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小話  屋台その2  VOL.141


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『アリスの大豪邸』第4部 ACT.140


Profile

ブルーアイ.

ブルーアイ.

2005.03.01
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「グーーーーーーーーー!(腹の虫)」





”もう一人”のアリスのお腹が鳴りました。

もう1人「こんな時にぃーーーーー!
もう!
なら、このスティックで……。

えい!食べ物!出ろ!
ショコラ!ケーキ!ラーメン!うどん!……」





 何も出ません!






「出ろ!出ろ!食べ物!お腹減った!出ろ!出ろ!」











「きーーーーーーーーーーーー!!」




 かんしゃくを起こして、そのスティックに八つ当たりしました。床に叩きつけようと、それを振り上げました。
大変です!!
このスティックも壊されてしまうかも……。

「待って!私がやれば、”願い”はかなうかも!」とアリスは大声で言いました。

”もう一人”はすんでのところで投げるのを止めました。
「え?」
「だって”私の”スティックでしょ?私がやれば出るかも知れないわ!」


「ふーーーーーん」といった顔を向ける”もう一人”。

「まーーーー、なんだ。
無駄だとは思うが……」



「やってみる価値はあるかもしれないな……。」




 ひょいと乱暴にスティックを差し出します。
アリスはそれを受け取りました。これで無事スティックは手元に戻りました。
今なら相手を”豚”にする事も出来るかも知れません。

「ちょっとはやく!食べ物を出しなさいよ!」











「ぐーーーーーー!(お腹の鳴る音)」





 アリスのお腹もかわいく鳴ってしまいました。アリスは恥ずかしさで顔が真っ赤になるのが自分でも分かりました。


「いつまで、待たせるのよ!早くしなさいよ!」
「…………。……食べ物って言っても、何を出せばいいの?!」
「”かに鍋”よ!”かに鍋”!!!」
「……??????」




 今までの経験から……、”お願い”をする時は、どうも真剣に頭の中でそのイメージを作らなければならない気がしていました。
”かに鍋”ではイメージが複雑すぎます。きっと失敗するでしょう。
アリスは単純な形状の物をイメージしようとしました。

「おいしい”ビスケット”を出してください」
そう言ってアリスはおいしいビスケットが出てくるように”お願い”してみました。





ポン!





 アリスのエプロンの胸のポケットに、焼きたてのビスケットが出現しました。

「まっーーーーーたく!何を出しているのよ!こんな”安っぽい”物出して!」
とか何とか言いながら、”もう一人”はアリスのポケットからビスケットを全部取り出そうとしました。

「ちょっ、ちょっ、…いったい何を?きゃーーー、やめて!えっちーーーー!」
「なにが女の子同士で”えっち”なんだよ!」
そう言と、最後の1枚までビスケットをつまみ出し、小走りに走って行きました。
そして、部屋の隅の方にしゃがんで、1人でそれを食べ始めました。




 ガツガツガツ!




 アリスは呆然としていました。……あきれて、どうする事もできませんでした。
「(あの女の子は、やはり”お化け”か何かかしら?……)」


 やはりあの時、スティックに”お願い”していてよかった。”怪物、妖怪”でありませんようにと……。

「(だから、一応、人間の姿になったんだ……。やっぱり元は”怪物”かも……。)」
そう思いました。





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Last updated  2005.12.06 04:51:48
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