第九話【コーヒーごちそうさま】


ヒェーーー?(-Д- ;) 

霊感ナースシリーズ: 第九話【コーヒーごちそうさま】




私の親友T子一家は筋金入りの霊感家系。彼女の職業は看護士、ライフワークは写経
(車のダッシュボードに常備)、ってな具合です。
病院勤めの定番話、夜に空き部屋からナースコールが!とか、廊下を白い足が!みたい
なのは日常的に起こり過ぎてもう慣れちゃったとか。そんなT子とじいちゃんの話を少々。

T子のじいちゃんは、今でこそボケボケだが、若い頃から超霊感人間で昔からそのテの
エピソードには事欠かない。
そんなじいちゃんがある夜すやすや寝ていたのだが、どうも枕元に人の気配を感じる。
目を開けてみると、それはもうずっと昔に亡くなったじいちゃんのおばちゃん。
和服姿で表情もなくじっとじいちゃんを見おろしている。
「おばちゃん、どしたんぞ?」
と聞くが時折かすかなうめき声をあげるだけ。ひとつ、奇妙なことに、おばさんの体は
斜めに傾いていた。

朝起きたじいちゃんはどうしてもそれが気になって、その日のうちに墓参りに行った
ところ、荒らされたのか経年によるものか、なんとお墓が斜めに傾いていた!
じいちゃんは早速墓を直して周囲を掃除し、コーヒーとお経をあげて帰った。

その夜じいちゃんが寝ていると、また枕元に人気を感じる。目を開けるとおばさんだった。
まっすぐに背筋を伸ばして座り微笑を浮かべている。
「おばちゃん?」
と声をかけたじいちゃんに、おばさんは静かな声で
「コーヒー、ごちそうさま」
と言って消えていった。


※文中の「私」(語り手)は、bittersweetだったりババだったりT子だったりします。
 私や周囲の不思議体験をごっちゃに紹介しているので。ご了承ください。




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