穴舐めて小銭稼いでろやヴォケ

(2006.01.20 16:08:59)

あなたは資本主義の市場というものが分かっていない。  
バフェット さん
「仮に、錬金術が生み出した"薄っぺらな企業"だったら、司法が裁かなくとも、いずれ崩壊するのが市場の論理ではありませんか....」
ここが貴殿の全ての論理のよりどころとなっていると思うが、市場はそんな完全なものではありません。
仮に、ルールを守らなくてもいい特別な企業があれば、
その企業が"薄っぺらな企業"であっても崩壊しません。
また、たとえルールを守っていても独占企業がいれば公正な競争が行なわれなくなる。
市場とはそれほど「不完全な」ものなのです。
(独占禁止法はそのために作られた)
(2006.01.20 23:40:28)

Re:グレ~ゾーンはテメ~の小っこい脳みそだわww(01/19)  
っsさん、コメントありがとうございます。
グレイか真っ黒なのかも、人が判断することではないでしょうか?
中国にも法律がありますし、守らなければならないのですよ.....。
日本でも法律を守らずに、しかも摘発も受けず、のうのうと私服を肥やしている人や企業がまったく無いとは思えないのです。
中国には問題も多く、それを批判されるのは自由でしょうが、私の立場は「人の振り見て我が振り直そう」です。日本が自由主義・民主主義・法治主義を標榜する以上、改善すべきことはまだまだ多いと思います。 (2006.01.21 01:58:46)

Re:あなたは資本主義の市場というものが分かっていない。(01/19)  
バフェットさん、コメントありがとうございます。
第1点については、例えばメディアがもっと機能すれば、ルールを守っていない薄っぺらな企業も市場から追放されるのではないか、と思います。企業発表のIRリリースだけに頼る投資家はどれだけいるでしょうか?特に小口個人投資家にとっては、自分と企業との直接的な接点やメディアによる報道などが重要な判断材料になるでしょう。機関投資家だって独自に調査して"胡散臭い"企業には大枚叩かないでしょう。livedoorなど"IT関連企業"の"胡散臭い"情報を入手していたメディアは多かったはずですが、量として量るなら"錬金術"に手を貸すような情報を多く提供していたのではないでしょうか。だからこそ企業のIRリリースの信憑性が問われる、と言えばもっともなのですが....
第2点は、ルール(法律)の運用には限界があるという事実を挙げたいと思います。独占禁止法を例に挙げれば、日本における広告業界などは、恐らくルール違反がまかり通っています。公取は重い腰を上げ「改善レポート」などを発表しているのですが、改善命令や強制捜査なんて行うつもりは無いでしょう。ルール(法律)は完璧に用意されていたとしても、その運用は「不完全」ですし「恣意的」なのが現実なのです。
市場が「不完全」だとすれば、ルールの運用が「不完全」で「恣意的」だからではないでしょうか? (2006.01.21 01:59:54)

Re[1]:あなたは資本主義の市場というものが分かっていない。(01/19)  
バフェット さん
「例えばメディアがもっと機能すれば、ルールを守っていない薄っぺらな企業も市場から追放されるのではないか、と思います。」>
メディアがもっと機能すればとおっしゃるが、実際にはメディアが全てを見とおすことはできないでしょ。
機関投資家にしても企業の内部で何が行なわれているか完全に把握することはできないでしょ。
こういうこともあって、だから市場は「不完全」なものだと言ってるのです。
ゆえに、ほうっておくと崩壊しない"薄っぺらな企業"もでてくる。
だから常に「ルール破り」がいないか監視して、違反者には市場から退場してもらわなくてはならないのです。

「市場が「不完全」だとすれば、ルールの運用が「不完全」で「恣意的」だからではないでしょうか?」>
恣意的かどうかは別として、ルールの運用が「不完全」なのはそうでしょう。
だから、市場には常にひずみが生じる可能性があるので皆がこれを正していく(不正企業の摘発など)努力をつねに続けなければならないのです。

資本主義の市場とは、ほうっておいて完全に機能するものではありません。だからルール破りの不正企業には、市場から出ていってもらうべく司法が監視、摘発をしなければいけないのに、あなたはそこのところが全く分かっていないのです。

(2006.01.21 14:08:31)

Re[2]:あなたは資本主義の市場というものが分かっていない。(01/19)  
バフェットさん、コメントありがとうございます。
私が考えていることも、ご指摘の趣旨に近いのではないかと思います。「仕組み」や「原理」は分かっているつもりなんですよ....。
もちろん、不正企業の摘発などを公正に監視されている方もいるのかもしれませんが、人間のやることですから「完璧」では無いと思います。そうした欠陥すべて含めた上で、マーケット(市場)は現存していると思います。
証券市場に限らずマーケットはきれいごとでは語れない、このことが良いとは思いませんが、私が20年間仕事をしてきた上での率直な感想であるのは事実です。 (2006.01.21 14:26:43)

それが市場論理なのでは  
aki さん
Livedoorが現在窮地なのは強制捜査のせいではなく、強制捜査によって「狼狽売り」をした個人投資家のせいなのでは?
そういう意味でもこれでLivedoorが消えるというのであればそれが「市場の論理」だと思うんですけどねぇ…。 (2006.01.21 16:26:26)

TBが飛ばせませんで、、、  
らん さん
はじめまして。
私のブログで今回、この記事を取り上げさせていただきました。TBを飛ばしたのですが、なぜか反映されません、、、。すみません。

こちらの記事なので、もしよろしければ
お読み下さい。

http://chinalifecost.seesaa.net/article/12018660.html (2006.01.22 01:32:16)

Re:それが市場論理なのでは(01/19)  
akiさん、コメントありがとうございます。
株価を吊り上げた要因には、企業が開示した情報もあるのでしょうが、とりわけ個人投資家にとっては、大衆メディアや政権政党の一部勢力も影響を与えたと思うのです。
狼狽売りは権力による捜査とそれに呼応した大衆メディアの報道によってもたらされたとも言えるでしょう。ライブドアの内部調査報告がどれほど影響を与えたのかは疑問でしょう。
これが「市場の論理」だと言えば、その通りなのかもしれませんが、権力が介入しているという疑念と掌返しの大衆メディアが、私個人としては不愉快に思えたりします。 (2006.01.22 21:15:03)

Re:TBが飛ばせませんで、、、(01/19)  
らんさん、コメントありがとうございます。
恐らく何らかの理由で中国当局の規制を受け、seesaa.netのドメインが中国からアクセスしにくくなっているのが、原因かもしれません。
ちょっと工夫して、拝見させていただきました。
たとえ国家が規制したとしても、この国の情報を渇望する一部の人たちはあの手この手で、必要な情報を入手していると思いますよ... (2006.01.22 21:19:23)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Profile

ぺきんのぐっち

ぺきんのぐっち

Comments

市松 通りすがりですが・・@ Re:究極の(!?)Buz Marketing in China 権力者の有無に関係なくネット掲示板を動…

Archives

2025.11
2025.10
2025.09
2025.08
2025.07
2025.06
2025.05
2025.04
2025.03
2025.02

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: