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2006年05月12日
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「欲しいモンってのはただ手に入れりゃ良いってモンじゃねぇ

 その過程にBIGなロマンがあってこそ 男ってモンだぜ」

 鈴木信也さんが、週刊ジャンプに掲載していた「ミスターフルスイング」。先週発売号で最終回を迎えました。従来の野球マンガとは違う角度からの描写、変則ルールの野球の試合、コードギリギリのギャグ、一話で二話分詰め込んだコマ割り…まさに個性派のマンガでした。単行本は22巻まで出ていて、おそらくは24巻で終了するのでしょうが、最後の「県対抗総力戦編」が、駆け足で終わってしまったのが残念な話です。

 それでも「選手権予選編」までで謎だった「犬飼、辰羅川、御柳とあの人=大神の因縁」「屑桐と牛尾の反目の理由」「猿野の家庭環境」にケリがついたのが何よりでした。昨中ではいきなり3年時に話が飛び、部室にある優勝旗でラストシーンになっています。
 この時のオーダーはこんなんでしょうか。
(中)兎丸(遊)司馬(右・投)子津(三)猿野(捕)辰羅川(一)猗力か野木(左)片貝(二)明神(投・右)犬飼
 十二支の実力主義政策のもと、レギュラーが全員3年というのも…ですが、そこは大目に。物語を作るには、とにかくエネルギーがいります。鈴木さんはいっぱいいっぱいだったでしょう(事実、普通の試合の描写が大変だったと語っていました)。先に書いた特徴だけ見ると、破天荒な作者だとも思いますが、その実はシリアスなストーリーを書ける熱きチャレンジャーなんじゃないのかな、と私は見ています。

 「県対抗総力戦」編で見せたエピソード(先のに加え、華武高二番手投手・帥仙の話も)もう少し掘り下げたモノを見たかったですね。正直「いらん所で敵を作る」部分がなければな、と思うと残念です。ま、世の中には、まともなストーリー書いたのは一部だけで、あとはふざけたものを書いてくれたY・Kや、戦争や犯罪に対して、イケイケドンドンの不感症的作品を書く連中もいますがね。



コミックス22巻で 、万引きした御柳と止められなかった犬飼、辰羅川に対して、7つ歳上の大神が、3人を諭した際の台詞です。この言葉は、私の好きな言葉の一つに「試合に勝て。ただし、正々堂々とだ。」に通じます。

 試合に勝つ。欲しいものを手に入れる。それを達すれば気持ちいいでしょう。しかし、それに到る過程を疎かにしては、本当の充実した勝利は得られない。簡単に結果だけを手にしたら、あとでしっぺ返しがくるってのを言いたかったんじゃないでしょうか。
 今焦点になっている「共謀罪」、そしてテロ対策。これにしたって「あそこにビンラディンがいるぞ!」で爆弾ズドン、「あそこにはフセインがいるぞ」でズドン、ではある程度のダメージと引き替えに敵をたくさんつくるだけでしょう。(詳しくは13日に書いたブログをどうぞ)テロの根を摘むのはゆるくないのも確かですが「ノミ一匹潰すのに火炎放射機」はゴメンです。

 そして「過程にBIGなロマン」…。野球で、イーグルスが歩んでいる道がそうではないでしょうか。今は、豪快に負け続け。しかし、いつかは笑える日も来るんでしょうか。
 1950年、近鉄バッファローズ…いや、近鉄パールズ初年度の開幕投手だった沢藤投手が、その25年後にスコアラーとして後期優勝に立ち合った時に、ネット裏で号泣した話。
 共産党でも立候補者生活18年目で当選した紙智子さんや、どこの新聞を開いても「当選は…」と書かれても、あきらめず勝ちをつかんだ高橋千鶴子さんの経験もあります。

 「ミスフル」の中で私が一番共感できたキャラクターが子津忠之輔。ときにマイナス思考になり、投手失格の烙印をおされながら、十二支ナンバー3の投手になった不屈性を持ち合わせた人物でした。
 「不屈」…言うのも簡単ですが、実行は難しい言葉です。でも、幸いそう自信を持って語れる道は歩んでいます。色んな事を教えてくれたミスフルのキャラクター、そして、鈴木信也さん。お疲れさまでした
。





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最終更新日  2006年08月19日 20時56分12秒
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