音楽日記~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2026.10.09
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テーマ: 洋楽(3670)
1枚だけを残した幻のグループによるAORの好盤


 チャイナ(China)というのは、3人組のカナダのグループ(ハードロック界のスイス出身の同名バンドとは別物)。1981年のセルフタイトル作(邦題は『夜明けのダンサー』、原題はセルフタイトルの『China』)のみを残し、それ以外のアルバムを作ることはなかったようである。

 アルバム1枚こっきりのグループで、特にそれがヒットすることもなかったとはいえ、それを構成する3名は無名の人というわけではなく、既にミュージシャンとしての活動歴を持つ面々だった。ダニー・マクブライト(ギター、ヴォーカル)ビル・キング(キーボード、ヴォーカル)クリス・キーニー(リード・ヴォーカル)というのがその3人である。ゲストのミュージシャンもリー・リトナー、ジェフ・バクスターなど豪華な顔ぶれで、アレンジャーとしてジェイ・グレイドンが参加している。

 そのアルバムの出来はと言うと、甘くなりすぎることなく、メリハリも利いていて、ヴォーカルのハーモニーの使い方も見事な好作のAOR盤に仕上がっている。1.「ユー・キャント・トリート・ラヴ」は、憂いを湛えた甘口の美曲。3.「過ぎゆく日々」は、都会的大人向けロックのお手本と言うべき、実によくできた曲に仕上がっている。4.「ゼア・ワズ・ア・タイム」ではヴォーカルを聴かせ、5.「駐車場の歓声」では、印象的なギターを表面に出すなど、曲によって工夫が見られるのもいい。

 アルバム後半は、甘めの6.「ネヴァー・ゴナ・レット・ユー・ゴー」から始まり、テンポ感よくヴォーカルを聴かせる7.「ロール・ミー・オーヴァー」と続く。聴きどころは、泣きのギターが印象的な表題曲の8.「夜明けのダンサー」で、その当時にシングルとしてヒットしても不思議ではなかった1曲だと感じる(売り込み方が悪かったのだろうか…)。アップテンポの9.「カム・アンド・テイク・マイ・ラヴ」を挟んで、上記3.と並んでAOR曲の見本のような出来の10.「デイズ・アンド・ナイツ」でアルバムは締めくくられる。

 以上のように、いわゆるAOR系が好きな人には絶対に外せない1枚である。余談ながら、オリジナルの盤ではバンド名(チャイナ)の文字に陰陽のシンボルというシンプルなジャケットだったが、なぜだが日本盤では、窓際の裸の女性の写真(わずかに陰陽のシンボルの透かしが入っている)に変更されている。


[収録曲]

1. You Can't Treat Love That Way

3. Fast Livin'
4. There Was a Time
5. Shootout in the Parking Lot
6. Never Gonna Let You Go
7. Roll Me Over
8. Little Dancer
9. Come and Take My Love
10. Days and Nights

1981年リリース。




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