KORGは、1962年に東京で生まれた日本の電子楽器メーカーで、プロのミュージシャンからアマチュアまでを魅了するサウンドを生み出し続けています。創業者・津田照夫氏が手がけた初期のテープエコーから始まり、現在ではシンセサイザーやDJコントローラーまで幅広いラインナップを誇り、世界中のスタジオでその名を轟かせています。意外なことに、KORGの製品は宇宙飛行士のトレーニングツールとしても採用されたことがあり、音の精密さが極限環境下のシミュレーションに役立っているんです。

デジタルピアノの魅力は、グランドピアノのような本物の響きを家庭でいつでも楽しめる点にありますが、このモデルで最も心を掴むのは、ナチュラル・ウェイテッド・ハンマー鍵盤のリアルなタッチ感です。この鍵盤は、低音域の重厚な沈み込みから高音域の軽やかな跳ね返りまでを精密に再現し、指一本一本がまるで本物の弦を叩くように反応します。初心者が初めて触れると「重さのグラデーション」に驚く人が多く、プロのピアニストでさえ「長時間の練習で指の疲れが少ない」と評価するほど。しかも、鍵盤の感触は単なる重み付けではなく、微妙な振動フィードバックが加わることで、音のニュアンスを直感的にコントロールできるんです。こうした設計は、KORGの長年の音響研究の賜物で、例えば夜遅くの静かな練習時でも、ヘッドホン経由で部屋全体に広がるような豊かなリバーブを体感でき、まるでコンサートホールのステージに立っている気分に浸れます。このタッチの魔力は、音楽を「演奏する」以上の喜びを与え、日常のストレスを溶かすような没入感を生み出します。

デジタルピアノの世界では、こうした鍵盤技術の進化が静かに続いていて、実は多くのモデルでハンマーの素材に木を一部取り入れる試みが広がっていますが、まだあまり知られていないのは、それが環境負荷の低いリサイクル材を使うことでサステナブルな側面も持っている点。KORGのように、音の追求と実用性を両立させたブランドだからこそ、こうした細やかな配慮が光ります。