BEVITRICE

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2006年08月22日
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昼のシゴトで 田崎真也さん の講演会に行ってきました。
ええ、そうですよ。 昼のシゴト? 食に無関係ですけど。 はい。

ワインに特化したお話ではなくて 「サービスの極意」 というテーマです。

田崎真也のサービスの極意

箇条書きで少々ご紹介。

  • 「少々お待ちください」 はサービスする側の勝手な都合、 「ただいま伺います」 というお客様の視点でサービスを提供することが大事
  • サービスというのは 「人が生きるためにより快適な条件を売ること」 であり そういう意味ではすべての業態がサービスと呼べる
  • 「サービス」 と 「おもてなし」 は異なる。 「おもてなし」 には主観的満足も含まれるから

機械的にできないからこそ人間がアタマを使ってやる価値がある、 という意味では 昼のシゴトで innovation と呼ばれている概念と同じだな、 と思いました。

  • 1回やってみてよかったことは次からはマニュアルに含めるべき、 そこからそれはサービスではなく 「作業」 になる
  • 変化をおそれず進化していくことが意味がある。 だから老舗と言われる店でも味は 「同じものを維持する」 ことがゴールになってしまうと 進化は止まり顧客の満足度は維持できない、 常に対話に基づく進化をしていかないといけない
  • その進化を遂げていくためには 「オリジナリティ」 に加えて 「感性」 と 「技術」 を若いうちに身につけないといけない

ここで出てきたエピソード。 日本の一般的な板前修業では 同じ店で下積みを何年もして組織で上の人から暖簾分けで抜けていくことで上に上がれる仕組みだけれど フランスでは見習い期間に同じ店でずっと皿洗いなどはやらず 短期間でいろんなお店を見て回る、 という話。 そこで 「感性」 を養うんですって。 たしかに 日本料理の名店と言われるお店は 「どこだか系」 の暖簾分けが多いなか フレンチの名店はそれぞれのオリジナリティが豊かです。 そういう人事、組織の違いから来ているんですね。

その辺りの日仏の相違点の話がいくつか出て 話は子育てにまで及ぶのですが 語り口調がちょっとシニックというか皮肉っぽいというか、 フランス人っぽいなと感じました。 「You are great」 とやたら誉めて持ち上げることでまわっているアメリカ文化とは明らかに違う。 どっちがいい、 はありませんけど 若干右寄りなわたしとしては常に日本バンザイ党なので・・ あまり日本流が否定されてしまうと ちとビミョウ。 超ドメドメの日本企業を辞めた身としては 常にバンザイとも言えないか。 それもビミョウだな。 ともあれすべてご本人の体験に基づくお話で生きたエピソードでした。 そういうことに気付くことが感性が鋭いってことなんだな、 と思えるような。

後半ソムリエ修行のお話になり、

  • 2000種のワインを知っていることよりも2000人の信頼を得られるほうが優れたソムリエの資質である
  • ソムリエは出しゃばりすぎずに 「アシスト」 というポジションにいるのが正しい形。 ホストである男性が女性を連れて食事に来たとき、 女性にサービスをするのはもちろんであるが お金を出す人を最終的に満足させなくてはサービスとはいえない

という持論。 そのために若いころ、 修行の中でワインを覚えるのはもちろんのこと、

  • 世界の一流品、 特に男性の時計、 ネクタイ、 靴を覚える (サイフの大きさを判断してサービスを行うため!)
  • 電車の席で誰が一番に降りるか、 を当てる。 人を観察し路線の施設を考えて推理する
  • 人ごみの中であえて流れと反対に歩くことで 一度に見られる視野を広げホール全体を見渡せる注意力を養う

なんてこともしてきたんですって。 それもまた本当らしく会場で居眠りしてる人もちゃんと気付いてましたよ! さすがっ!

あくまで product-out ではなくて market-in した考え方。 田崎さんのこの考え方って 何年か前のワインブームで雑誌やテレビにバンバン出ていたときからおっしゃっていることにブレがないように思います。 「ワイン飲むならこうあるべき」 ではなくて 「誰がお客様か」、 「そこで何が求められているのか」 が優先される、 正解は常に顧客にあり だからこそ対話と進化が必要、 というところ。 言うは易しだけど長いこと実践されているのはすごいです。

わたし自身も 「知識」 と 「知性」 の違いは大切に考えていて 物知りとインテリジェンスは違うと思っているので 知識をどう運用するか、 こそが作業ではなく創造なのだと思います。

ほかにもいろんなエピソードがパラパラと聞けて面白い講演でした。 業務直結だけでなくても関わるものすべてが 常に仕事を innovate するのに有用なんだな、 と思えたし。

かたや幅を持つことばかりにあまりに偏り過ぎてしまうと弁護士だか演歌歌手だかわからない人になくなってしまいそう。 ま、 あの人はあの人で国家試験レベルの専門職だし あれだけタレント活動をやってもやっぱり弁護士っぽいことが言えるっていうのはある意味すごいのですが。

でもやっぱり 普通の人は自分のドメインを意識してこそでしょう。 自分は何者なのか、 というプロ意識をものすごく感じました。 そういうバランス感覚もまた機械やマニュアルだけではできない創造性なのでしょうね。 


田崎真也の記念日ワインにはこの花を 僕が「チャングム」から教わったこと 田崎真也の家庭で楽しむワインと料理 うなぎでワインが飲めますか?





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Last updated  2006年08月26日 20時56分13秒
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