書評日記  パペッティア通信

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Aug 19, 2006
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▼  小泉首相の靖国神社参拝が15日行われ、余震が続いている。読売新聞によると、 首相の靖国参拝「支持」53% とのことらしい。


▼  ところで、このブログを読む貴方は、以下の内閣府調査について、どのように思うだろうか。この調査は、朝日新聞8月6日朝刊の日曜版にのっていたもので、世界同時調査らしい。


▼   「戦争が起きたら国のために戦うか?」

  中国      はい  89.9%  いいえ   3.1%
  イスラエル   はい  75.1%  いいえ  18.3%
  韓国      はい  74.4%  いいえ  25.3%
  米国      はい  63.3%  いいえ  25.5%
  イタリア    はい  51.8%  いいえ  34.4%


  日本      はい  15.6%  いいえ  46.7%


▼  総じて、侵略を受けた国が高い(ベトナムは中国よりも高い)。そして、第二次大戦で、枢軸国側になった国がとりわけ低い。朝日の特集では、「 日本は敗戦で付箋を誓った。この結果を『情けない』という必要はないと思う 」という、暖かい言葉で結んでいる。しかし、この調査は、前掲の「靖国神社参拝賛成派」が53%もいる、という調査と重ね合わせると、俄然、その意味がかわってくるだろう。なんと、 「小泉靖国参拝」賛成派の「3人中2人」、ヘタすると「6人中5人」 (なぜなら、参拝反対派にも国のために戦おうとする人はいるはずだから) が、「国のために戦わない」連中だったのだ!!!


▼  かなりショックな話ではないか。いったい、何のために、彼らは死んだのだろう。そもそも靖国神社は、国家が責任を持って、国家のために戦争によって死んだ人を祭る神社(BY 麻生外相)ではなかったのか。靖国神社という「国家のための死」を顕彰する神社へ、国家の指導者が参拝することに賛意を示しながら、国家のために戦おうとは、まったく思わない人間。そんな人間が、最低で「3人中2人」、最高だと「6人中5人」までいることを示す、内閣府調査と読売新聞調査なのである。「 自分の代わりに他人が死んでくれ 」「 自分は死にたくないけど、他人が死んでくれるならそれを顕彰してあげよう 」。そんな人間が、日本ではかなりの割合で増殖しているみたいなのだ。


▼  「日本は右傾化している!」「いや、普通の国のあり方に戻っているだけだ!」


▼  このいずれも、私は間違っていると思う。日本は右傾化してはいないし、普通の国にもなっていない。 ただ単に、日本人は、どんどん卑劣になっているだけ にすぎない。耐震偽装事件に始まり、ライブドア・村上ファンドなどにいたるまで、法の網をかいくぐって稼ごうとする人々の増殖。「勝ち組」「負け組」など、セチガライ雰囲気の瀰漫。そんな傾向と、軌を一にするかのように増える、ナショナリズム現象。 どうしようもなく、卑劣な人間だからこそ、「国家」の観念にすがる としか言いようがない事態の出現。国家のために死んだ人を思うことで、卑劣な自己を直視せず、隠蔽しているだけにすぎない。まこと、国家という遮蔽幕は、真実を見えにくくするものである。


靖国神社参拝者のほとんどは、「国家のために戦う」ことを口先では言うものの、実際「実践に移す」段階になると、ためらって何もしない連中にすぎない 靖国参拝右翼が、「国家のために戦う」かわりに行えることなど、「チマチョゴリを切り裂くこと」「靖国参拝反対派と喧嘩すること」ぐらいなのだ 。なんというか、情けないお話である。


▼  それを思えば、加藤紘一・元自民党幹事長の実家に放火した右翼は、なんと清清しかったことだろう!!  毎日新聞のコラムでは、瀰漫するナショナリズムとこの右翼に対して、 事件後、右翼陣営から「文化人らが過激な言辞を競い合うため、右翼は体を張るしかないと思い詰めている」といった声が出た などと、「過激な言辞」と「行動」を分けて、前者が後者を生み落としたという議論を展開している。そのためなのか、靖国参拝賛成派のブログなどでは、「彼らと自分たちは違う」と、右側の人々が躍起になって、言論の自由を否定した「放火右翼」の行動の批判さえ始めているみたいだ。ちょっとみると、マトモな議論のように思えなくもない。


