音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2024年10月17日
XML
テーマ: 洋楽(3566)
2000年代の新クラシックスの1枚


 ニール・ヤング(Neil Young)の活動歴は、優に50年を超える。ソロのファーストのリリースは1969年、バッファロー・スプリングフィールドのデビューまでさかのぼると1966年から音楽業界での活動をしていることになる。コンスタントにアルバム制作を重ねているため、リリースされた作品は何十枚もあるが、長い年月を経ながら、いわば連作のようになっている作品もある。

 彼の名盤かつ個人的にお気に入りの一枚に、1972年の 『ハーヴェスト』 がある。アコースティック・サウンドに独特のヴォーカルがピタリとはまった名盤である。そして、その続編とも言える作品は、20年後の1992年に、『ハーヴェスト・ムーン』というタイトルでリリースされている。それからさらに十数年、2005年に発表されたのが、この『プレーリー・ウィンド(Prairie Wind)』で、同じ志向性を継承した作品となった。

 オープニング曲の1. 「ザ・ペインター」 は、シンプルで柔らかい曲調とヴォーカルが印象的。2.「ノー・ワンダー」は、ヤング独特の頼りなさげな調子のヴォーカル(もちろんいい意味で)がピタリとはまった名曲で、筆者的には本盤の中で一推しである。5. 「イッツ・ア・ドリーム」 も淡々とした弾き語り調の中に同様のヴォーカルの特色が生かされている。

 後半では、アルバム表題曲の6.「プレーリー・ウィンド」の切なさがいい。アレンジ・演奏は工夫されている一方、独特の迫ってくるようなヤングのヴォーカルがうまく組み合わされていて、7分超えの長尺だが、これもお勧めのナンバー。9.「ヒー・ワズ・ザ・キング」はややアップテンポの曲で、演奏面でのホーンやハーモニカが効果的にきまっている。アルバム最後の曲である10.「ホエン・ゴッド・メイド・ミー」は、淡々としたピアノ弾き語り調のナンバーで、穏やかにアルバムを締めくくる。

 この手の演奏とヴォーカルが現代の感性にマッチしているかというと、必ずしもそうではないかもしれない。けれども、この何十年も前の1970年代の『ハーヴェスト』と同様、落ち着いて噛みしめるリスナーは一定数(むろん、筆者もその一人だが)存在するのだと思う。21世紀に入ってから出されたこの一枚も、過去の名作と同様、名作として何十年も聴き継がれていくことを願いたい。




1. The Painter
2. No Wonder
3. Falling off the Face of the Earth
4. Far from Home
5. It's a Dream
6. Prairie Wind
7. Here for You
8. This Old Guitar
9. He Was the King
10. When God Made Me

2005年リリース。




プレーリー・ウィンド[CD] [輸入盤] / ニール・ヤング




   下記のブログランキングに参加しています。
   応援くださる方は、バナーをクリックお願いします!
       ↓          ↓ 

にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ ブログランキング・にほんブログ村へ







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2025年10月24日 20時31分53秒
コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: