ダイビングガイドの屋久島移住日記

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太平洋を大回遊



北太平洋に生息するアカウミガメの唯一の繁殖地は日本です。
しかし、不思議なことに子ガメや未成熟個体は日本近海ではほとんど見られません。
アカウミガメがどこで成長しているのかは謎でした。
ところが、謎を解明するニュースが飛び込んできました。
1985年に沖縄から標識放流したアカウミガメが、1987年にアメリカ・サンディエゴ沖の
漁師の網に入ったというのです。
放流時、体長17.5cmだった子ガメは約2年で68cm程に成長していました。
また、1988年に沖縄から標識放流されたアカウミガメが1994年にメキシコで発見されています。
どうやら日本で産まれたアカウミガメの子供達は、
1年半から2年の年月をかけて太平洋1万キロの旅をしているらしいのです。

アカウミガメについては、アメリカやメキシコの研究者も疑問を抱いていました。
カリフォルニア半島の海で見つかるアカウミガメは甲羅の長さが40~70cmで、
子ガメや成体は見つかっていませんでした。
しかも、カリフォルニア半島付近にはアカウミガメの産卵地はありません。
そこで、メキシコの研究者が1994年にカリフォルニア半島沖からアカウミガメを標識放流したところ、
そのウミガメは1995年に日本の徳島県で発見されました。

こうした調査を積み重ねた結果、日本で産まれたアカウミガメの子供達は太平洋を横断してカリフォルニア沖に渡り、
成長して産卵のため再び日本に戻ってくることが解明されつつあります。
それにしても、なぜカリフォルニア沖まで旅に出るのでしょう。
その理由は、ここが非常に豊かな海で食べ物が豊富だからです。
アカウミガメだけでなくザトウクジラやカリフォルニアアシカ、クロマグロまでやって来て、その恵を受けているのです。

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