▼  だが、それは違う。毎日新聞の社説も、過激行動を批判する「靖国参拝賛成派」の右翼も、常識に囚われるあまり、誤認しているのではないか?  両者とも、「放火した右翼」を批判することで、「放火した右翼」こそ、主張と実践を一致させた、倫理的存在であることを見落としてはいないか? そして、 「放火した右翼」を口先では批判する「靖国参拝賛成の右派」こそ、主張と実践を一致させず、他人には「国家」を強調・強制しながら、自分はその言説に隠れて、こっそり「国家のために戦わない」ことを永続化しようともくろむ、もっとも非倫理的存在 「放火した右翼」批判は、過激なナショナリズム言説こそ、「国家のために戦わない」アリバイ・免罪符を提供していることを巧みに隠蔽している が故に、弾劾されなければならないのである。  


▼  良く考えてもみよう。 「放火右翼」は、テロリストが守らなければならない、最低限の倫理的基準「 他人の命を奪う行動にでる場合は、自己の命もまた奪わなければならない 」を実践しているではないか。人を殺せるような所業をおこなう以上、自らも殺さねばならない。放火した直後に、割腹自殺しようとしたこと。この倫理性だけは、評価できる。ところが、どうだろう。過激なナショナリズムとやらによって、「靖国神社参拝」に賛成している人々は、そして「放火右翼」を批判する人々は、倫理性が存在するだろうか。「国家」という崇高なメッキが剥がれてしまえば、靖国神社に祭られた人々は、「人殺し」(そして「人殺され」の側面をもつ)でしかない。国家のため、「人殺し」(「人殺され」)になるのが嫌な奴が、そんな人の死を顕彰(または追悼)しようとすること自体、お笑い草ではないか。そして、「国家のために戦う」と口では言いながら、自衛官に志願もしないような人間も、倫理性のカケラも存在していまい。


▼  かつて、靖国神社どころか国立追悼施設さえ批判する 高橋哲哉の『国家と犠牲』(NHK出版) のレビューで、『「英霊」ではなく、「靖国の論理」の墓標こそ、靖国神社ではないのか』『高橋哲哉が提起すべきだったのは、靖国の廃棄ではなく、 靖国シンパたちが「靖国の論理」を正確・忠実・過激・徹底的に実践することだったのではないか 』と書いた。この気持ちは、8月15日をすぎて、ますます強くなっている。靖国問題とは、断じて中韓の外交問題ではない。靖国神社参拝賛成派の急増は、日本人の卑怯モノ化でしかない。 参拝賛成派でさえ「国家のために戦いたくない」からこそ、靖国神社が必要になる のだ。


▼  「靖国神社の論理」の一刻も早い、靖国シンパによる実践。これこそ、逆説的ながら、靖国神社を無用の長物にさせ、靖国問題の解決につながるだろう。右派の方々には、靖国神社参拝賛成にとどまることなく、徹底的な実践をお願いしたい。


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Last updated  Aug 19, 2006 05:47:49 PM
コメント(17) | コメントを書く


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それは2005年ですが  
慶次2000  さん
つい最近の調査では戦争が起きたら率先して戦うという
アンケート結果で、日本がもっとも高く40%越え
中韓がかなり低いという数字が出ています。

これは青少年に対して行ったアンケートですが。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/20060815/20060815_007.shtml

3カ国の共同機関調査というところがあやしいですが

高橋の靖国の本を以前読みましたが、どの国も追悼施設またそれに準じた施設をなくすという結論に導きたいのがみえみえで、つまらない本でした。

どうも靖国に関する書籍はこれは!というものがありませんね。
(Aug 19, 2006 09:10:35 PM)

「戦う」の定義  
久々 さん

つ「靖国論」
一方的な本だけど一応。

何処までが「戦う」かだな。
銃持ったり、船とか飛行機とか戦車に乗ったりまでか、
前線で残骸処理とか医療の手伝いとか物資輸送までか、
後方で必要物資を作ったり、外交など色々やることか、

多分殆どの人は一番上で考えてるんじゃないかな。でもナンセンスだよなぁ。
今の時代は人口を使った人海戦術よりも、情報、技術、経済力、外交能力が物を言う戦争だからなぁ。
(もっとも、どこかの国は「アメリカと我々が同時に核を使ったとしても、我々の方が人口が多いので、同じだけ死んでも我々が勝つ」とか言ってたっけw)

