こうやって、文献だけでブログを書いていると、どこぞの大学職員で自称ジャズ評論家の先生のようになってしまうので、ちゃんと聴いたことも書いておこう。第一印象としては、「手堅い演奏」というイメージだ。ポール・カーは破綻も脱線もせず、ひたすらジョー・ヘンが憑依したかの如く吹きまくる。あまりにもマジメにジョー・ヘンをやるので、逆にジョー・ヘンの飄々としたところが消えてしまい、「ジョー・ヘン聴くなら本家で聴くワイ」という気がしなくもない。こうして危うくお蔵入りしそうになったところで、ポールがジョー・ヘンの追っかけをしていた話を思い出しながらもう一度聴いてみた。すると、ポールのジャズへの想いやジョー・ヘンへの思い入れが伝わってくるのだ。ポールをひとりのジャズマンとして見ると、この作品のアプローチは残念ながら月並みであり、内容は悪くはないが取り立てて大騒ぎするほどのものではない。しかし、ジョー・ヘンの追っかけをしていたポール少年が二十年程後になって、ジョー・ヘンから貰ったサインをタイトルにしたトリビュート作品を作るなんて、ジャズオタとしては最高の花道ではないだろうか。そう、ポール・カーとは一種のジャズオタなのだ。そう思って聴くと、ひとつひとつの音に想いが詰まっているようで、感動的ではないか?特に最後の"If you could see me now"の無伴奏演奏はジーンと来ますよ。いやー、メルヘンですねェ・・・。