ジャズの神様の思し召しのままに

ジャズの神様の思し召しのままに

2007年06月17日
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テーマ: Jazz(2022)
カテゴリ: ★★★★☆
この作品、音楽の内容よりも寺島靖国氏のライナーが面白い。寺島氏は「音の鉄砲玉を聴いて10才くらい若返ってしまった」らしい。再春館製薬のドモホルンのような効能があるそうだ。その理由は「音がでかい。ジャズのCDは音がでかくなくてはいけない。そのテーゼをこのCDはまず最初に120%クリアしてしまっている」かららしい。このCDの録音レベルって、そんなに高いかなー?でも、デカい音で聴くと楽しいディスクであることには間違いない。寺島氏は「音が飛び散らないとジャズはつまらないのだ。トランペットの先端音の飛び散り、他のあらゆる楽器がその音を飛び散らせている。それを着実にとらえられるのが現代の録音技術なのだ。」と書いているけど、我が家の安物オーディオではナロー・レンジの録音で昔風の音に聴こえるんだけど・・・。思い切ってモノラルでもいいんじゃないの、といった感じなのだ。これがご自慢のカタツムリ、じゃなくて「アヴァンギャルド」で聴くと「音が飛び散る」んですね。ふーん・・・。

結局、この作品の製作意図は50年代のブラウン=ローチ・クインテットのリメイクにあり、ライアン・カイザーも憧れのブラウニーに喜んでトリビュートしたのだと思うが、偉いなーと思うのはライアンがブラウニーとは付かず離れずなスタンスで臨んでいるところだ。再演盤を「もの真似」と批判する意見に対して、寺島氏は「くそくらえ、と言いたい。それなら、あなた方はローチ・ブラウンのオリジナル演奏を毎晩聴いているのか。」と完全に逆ギレしてしまっているが、このあたりは楽器いじりをしている立場で考えると実は面白いのだ。自称「ジャズ・トランペッター」の猫麻呂氏としてはですね、ブラウン=ローチ・クインテットというのは本当に「教科書」なんですよ。恐らく全てのコンボ系ジャズ・トランペッターはブラウン=ローチの有名曲でのブラウニーのアドリブを口ずさむことが出来るはず。それ位聴きこみますから、逆にその呪縛から離れるのに努力も必要なんですね。そこでライアンはどうかというと、「教科書で学び、教科書を捨てたことを踏まえて、あえて教科書を語る」という楽しいことをやっているということになる。製作者の意図は安易なものだったかもしれないが、結果的には複雑な構造を持つ興味深い作品となるのである。ただし、演奏内容的には、教科書を100点とすると、ライアンの演奏は75点くらい。やっぱり教科書は神がかっている。

猫麻呂ポイント:★★★★☆(4.5)
The Quintet / Jordu (VideoArts)
Jordu





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最終更新日  2007年06月17日 11時33分39秒
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