マンション管理相談室

2007年08月29日
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テーマ: ひとり言(81)
カテゴリ: ひとり言




いじめられたのは、長男です。当時、2年生でした。

いじめていたのは、同級生の遊び仲間です。

N君、Y君(2名男子)、Tさん(女子)が中心メンバーでした。

遊びに誘っておきながら、仲間はずれにしたり、突き倒されたりしたそうです。

バイキンのように扱われたこともあったそうです。

そのほかにも、様々な意地悪をされましたが、口下手で、説明ができないので、私の知らないこともたくさんあったのだろうと思います。

そして、その都度、必死で反撃を試みましたが、体の小さな長男が複数を相手にしますから、勝てるはずもありません。

そのような状況になると、ひとりだけ遊びを中断し、帰るしかありませんでした。

ところが、帰ろうとすると、ちょっかいを出してきます。

長男は本当に悔しかったと思いますが、よく辛抱しました。

長男がいじめられた理由は、舌足らずで言葉がはっきりせず、3月生まれで幼い印象だったからです。

人は皆、生まれた以上、生きる権利があります。

そして、どんな理由があろうとも、他人の心身に対して暴力をふるう権利はありません。

それは、大人なら犯罪です。

私と妻は、全身がワナワナと震えるほど、怒りがこみ上げてきました。

しかし、できるだけ冷静になってよく考えました。

最終的な目的は何なのか?
いじめる子供たちはなぜいじめをするのか?
どうしたら、いじめを改善できるのか?