俺の場合は戦いたいけど、体力的に無理だから出来ることをきっちりとやる。
前線なら不発弾処理とか整備とか技術系がいいな。

後、新聞のコメントを取ってくるなら(@∀@)と大西はやめとくべきかとw (Aug 19, 2006 10:09:42 PM)

TBありがとうございます  
浪人 さん
日本人が卑怯者化しているという事に関しては否定しませんが、それと今回の加藤氏宅に対する放火行為を混同して、あのようなテロ行為を認めるのは如何なものかと思います。

まず第一に、主張と実践の一致と仰いますが、加藤紘一のような賞味期限切れの薄ぼんやりを攻撃したところで、政治的な意味合いなどは何一つ無く、伊藤博文公を殺害した、朝鮮の安重根とかいうテロリストの暴挙以下のものと言えます。

そしてまた、仮に加藤氏の言動に腹を据えかねて、今回のような暴挙を起こしたのだとしても、狙うならば彼1人にするべきであり、彼の家族、近隣に住まう人々を巻き込む可能性の高い、放火などといった行動は絶対に避けるべきと言えるでしょう。

第二に、今回のテロリストを批判する言論を、自らが国家の為に戦わない事の免罪符にしようと仰いますが、守る為に戦う事と、攻める為に戦う事とは、根本的に目的が違います。

加藤氏は確かに靖国参拝に反対を表明してはいましたが、参拝を賛成する言説を叩き潰そうと、国権を発動させた訳でも、靖国賛成派のところに、某朝鮮人団体の如くに嫌がらせを続けていたわけでもありません。

私は彼の事が心の底より大嫌いですが、彼はあくまで言論で勝負しており、それに対して我々が取るべき行動は、あのような卑劣なテロルでは無く、言論を以て彼を打ち負かす事であると言えるものです。

安易に暴力に訴える事と、守るべきものの為に戦う事を、一緒にされてしまっては困ります。 (Aug 20, 2006 12:33:15 AM)

続き  
浪人 さん
第三に、放火犯が「他人の命を奪う行動にでる場合は、自己の命もまた奪わなければならない」というテロリストが守らなければならない、最低限の倫理的基準を守ったとされていますが、あれは他殺の可能性が大と思われます。

http://tech.heteml.jp/2006/08/post_695.html #comments
http://tech.heteml.jp/2006/08/post_696.html #comments
http://tech.heteml.jp/2006/08/post_697.html #comments

詳しくは、上のブログのコメント欄をご参照下さい。

最後に、恐らく史上空前の役立たずではありましょうが、有事の際には命を捨てる覚悟は一応しています。

それを避け得る為の最低限の努力、例えばこのような馬鹿な行動を糾弾したり、戦争を抑止し得るだけの軍事力を持てと主張し続けたりはしますけどね。 (Aug 20, 2006 12:33:46 AM)

続き  
浪人 さん
第三に、放火犯が「他人の命を奪う行動にでる場合は、自己の命もまた奪わなければならない」というテロリストが守らなければならない、最低限の倫理的基準を守ったとされていますが、あれは他殺の可能性が大と思われます。

http://tech.heteml.jp/2006/08/post_695.html #comments
http://tech.heteml.jp/2006/08/post_696.html #comments
http://tech.heteml.jp/2006/08/post_697.html #comments

詳しくは、上のブログのコメント欄をご参照下さい。

最後に、恐らく史上空前の役立たずではありましょうが、有事の際には命を捨てる覚悟は一応しています。

それを避け得る為の最低限の努力、例えばこのような馬鹿な行動を糾弾したり、戦争を抑止し得るだけの軍事力を持てと主張し続けたりはしますけどね。 (Aug 20, 2006 12:34:57 AM)

すいません  
浪人 さん
すいません。

二重書き込みしてしまいました。

お手間ですが、削除お願いします。 (Aug 20, 2006 12:36:53 AM)

なんか切り口つまらんな~  
期待してたのに さん
まあどう見ても、今回の右翼は茶番。 

平成の板垣にでも加藤がなりたかったんじゃないかとまで無粋してしますが、役者が見劣りしすぎてる。 (Aug 20, 2006 10:19:40 AM)

