書評日記  パペッティア通信

書評日記  パペッティア通信

PR

Calendar

Comments

山本22@ ブランド時計コピー 最高等級時計 世界の一流ブランド品N級の…
山本11@ 最高等級時計 店舗URL: <small> <a href="http://www.c…
よしはー@ Re:★ 小島毅 『近代日本の陽明学』 講談社選書メチエ (新刊)(09/26) 作者の独善性、非客観性をバッサリ切り捨…

Archives

Nov , 2025
Oct , 2025
Sep , 2025
Aug , 2025
Jul , 2025
Jun , 2025
May , 2025
Apr , 2025
Mar , 2025
Feb , 2025

Freepage List

Keyword Search

▼キーワード検索

Apr 17, 2005
XML
カテゴリ: 社会
本日は、しょうがないので書評をやめて、反日デモについてかく。
やりたくないんだけどねえ。

だいたいなあ、日本のマスコミとウヨクはバカか?
なんじゃこりゃ。↓
毎日:「愛国無罪はええじゃないか」
http://www.mainichimsn.co.jp/shakai/wadai/news/20050414k0000e070076000c.html


讀賣も産経は、論外だからまあいい。
煽られて騒ぐ連中は、本当にバカではないのか?とおもってしまう。

要するに、中国でふきあれる「愛国無罪」は、

という叫びなんだそうだ。
愛国だから許されるという意味なんだそうだ。
それで焚きつけられて怒っているらしい。

バカも休み休みいえばいい。
そもそも「愛国無罪」って、主要な出典が分かってるか?

1936年11月23日、「七君子事件」というものがあった。
そのころ国共両党は、内戦の中にあった。
それを憂い、国民党と共産党の一致団結と抗日をもとめていた、
全国救国会運動の指導者たち。かれら逮捕されちゃった。

国民党は、彼ら救国会の運動を共産党の運動とみなしていたのですな
(実際、繋がりのあった人は多かったのです)。

それだけではない。
かれら逮捕された「七君子」たちを救え!!。
救国会の陰のリーダーであった孫文夫人・宋慶齢は、
「救国入獄運動」を大々的に展開することになる。

つまりですな、「愛国無罪」という標語と、


「愛国には罪はない。もしあるとすれば、われわれも犯罪者なのだ。われわれを逮捕しろ!!国を救うためにみんな七君子とともに入獄しよう!」。

その後、西安事件がおき、潮流がかわる。かれら七君子は、日中戦争開始後釈放されることになる。36年12月の西安事件とともに、無茶苦茶有名な事件です。

一言で言えば、「愛国無罪」は由緒正しい、
反政府運動のスローガン なんですよ。
あんまり知らないでしょう。

「愛国無罪」をかかげるとき、
それは中国では「7君子」にまつわる政治儀礼の再演に他ならない。
「われわれが暴れるのは愛国の心情からだ。官憲は邪魔立てするな」
のはずがないじゃないの。
後段の「救国入獄」が略されていることくらい、バカでもわかる。
政府ならなおさら。
そして、そこで「愛国無罪」を掲げてデモが繰り広げられるその意味。


「愛国をかかげる我々を逮捕できるなら逮捕してみるがいい」


これ、「中国政府への挑発」以外の何があるんかいな。
マスコミはアホか。意味がまるで逆であることを知らない。

「愛国無罪」は、中国政府に向けたデモ隊の脅し「でも」あることをまるで理解できていない。なぜ、「愛国無罪」「救国入獄」は問題になるのか。なんで中国政府は、デモに弱腰になってしまうのか。あたりまえだ。「愛国無罪」のもつ以下のテクスト。そこの「愛国」の部分に「投石」や「不買運動」、「七君子」の部分に「投石した犯罪者の逮捕」とやらを入れてみたらいい。

↓↓↓↓


「七君子を救おう!。愛国には罪はない。もしあるとすれば、愛国心をもつわれわれも犯罪者なのだ。われわれを逮捕しろ!!国を救うために七君子とともに、みんなで入獄しようじゃないか!」


↑↑↑↑

不買運動や投石くらいならまだいい。
これを「日本人狩り」にかえたらどうなる?
おまけに反政府運動に火をつけた上で、やられてしまった日には。
中国政府は対応できない。
てか中国人はやりかねないのだな。
不満がマグマのようにたまってることは、今さらゆうまでもないでしょう。

日本人を殺害して、「愛国無罪」をとなえ居直る「君子」。
それを讃え「救国入獄」をとなえてデモをやる人々。
想像してみたらいい。
今のおぞましさの比じゃない。

しかも、逮捕したら最後、中国共産党は国民党と同じことをした政権になりさがることになる。だから、反日デモという名の反政府運動を鎮圧しない。自然鎮火をまつ。その証拠に、政府が拘束したとされる、上海殴打事件で拘束された人の「名前を明らかにされていない」ことをみたらいい。されてしまったら、いったいどうなってしまうのか?

