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2006年08月11日
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MS/MS
二台の質量分離装置を組み合わせる。一台めで一種類のイオンを選び、そのあとイオンを分解して2台めでイオンのスペクトルを測定する。特定のイオンの構造に関する情報が得られる。ソフトイオン化法には、構造を知る上で有用な方法。
色々な組み合わせのMS/MSがある。

タンデム四重極型質量分析
四重極を三組直列につなぐイオン源に近いほうからQ1、Q2、Q3と呼ぶ。

プロダクトイオンスペクトル
あるイオンが衝突誘起解離(CID)法によって分解して生成したイオンを測定する。Q1で一種類のイオンだけを透過できるように電圧を固定し、分析したいイオン(プリカーサーイオン)を選び、Q3は電圧を掃引して、Q2で衝突誘起解離により生成したイオン(プロダクトイオン)のスペクトルを測定する。Q1で選んだイオンの構造を調べるのに適したモード。

プリカーサーイオンスペクトル
CIDによって分解して生成した特定のイオンのもととなったイオンを測定する。Q1は電圧を掃引してQ2に順々にイオンを送り込む。Q3は電圧を固定してQ2で衝突誘起解離により生成したイオンの中から特定のイオンだけが透過できるようにする。通常のマススペクトルに現れるイオン群の中から衝突誘起解離によって特定のイオンが生成されるものを選び出したい場合に適したモード。


CIDによって分解して特定の中性分子を失ったもとのイオンを測定する。ある一定の質量差を保つよういQ1とQ3の電圧を同時に掃引する。Q2で衝突誘起解離した際に特定の中性分子を脱離するイオンを見つけ出すことが出来る。特定の中性分子が失われるのを観測する。

プリカーサーイオンモード、ニュートラルロスモードは測定対象分子のなかに特定の分子構造をもつことを確かめるのに役立つ。


MS^n
イオントラップ型質量分離装置は高周波電圧と直流電圧を変えることで1種類、あるいはある質量範囲のイオンだけをトラップの中に残すことが出来る。
エンドキャップ電極にティックル電圧と呼ばれる適当な交流電圧を印加すると、イオンの運動エネルギーは増加して中性分子と衝突してCIDが起こる。CIDにより生成したイオンは質量が変化してしまうのでティックル電圧により運動エネルギーをもらうことが出来ず、一段階の反応だけが観測される。CIDで生成したイオンの中からもう一度特定のイオンをイオントラップの中に残すことが出来るので、これを繰り返してMS^nスペクトルを測定できる。ただし、イオントラップ型ではイオンの検出をイオントラップの外で行うので高次のMS^nスペクトルが欲しいときにはもう一度最初のイオンを取り込んでイオンの分解・選択をする必要がある。
フーリエ変換イオンサイクロトロン型質量分離装置もMS^nスペクトルを測定できるが、励起されているイオンを元の状態に戻す操作が必要になるので、もう一度最初のイオンを取り込んではじめからイオンの分解・選択をする必要がある。


一台の質量分析計でMS/MSスペクトルを測定する(p50)
イオン化室のなかでイオン化と同時もしくはその直後に起きた分解で生成したイオンのスペクトルを測定する。電場と磁場の強さを一定の関係に保ったまま掃引すると、ある質量のイオンがイオン源をでてから質量分離装置に入るまでの間に分解・生成したイオンのスペクトルが測定できる。この方法をリンク走査法という。代表的なのはB/E一定リンク走査でプリカーサーイオンから分解して生成したイオンのスペクトルが得られる。



クロマトグラフと質量分析計をつなぐ
・ 質量分析計を黒後グラフの検出器として使う。
・ クロマトグラフを質量分析計のための分離精製手段として使う


試料がガスクロマトグラフから気体状態で溶出してくるので、電子イオン化法(EI)や化学イオン化法(CI)には最適。混合物の分析に威力を発揮する。EI法が試料の構造情報を多く与えてくれるので物質の道程が容易。イオン化が安定で再現性がよいので定量分析に対する信頼性が高い。CI法で分子量情報も得られる。だが高極性、難揮性、熱分解性の物質は分析できない。

