ダイビングガイドの屋久島移住日記

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今後の課題


ウミガメがオスになるかメスになるかの性決定の鍵をにぎるのは温度です。
孵化途中の砂の温度が29度だと性比が1対1。
それより高いとメス、それより低ければオスに偏ると言われています。
温暖化が進めば、新しく生まれるウミガメはオスが極端に少なくなってしまうのではないでしょうか。
「種の存続」の危機になるのでしょうか。

卵の移植と子ガメの放流
ウミガメは未だ生態がよく解からず、謎が多い野生生物です。
最近の研究により、移植や放流は保護になるどころかウミガメの生存に悪影響を及ぼしかねないことが解かってきました。
卵を移植してもその方法を間違えると、卵が孵化しないことが解かってきました。
移植によって卵の天地が変わると、胚が死んでしまい孵化がみられません。
また、放流がウミガメ保護に逆効果であると予想されるのは、次の理由からである。

1. 人間の都合で昼間に行われる放流は、夜間の自然孵化に比べ捕食者によって食べられる確率が高くなる。

2. 砂から脱出した子ガメはほのかに海の方が明るいことを手がかりに、一気に海を目指します。
その過程で移動している方角と磁場との関係を学習し、海に出ても、沖に向かって泳ぐことができると言われています。
人の手によって放流されると、本来子ガメの時期に身につけなければならない野生の行動が習得できず、沖に向かってうまく泳げない可能性がある。

3. 砂から脱出した子ガメは、捕食者が多い沿岸域からいち早く遠ざかるために脱出後約24時間だけは、休むことなく泳ぎ続けます。
しかし、事前に確保された子ガメは、孵化直後の一番活発な時期を逃したため遊泳力が低下し、沖までたどり着ける確率も下がります。

ウミガメが産卵に戻ってくるまで2、30年かかると言われています。
つまり、ウミガメの繁殖を阻む要因が生じても、それがウミガメの産卵頭数に反映されるのは20年以上を要するわけで、
ウミガメの保護を科学的に検証しながら実践していくには、長い時間が必要になるのです。
何がウミガメの保護になるのでしょうか。
ウミガメ達が安心して産卵のできる海岸や卵が移植されなくても無事に孵化できる海岸、
そして、すべての生物が生きていける自然環境を維持することが本当の保護になるのではないでしょうか。

ウミガメが絶滅しても、私達の生活に影響はないように思えます。
しかし、人間が動物であり、地球で暮らしている以上、動物や植物、さまざまな生物が複雑に絡み合い共存しているのです。
ウミガメの絶滅が、人間の生活には無関係ではないとは言えません。
みなさんが、ウミガメに限らず、地球にできることを考え、行動していただけたら幸いです。


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