HAVE A NICE DAY

HAVE A NICE DAY

2007.07.26
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カテゴリ: book


朝鮮行きに無理やり同行させられ2年近くを一緒にすごした新橋芸者の光香が語る伊藤博文。光香21歳、統監66歳。「統監のしつこい夜のつとめ」だの「おじいちゃんとの無理心中はまっぴらだ」だのあっけらかんと胸中を明かしている。一方、日本の強引な政策に批判的で、朝鮮の王様が気の毒だと同情している。公文書からの引用が多く、妃暗殺から日韓併合へ渡るいきさつとその裏側がよくわかる。最後の文章が光っている。

「月光」  
美貌の俳人・橋本多佳子を小説家志望の「自分」を語り手として描く。彼女自身は謎が多く噂話が中心となっていて、彼女にしつこく言い寄る既婚男とその愛人の自分勝手な生き方が印象に残る。

「河西電気出張所」 
作者は川北電気小倉出張所に三年間勤務したことがあるという。日々黙々と働き、なんの楽しみも出世の望みもない給仕の少年はかつての清張だろう。上司へのそこはかとない恨みが重い。小倉から別府へ遣いに出された時、初めて温泉につかり地獄めぐりをして半日のびのびと遊覧。それはやがて騒動のもととなるが、束縛と憂鬱からの解放感は忘れがたい喜びだったと結ぶ。 

「背広姿の変死者」  
自殺を決意した男の過去語り。誘因と原因をくどくどと語っている。漠然とした不安から死を決意するまでの心の動きが周囲の人間への思惑を交えてつづられる。勝手に死ねば。。。

やっぱり清張はおもしろい。読書の原点は 清張とポー。






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<今日の読書>
九時から五時までの男 /スタンリイ・エリン
月光 / 松本清張 (読了)

<今日の音楽>
Accademia Bizantina / Vivaldi : Le Quattro stagioni
Cheap Trick  / Silver







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Last updated  2007.07.27 15:16:17 コメント(2) | コメントを書く


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