ひきょーじゃなくすためには  
ごろ さん
日本      はい  15.6%  いいえ  46.7%

それは余りにもひどいですねー。
なので、小学校や、中学校の時点でお国のために戦いましょう~っていう教育をばっちりしていけばいいんじゃないですかね~。中国ばりに。そうすれば15年後には上位にランクインできるはずですよー。それで満足なんでしょ? (Aug 21, 2006 06:28:28 AM)

例の「富田メモ」の頃からROMしていました  
天誅っ子 さん
初めてお邪魔します。天誅っ子と申します。
今回のご高説、議論としては面白いですし理解できます。春秋子様が加藤邸の放火犯(と見られる)右翼(と見られる)男の行動を賞賛しているわけでも認めているわけでもないのはわかります。

しかし、外部から見れば、同じ「日本人」のカテゴリーに入る春秋子様が、あたかも外部から日本人全体を批判的に「卑怯モノ化している」(そのこと自体には私自身も同意しますが)とカテゴライズする、その先には、いったい何があるのでしょうか。

貴殿は靖国参拝には反対だから、あるいは無関心だから、そこにはカテゴライズされない、という姿勢ならば(間違っていたらゴメンなさい)、自身をまた別の「卑怯モノ」にカテゴライズすることに他ならないと思うのです。

私自身は、現状では非現実的なことであるとどこかでタカをくくりながらも、ありうべきこととしての予見しうる将来における日本国家が関わる戦争について、自らどのように身を処すべきなのか、未だ明確な答えが出せないでいます。
(Aug 22, 2006 12:44:17 AM)

ミサイル防衛は無駄で高いか?  
弱民 さん
北朝鮮のミサイル発射以来、ミサイル防衛システムPAC3について議論がされている。朝日新聞は「北朝鮮のミサイル」については極力言及せず、最初のデポドン発射のときは衛星打上げの失敗説で脅威を隠そうとした。ところが、今回の発射実験では「防ぎようがないから、PAC3などにムダ金を使わず諦めよう」と言っている。要するに,ミサイル開発の時間稼ぎを手伝っておいて、できた上がったら「殺されるのが嫌だったら逆らわないようにしましょう」と言っている.
 そこで東京の朝日新聞の愛読者に尋ねたい。
北朝鮮のミサイルは必ず東京に打ち込まれるだろう。それはあなたや身内に被害を与える可能性が高い。PAC3があれば5発に1発くらいは防げるとすれば、国は装備すべきでしょうか?それともムダ金を使わず犠牲者は諦めるべきでしょうか? (Aug 24, 2006 02:57:50 PM)

どうなか~  
Cosine さん
放火右翼がやった事は言論を暴力で封鎖する行為で、全く正当化できません。そして、右翼団体の連中がやることは、むしろ自分の所属する団体を顕示するための行為である事が多いのです。そしてさらに、国のために命を捧げて戦う行為と、この言論封鎖とは、全く違うレベルの問題だと思います。ちょっと辛口で申し訳ありません。このレベルだと「きっこの日記」と同レベルの電波だと思います。 (Aug 27, 2006 02:52:20 AM)

Re:ひきょーじゃなくすためには(08/19)  
春秋子 さん
ごろさん

>それは余りにもひどいですねー。
>なので、小学校や、中学校の時点でお国のために戦いましょう~っていう教育をばっちりしていけばいいんじゃないですかね~。中国ばりに。そうすれば15年後には上位にランクインできるはずですよー。それで満足なんでしょ?

教育を主張する貴方が「死ななければ」、教育を担当する人間が「死ななければ」、同様の卑劣さが繰り返されることがまったく理解できていない以上、まともな読解力がないとしか思えないのですが w

>久々さん。

> 俺の場合は戦いたいけど、体力的に無理だから出来ることをきっちりとやる。前線なら不発弾処理とか整備とか技術系がいいな。

そんな贅沢をいってるような人間が、国家のために死ぬ気があるなんて、冗談も休み休み言ってほしいです。そもそも役に立てるかどうかすら、怪しいものでしょう。役に立たない奴ほど、国家のために死ぬといいたがり、役に立つ奴ほど国家のためには死なないものです。高額所得者層が、国外に逃げ出せるように。

> 後、新聞のコメントを取ってくるなら(@∀@)と大西はやめとくべきかとw

う~ん、こういうことを言う人は、かならずといっていいほど、(@∀@)と大西以下の議論でしかできない人間ですな。(@∀@)と大西の議論の良い点を見つけられるようになって初めて、貴方は(@∀@)と大西と同レベル、もしくは越えたと判断します。がんばってください。
(Aug 29, 2006 01:28:13 AM)

Re:どうなか~(08/19)  
春秋子 さん
Cosineさん、こんばんわ。

>放火右翼がやった事は言論を暴力で封鎖する行為で、全く正当化できません。そして、右翼団体の連中がやることは、むしろ自分の所属する団体を顕示するための行為である事が多いのです。そしてさらに、国のために命を捧げて戦う行為と、この言論封鎖とは、全く違うレベルの問題だと思います。ちょっと辛口で申し訳ありません。このレベルだと「きっこの日記」と同レベルの電波だと思います。

「正当化」とはむしろ逆の議論であることをご理解ください。あらゆる思想は、相対化され「部分的」にしか正しくないでしょう。思想と思想の持ち主の評価とは、結局、現実に思想が実践に移されているかどうかでかしか判定しえない、と申し上げたのです。人を殺す人間は、自分もまたただちに殺すべきなのは、言うまでもないことでしょう。究極の相対化の行き着く先は、思想を主張する当人が実践したかどうかで判定されるべきではないでしょうか。

弱民様

>北朝鮮のミサイルは必ず東京に打ち込まれるだろう。それはあなたや身内に被害を与える可能性が高い。PAC3があれば5発に1発くらいは防げるとすれば、国は装備すべきでしょうか?それともムダ金を使わず犠牲者は諦めるべきでしょうか?

お答えする資格があるかどうかは分からないのですが、核爆弾が5発中4発も決められるなら、打ち込まれない外交レベルの方をなんとかして欲しいと思いますが…

また犠牲者が出ても、ミサイルで報復して欲しいとも思いません。

親戚のかわりに、北朝鮮や中国の人間を殺して欲しいですか?しかも、北朝鮮や中国の人間を殺すためには、ミサイル打たれても、キムジョンイルと同様に、特定の政治家が生き残ってなければなりません。

相互確証破壊戦略は、日本の政治家のキムジョンイル化であって、問題のようにも感じます。 (Aug 29, 2006 01:51:17 AM)

Re:TBありがとうございます(08/19)  
春秋子 さん
浪人さん、遅くなりまして申し訳ありません。

>あのようなテロ行為を認めるのは如何なものかと思います。

非テロ派の外在的論理でもって、テロ派を批判したくはないので、このような論理構成をとったのです。テロ派とは、畢竟「自己の殺害」でしか正統化しえないものであることの指摘は、批判でも賞賛でもありません。

>私は彼の事が心の底より大嫌いですが、彼はあくまで言論で勝負しており、それに対して我々が取るべき行動は、あのような卑劣なテロルでは無く、言論を以て彼を打ち負かす事であると言えるものです。

非テロ派である我々は、それが一緒にされたくないがための防衛的機制ではない限り、このような議論を推し進めなければならないことを心から望むものです。

>天誅っ子さん

まことに、洞察力には恐れ入っております。返信が遅れたのはまさに、そのためです。

> 貴殿は靖国参拝には反対だから、あるいは無関心だから、そこにはカテゴライズされない、という姿勢ならば(間違っていたらゴメンなさい)、自身をまた別の「卑怯モノ」にカテゴライズすることに他ならないと思うのです。

おっしゃるとおりとしか言いようがありません。戦争批判者が戦争に身を処すにはどうすれば良かったのか…まさしく戦後左翼が「転向」について延々と論じてきたのは、この別種の「卑怯モノ」ではなかったかについて、自省を重ねてきたからでしょう。私もまた、これらの議論を知っていますが、どう対処していいのか分かりません。

大西巨人『神聖喜劇』を何とか読み終えつつあります。
そこから、考えてみたい、と思っております。 (Aug 29, 2006 02:13:31 AM)

いまさらに  
haja さん
はじめまして。

いわゆる「保守派」の人間の言動と行動に不一致があること、ご指摘のとおりだと思います。
私自身その手の連中に嫌悪を感じる向きがある人間ですが、
若干、疑問を感じた点もあるので、今更ながら投稿させていただきます。