尖閣諸島に上陸して強制送還された中国人みたいに、
「君子」よばわりされちまうでせう。
記憶にあたらしいことでしょう。
ありゃホントに不愉快じゃった。

白状すると、評者はこの反日デモが楽しみで楽しみで仕方がない。
個人的には、「救国入獄」がどのような「変奏曲」となるのかが知りたいからだ。
これが、「業」というもの、なんでしょうね。

中国は非民主的、反日的という。それは正しい。
しかし、歴史をよくみてみることをすすめたい。
戦前日本。
反日にみえた国民党に暴支膺懲を叫んで、よりタチのわるい共産党を招いた。
共産党を叩くのはいいさ。
でも共産党よりタチのわるいやつらを招くことにもなりかねん。
中国人のカウンターエリートは、共産党エリートよりタチが悪い連中でないと断言できるのですか??
わたしにはそんな勇気はありません。

北宋は、遼に圧迫された恨みつらみから、金と同盟を結んで遼を滅ぼした。
そしてその金に北宋は滅ぼされた。
南宋は、金に圧迫された恨みつらみから、元と同盟を結んで金を滅ぼした。
そしてその元に南宋は滅ぼされた。

あんまり野暮なことはいいたくないけど、
歴史はくりかえさせるのだけは止めて欲しい。
まったく。

というわけで、明日から書評レビューに戻りたいとおもいます。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Nov 4, 2006 03:08:35 PM
コメント(8) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:「愛国無罪」は「救国入獄」の夢をみるか?:中国反日デモ「愛国無罪」の意味を知らない人たち(04/17)  
alex99  さん
いや~、勉強になりました。
愛国無罪はそういうバックグラウンドがある言葉だったのですか。
私は中国の歴史に無知で、これは恥ずかしい。

(Apr 17, 2005 10:43:32 PM)

なるほど  
Sanzo-  さん
 そういう意味が合ったのですね。私は、スローガンのまま受け止めていました。でも中国人も知らない人多かったりして。
 ありがとうございました。 (Apr 18, 2005 12:19:53 AM)

Re:なるほど(04/17)  
春秋子  さん
Sanzo-さん
> そういう意味が合ったのですね。私は、スローガンのまま受け止めていました。でも中国人も知らない人多かったりして。

そういう人は多いかもしれませんね。
今度聞いてみます。 (Apr 18, 2005 10:57:17 PM)

ありがとうございます。  
ealst さん
なるほどそういう視点があったのですね。
私も字句通り受け取ってました。 (Apr 19, 2005 11:45:29 AM)

うーむ  
maru さん
中共が亡き後、あの国は速やかに群雄割拠の内戦状態になるでしょうしねえ・・・。
あれだけの人口を抱えている国ですから、そうなった場合の日本への影響は図り知れない。
もっとも、かといって現状のまま放置するのもアレだし、本当に困ったものだ。 (Apr 20, 2005 12:12:44 AM)

失礼いたします。  
ealst さん
http://blog.goo.ne.jp/ealst/

もし気にいらない点があれば、削除などしますので、ご連絡ください。tbはしていません。 (Apr 21, 2005 12:21:56 PM)

ですが・・・  
grebe さん
なるほど、勉強になりました。
ですが、ニュースの映像を見た限りでは、デモ隊と警官らの間に緊迫感はなく、むしろは馴れ合っているように見えました。女性がきゃあきゃあと嬉しそうに笑いながら石を投げていたりする光景もありましたし。
元々の言葉の意味は意味として、今回のデモについてはそう深刻なニュアンスはなかったのでは?という気もします。楽観的に過ぎますでしょうか。 (Apr 22, 2005 09:46:52 PM)

勉強になりました  
i-demo さん
愛国無罪については全然知りませんでした。本当に勉強になりました。ありがとうございました。
(Apr 23, 2005 09:00:06 AM)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: