2006/06/08
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カテゴリ: 小説のおまけネタ




ユベールは、どうしてこうなったのか、さっぱりわかりません。
それでも、美しくやさしい女王さまのムコになるのを、いやがる人なんて、いるはずありませんよね?
ユベールは、一日すぎるごとに、チーズよりもっと女王さまが好きになりました。
女王さまも、ユベールが美しいだけでなく、思いやりのある、かしこい若ものだと知って、ますます好きになってしまったのです。

ところが、いよいよけっこんというときに、ふたりのジャマをするじんぶつが、あらわれました。
あのよくばりな、おじです。
「ちょっと、まちたまえ。」
おじは、目つきのわるい、にくらしいかおで言いました。
「そんな、よその国からきた、ざいさんもない男とけっこんするのかね。それならば、その男が女王の夫にふさわしいと、しょうめいしてみせなさい。」
女王さまは、こまってしまいました。
一体どうしたら、しょうめいできるのでしょう。
よくばりなおじは、ふふんとハナをならして、
「よういは、してあるのさ。よいか。あのへやに、宝箱がある。宝箱の中には、ひとつだけ、国いちばんの宝を入れた箱があるのだ。フタをあけずに、その箱をあててみよ。あてられたら、神さまから、みとめられたということだ。」

さぁ、たいへんです。
ユベールは、このなんだいを、とかなくてはなりません。
1時間だけ、へやの中でひとりになって、考えることがゆるされました。
ところが、へやに入ったユベールは、ぎょうてんしました。
宝箱がズラリ、ズラリ。
50コはあります。
ふつう箱をえらべと言われたら、せいぜい三つが、そうばでしょうに。
「うーん、ますます、こまったぞ・・・。」
そのとき、へやのすみでチュウチュウいう声が、きこえます。
白い、ハツカネズミでした。
エサがなかったのか、すっかりやせて、みすぼらしいすがた。
白ネズミは、ハナをひくひくさせて、ユベールをじっと見ています。
「かわいそうに・・・ほら、これをお食べ。」
ユベールは、ポケットからチーズのきれはしを、出しました。
あとでこっそり食べようと思っていましたけれど、あんまりネズミがかわいそうなので、わけてやったのです。
ネズミがパッとよってきて、パクパクおいしそうにチーズをかじります。
すると、なんとふしぎなことでしょう。
まわりに、けむりがたちこめ・・・ネズミは、ひとりの青年にかわっておりました。
「あぁ~っ、やっと人にもどれたぞ。」
青年は、大きなのびをして、うれしそうに言いました。
ぽかんと口をあけたユベールに、青年はにったり、わらいかけ、
「やぁ、オレはレオンハルト。二年まえ城にいた魔法つかいに、ネズミのすがたにされちまったのさ。」
「魔法つかいに・・・でも、どうして?」
「あいつがタナにかくしてたチョコレートを、食べた。ぜんぶ。」
「・・・。」
「人にやさしくしてもらったときだけ、人間にもどれるんだ。それはそうと、いそいでしごと、しごと。このすがたは、1時間だけだしなぁ。」
「あのう・・・しごとって・・・」
レオンハルトは、とくいげに、人さしゆびをカギがたにして、くいくいと動かしてみせました。
「オレのとくぎは、カギあけさ。宝箱、かたっぱしから、あけちまおうぜ!」



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Last updated  2006/06/08 01:32:59 PM コメント(2) | コメントを書く


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