LC/MS
気化しにくいタンパク質やペプチドの分析に使われる。HPLCとMSを繋ぐのに大気圧イオン化(API)インターフェースを使用する。その中で極性の高い物質の分析に用いるのはエレクトロスプレーイオン化(ESI)法である。タンパク質では数十価以上の電荷を持つこともあるが、質量範囲の狭い質量分離装置でも分子量数万から数十万のタンパク質を測定できるようになる。ESI-LC/MSは試料分子が溶液中で電離しやすいイオン性の物質に有効。
 低極性、中極性物質には大気圧化学イオン化法(APCI)を用いる。溶媒の種類にあまり影響を受けない。低分子量あるいは中分子量化合物のLC/MSとしての有用性が高い。多価イオンはほとんど生成しない。
試料の調製と液体クロマトグラフの分析条件の検討に技術を要する。



試料の量、種類、推定分子量、揮発性、溶解性を元に検討する。

電子イオン化(EI)法
分子量1000程度以下の低分子量、揮発性が高い試料、常温で気体の試料に用いられる。
試料を加熱し、気化した試料に電流を流して高温に加熱したタングステンまたはレニウム製のフィラメントから放出される熱電子によって試料分子をイオン化する。
こうして生成した分子イオンやフラグメントイオンを観測する。CID法を用いなくても必要な構造情報を得やすい。EI法では主に正の分子イオンが生成されるため、正イオンモードで測定が行われる。

フラグメンテーション・・・試料分子が自己のイオン化エネルギーよりも過剰なエネルギーをイオン化の際に受け取ったとき、そのエネルギーによって分子イオンがイオン源内で分子構造に依存して様々に開裂すること。


化学イオン化(CI)法
分子量1000程度以下の揮発性の高い低分子量の試料に有効。
試薬ガスをイオン化室内に封入し、そこに試料を導入して熱電子によるイオン化をおこなう。
正イオンと負イオンの両方を生成させることができる。
フラグメンテーションは起きにくい。詳細な試料の構造情報を知りたいときには分子量関連イオンからのCID(衝突誘起解離)測定を行うとよい。
分子量関連イオン(プロトン化分子や脱プロトン化分子)の強度が強く観測され、試料の分子量決定には威力を発揮する。EI法で分子イオンが測定されなかった試料にはCI法を試みる価値がある。

高速原子衝撃(FAB)法
分子量3000付近まで測定可能。常温で固体や液体の試料に用いる。過熱操作を行わないため、熱に不安定な試料や揮発性の低い試料、生体関連物質に対して有効。
電子衝撃によってイオン化したArまたはXeなどを8keV程度に加速し、この一次イオンを同種のガス(中性原子)を導入した電荷交換チャンバー内を通過させると、イオンと中性原子の間で電荷交換反応が起こり、イオンビームが運動エネルギーを失わずに中性原子ビームに変換される(一次ビーム)この高速原子を、可溶溶媒に溶解した試料とマトリックスと呼ばれる低揮発性有機溶剤(グリセロールなど)を混合したものに当てることにより、試料の気化とイオン化を同時に起こさせる。
試料のピークと同時にマトリックスのピークも検出されるため、どちらから由来するピークなのか判断が難しい場合は2種類のマトリックスを用いる。だが、試料とマトリックスの組み合わせが悪いと試料のピークも現れなくなることがある。
マトリックスは試料に対するプロトンの授受が容易、ある程度の粘性を持ったものを使う。粘性は試料がイオン源内で長時間安定にイオン化されるためと一次ビームから直接衝撃を受けない緩衝効果に重要。フラグメンテーションは起こりにくい。CID法を用いて試料の詳細や構造情報を得る。

エレクトロスプレーイオン化(ESI)法
分子量10万以下。生体関連物質、難揮発性の試料に有効。タンパク質や複合糖脂質に有効。LC/MS、CE/MSが可能。正と負の多価イオンを生成する。
マススペクトルは質量/電荷数(m/z)を横軸に持つ耐え、多価イオンが生じて電荷数(z)が増えるとm/z値が小さくなり、通常では質量分析計の測定範囲を超えている高分子量物質も測定が可能となる。
フラグメンテーションがほとんどおきない。





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最終更新日  2006年08月11日 18時43分41秒
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