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テーマ: 本日の1冊(3749)
カテゴリ: 今日読んだ本
評価(三つ星採点):☆

太田出版 ; ISBN: 4872332792 ; (1996/05)

久しぶりに、ひっぱり出してきて再読。
初めて読んだ時は、おお!とか思ったものですが、今となっては流石に粗が目立ちます。

今の視点から考察すると、この本の目的は、ええとこのボンであるにもかかわらず「デブなおたく」としか世間で見られなかった岡田斗司夫が、一丁口先三寸で世の評価を変えてみせたろかと企んだプロパガンダ本なんだろうと思います。

そして、その意図はある程度成功して、先端的でクールなオタクは世界の憧れみたいなイメージを世に配信することが出来ました。その為か、この本をオタクの目指すべき道を示したバイブルであるかのように語る人を時々見かけますが、まあ程々にねと言いたいです。

著者はSF芸人の時代から、見事に一発芸を決める人ではありましたが、天才肌ありがちな脇の甘さというか、地道な検証を苦手とする人でもありました。

この本も例外ではありません。
それを『「匠」の眼』の章『ストップウォッチのシナリオ学』を例としてみてみましょう。


著者によると、これはしんどい作業だが非常に有意義な作業だそうです。
この本を初めて読んだ時に、私が物事の裏まで見抜くおたくの眼力に感心した箇所でもありました。

だが、ちょっと待って欲しい。

そもそもハリウッド映画は、決められた定式の中で作られているので、ストップ・ウォッチ片手に見れば、その構造が現れるはあたりまえ なんです。
(暇のある方は、『三幕構成』、『ハリウッド』あたりでググってみてください。)

しかも三幕構成で書かれた脚本でないと、脚本を検討すらしてもらえないというのは有名な話で、それに対する批判が生じたのも 半世紀近く前 だったりします。

この本には、そんな話は全然出てきません。脚本とかメディアの事を少しでも齧った人が読んだら、憐れみを持って苦笑したでしょうね。

さて、こんな本を書いていた岡田斗司夫さんも、その後『東大非常勤講師』を務め、肩書きにもコレを使っていた時代がありました。そのゼミ内容を本にしたのが、『東大オタク学講座』講談社 ; ISBN: 4062082926 ; (1997/09)と『東大オタキングゼミ』自由國民社 ; ISBN: 4426767008 ; (1998/04)です。

この本も、読んでる間は抜群に面白いので買って損はないのですが、まあ眉に唾をつけて読んで欲しい、検証の甘い内容が色々あるから。

『東大オタキングゼミ』をみてみましょう。

『瀬戸内海にある「レオマワールド」をあげて説明したいと思います。』
『それで、そのレオマワールドという、瀬戸内海の島に浮かぶテーマパークというのが、「レストランには和洋食全ての料理がそろう」というのが売り文句のひとつだったんですね。』

実際のレオマワールドは、どう見ても山の中です。ろくに調べてないのがまる分かりです。ありがとうございました。

岡田斗司夫さんには映画『ID4』の紹介で、アメリカ大統領が押入れから戦闘機のヘルメットを取り出して小脇に抱えて演説をするおバカな映画と紹介した、幻のヘルメット事件がありまして、どうも脳内でこうあれば面白いと思った事を勢いで書いちゃう習性があるようです。

香川県民としては、この幻の『海のレオマ』が瀬戸内海から浮上して、実際にある『山のレオマ』と取っ組み合いのプロレスしてくれるのが夢ですとヨタを飛ばして終りにしたいと思います。

p.s.






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Last updated  2006.01.14 23:54:50
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