私たち夫婦にとって、最終的な目的は、子供たちを自立した社会人にすること、です。

残念ながら、いじめはどこの団体でも存在します。

逃げているだけでは解決しませんから、引越しや転校では根本的な改善は望めません。

自殺する子供たちは、自分がひとりぼっちだと感じているのではないか、と思いました。

だったら、とりあえず、私と妻が長男をしっかり抱きしめて、いつでもお前の味方だよ、と伝えることで、彼の命を救えると考えました。

次に、なぜ、いじめるのか?を考えました。

リーダーは、N君です。彼のお母さんは教師です。

彼は、お母さんが仕事の時は、知り合いに預けられています。

そして、ほとんどお母さんとスキンシップがない、ということも知っていました。

Y君とTさんも、家族で時間を過ごすことが少ないらしいことを知りました。

長男は、今でも、平気で妻に甘え、抱きついています。

どうやら、そのことがうらやましいようなのです。

これで、本当のいじめる理由もほぼわかりました。

最後に、どうしたら改善できるか?を考えました。

実に難しい課題でした。

子供というのは、「してはいけない」と注意をしても簡単には直しません。

どんなに残酷なことでも、本当の意味を理解できない時は、平気でやってしまいます。

いじめの場合も、そうであるからこそ、自殺が頻発するのだと思います。

すぐには答えが見つからず、担任の先生に相談しました。

ベテランの女性の先生でした。

子供が大好きで、長男の幼さの中にも成長した部分を見つけ、通信簿に記してくれました。

先生は、道徳の時間を使って、クラス全体で話し合うことを約束してくれました。

特定の児童を対象にしたわけではありませんが、自然と長男の話になりました。

当初は、いじめを否定していたN君たちですが、複数の目撃証言が出てしまい、認めざるを得なかったそうです。

話し合いの最後には、いじめた子供たちが長男に謝りました。

帰りには、長男は元気な声で、先生に「ありがとう」と言って教室を出ました。

先生から、話を聞き、ひと安心しましたが、ドラマと違って、だいたい、再発します。

実際に、以前と似たような状況ができつつあるころ、長男のムシキングカードをY君が奪い取ったことを聞きました。

偶然、その直後にY君に出会いました。

私が事実を確認すると、Y君は、「借りたまま返すのを忘れていた」と言いました。

しかし、私がじっと見つめると、下を向き、黙ってしまいました。
私はいくつか質問をしました。


私  「カードを勝手にとったのかな?」
Y君 「返すのを忘れた。」
私  「勝手に持っていくのは、盗んだことになると思うよ。」
Y君 「・・・」

私は、ずっと考えていたことを質問することにしました。

私  「君のお父さんやお母さんが、職場や近所の人をいじめていたら、君はどう思う?」
Y君 「そんなの、嫌だ。」
私  「じゃあ、君が友達をいじめているのをお父さんたちが知ったらどう思うかな?」
Y君 「・・・」
私  「君もいつかお父さんになるね。その時、君の子供に、お父さんはどんな子供だったの?と質問されて、自分が、弱い者いじめをしていた、と言えるかな?」
Y君 「言いたくない…」
私  「今のような君を本当に好きになってくれる友達がいると思うかな?」
Y君 「いないと思う。」
私  「カードを勝手にとったことを好きな女の子に知られたらどうする?」
Y君 「そんなの、困る!」
私  「じゃあ、これから、どうしたら良いかな?」
Y君 「もう、やらない。」
私  「おじさんは怒っているわけじゃないよ。教えているんだ。もう、大丈夫だね?」
Y君は、小さくうなずきました。

これが、私と妻の知恵を振り絞った答えでした。

人間は、やりたくないことはしない、ということです。

この出来事から数日後、今度はN君に会いました。

私は、彼の目をしっかり見て、わずかに強く握手をしました。

「いつも遊んでくれてありがとう、これからもよろしくな。」

彼は、少し緊張し、手のひらに汗をかいていました。

きっと怖かったのだと思います。

「このおじさんは、本気だ。」と感じてくれれば、成功です。

ほぼ同時に、再び担任の先生に相談しました。

先生は、少し工夫をしてみます、と言いました。

数日後、先生から手紙を頂きました。

道徳の時間に、童話を紹介し、みんなで意見を出し合った、と書かれていました。

童話の内容は、オオカミが谷に渡した橋を独占し、他の動物に意地悪をしていた。

おおかみは自分の強さを誇示して喜んでいたが、仲良くして弱い動物を助けて上げる方がずっと嬉しいことに気づく。というものでした。

意地悪は、一瞬、気分が良いだけです。

助けるのは、本質的に良いことですから、その何倍も気分が良いのは当たり前です。

意識的にそれを示すことは、かなり効果的だったと思います。

この後も、多少のことはあったものの、ひどい再発は現在までありません。

安心はできませんが、一定の成果があったのだと考えています。

説明が混乱するので、省略しましたが、妻と何度も長時間に渡り、話をしました。

恥ずかしいことですが、激論になり、ケンカも繰り返しました。

感情的になり過ぎてしまい、探偵に証拠をつかませ、相手宅に乗り込もうかと考えたこともありました。

しかし、大人が見てない時間帯は、子供の成長に必要ですし、いつまでも親が面倒を見てやることもできません。

ならば、私たちの姿を子供に見せて、問題解決のヒントを伝えたい考えました。

また、家族のふれあい不足が原因なので、加害児童も被害者なのだと理解できます。

彼らを厳しく罰するだけでは、根本的な解決にならないと思いました。

家族の関係に立ち入ることはできませんが、人間同士のふれあいについてヒントを上げることはできます。

だからこそ、私は想像力を働かせる質問をY君にしました。

先生がおおかみの話をしてくれたのも、加害児童の寂しさを理解したからだと思います。

最もお伝えしたいのは、すべてのヒントは、子供たちを観察する中で見つかった、ということです。

そして、子供を観察することは、子供が好きなら誰でもできることです。

つまり、子供を思う気持ちがあれば、必ずヒントや答えがあるはずだと思うのです。

もちろん、最良の結果を得る場合ばかりではないと思います。

それでも、最悪の状況を免れることはできます。

とにかく行動し、少しでも前進することです。

とてもつらい体験ですが、親子で乗り切ったおかげで少し自信になりました。

無理だと思った課題について時間をかけて話し合い、原因や背景、理由を探り、最終的な目的に向けて努力と工夫を積み重ねていく。

苦しいながら貴重な経験をしたのだと考えることにしています。

しあわせは いつも じぶんの こころが きめる

相田みつを先生の言葉が胸に染みてきます。




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最終更新日  2007年08月29日 09時30分19秒
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