HAVE A NICE DAY

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2007.05.15
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カテゴリ: book



「陸行水行」は邪馬台国研究をメインにして、郷土史家二人が水死した謎をさぐるミステリー。膨大な資料を読み込んで綿密な調査・研究を重ねたであろう邪馬台国論を地味な大学講師に語らせた短編に仕立てている。長編あるいは論文にもなるような題材をもったいないなぁと思うが、この作品が後の「古代史疑」の発端になっている。出てくる地名は近隣の知った所行った所ばかりということもあり、邪馬台国九州説の立場をとるこの作品は印象深くて何度読み返しても面白い。

清張が学歴コンプレックスを抱えていることは作品中に散見される。そのせいか医学をテーマにした作品は「皿倉学説」の1作しかない(らしい)。教授名の「採銅」と「皿倉」は奇抜だがどちらも北九州近くの地名で福岡県人としてはニヤリとさせられる。また、ラストはQ大の生体実験事件を匂わしている。出身地だけでなく清張は地名には並々ならぬ興味を持っていたようで、地名を鍵にした作品も多い。

「笛壷」は延喜式の研究家、「粗い網板」は新興宗教の内偵警官、どれも地道に しかし凄まじい情熱で研究する男たちの執念やルサンチマンを描いている。それを「偏狂者」と言い切った文庫タイトル(by角川書店)もすごい。

編輯(へんしゅう)、愛著(あいちゃく)、聯想(れんそう)、遺蹟(いせき)、といった旧漢字使いで書かれてルビがついているのも味わい深い。どれも短編とは思えない読み応えでずっしり腹いっぱい、いや頭いっぱい。


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<今日の読書>
狼花 / 大沢在昌

<今日の音楽>
BON JOVI  original
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Last updated  2007.05.17 19:15:43
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