というのも、戦争から60年、良かれ悪しかれ国家間戦争の蓋然性が低くなった日本において、「戦争が起きたら国のために戦うか?」という質問と、「首相の靖国参拝を支持するか?」を、一致しなければならないテーマとして扱ってよいのかな、という点です。

あの神社が「国家のために戦う」人間の顕彰施設であることは事実ですが、支持者の中には「『既に』戦没した兵士の慰霊」、あるいは「中韓への反発」を目的としている人間もいると思います。

一年ほど前の中央公論で田中明彦氏が「戦争の激減した世界で「戦争の歴史」とどう向き合うか」なんて論説を書いていましたが、それこそ、そんな世界で「自分達がその葬列に加わることを意図して」今、あの神社に参拝することにリアリティがあるのかと。春秋子さんが議論の基点としている、二つの質問にはほとんど乖離が生じてしまっているのじゃないかな、などと思うのです。

まあ、回答者が意図してその設問の分離をやってるならいいんですが、
無意識のうちにやってそうなのがタチが悪いんですけれど。乱筆乱文失礼しました。 (Aug 29, 2006 04:23:16 PM)

Re[1]:TBありがとうございます(08/19)  
天誅っ子 さん
春秋子様
まずは、過分のお言葉を頂戴し、誠に恐縮です。

>(略)まさしく戦後左翼が「転向」について延々と論じてきたのは、この別種の「卑怯モノ」ではなかったかについて、自省を重ねてきたからでしょう(略)

私は勉強不足ですので、同じような議論は当然あると思いますし、おわかりになる範囲で結構ですので、むしろこの辺のことを教えていただきたいのですが、「左派」とか「リベラル」と自称し他称される人たちが「ナショナリズム」というものをどのように捉えるのか、が最大のポイントになるのだと思います。

一般的にいって(世界各地において)左派やリベラルはナショナリストではないかというとそんなことはまったくなくて、むしろバリバリの民族主義者が多いわけですが、日本の場合、ナショナリズムとか民族主義と言った途端に天皇制が「踏み絵」になってしまうのだと私は思っているわけです。そこをどうクリアーして日本とか日本人のアイデンティティを再構築していくのがいいのか(あるいは、いけるのか)――その辺に「国家がかかわる戦争」への身の処し方へのヒントがあるような気がしています。

あと、ふと思ったのですが、靖国神社に集う参拝賛成派のかなりの部分が、本気で小泉首相の「平和を愛する心の問題」というのを信じている可能性がありますね。こうなると、「卑怯者」とかいうレベルすら超越してしまっているのではないかと(笑)
(Aug 30, 2006 02:43:27 AM)

Re:★ 靖国神社参拝騒動が隠蔽する、「卑怯モノ」化する日本(08/19)  
赤司洋淡 さん
靖国神社を一つのシステムとしてみると非常によくできたラビリンスだといってよい。いまのところ特効薬のないウイルスのようでもある。生来、勉強の嫌いな人、面倒なことを避けたい人、IQの低い人などは、このウイルスからのがれることができない。ただ、このウイルスにも放射能物質並みの半減期があるので、遺族会でも英霊が曽祖父になれば状況が違ってくるだろう。大騒ぎしないのが問題解決のポイントではないだろうか。ものごとを理論的に考えられない人を説得するのは止めたほうがよい。
普通の若者を徴兵で戦場に駆り立てて戦死したらここにベルトコンベアーで送り込んで「あとに続く者」のために利用する。記帳するだけだから空席は無限にある。政府の富国強兵策もここまであくどくなるといかがななものか。普遍的道徳律=人間の良心に照らせば靖国神社の立案・実行グループは相当な罰当たりである。日本の歴史は古いが、明治政府の靖国神社は、いうなれば新興宗教であるから、それほど古くはない。われわれ人類は右往左往しているが資源の枯渇や地球温暖化などを考えると21世紀が人類最後の世紀になるかもしれない。われわれ日本人も出来るだけ早く過去の呪縛から脱却して、視点を新しくして地球人類への貢献を目指すべきではないか。過去を無視せよというのではない。しかし未来への展望をもつことは一層重要である。 (Sep 11, 2006 10:31:58 PM)

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