ココロの森

ココロの森

2008.06.28
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【内容情報】(「BOOK」データベースより)

死にたくないから生きているんだ。それでいいじゃないか。
いのちの実感を求めて。
いちばん聞きたいことを、いちばん聞きたいひとに聞きました。
田口ランディと、永遠の修行僧・板橋興宗。



「対談を終えて」
というあとがきの中で、田口さんは次のように書かれています。


 - * - * - * -

「あたりまえ」をつかまえようとして始まったこの対談。
行き着いたのは「ありのまま」でした。
人間の幸せは「あたりまえ」であり、あたりまえを感じるためには「ありのまま」でよいのである。
この「あたりまえ」と「ありのまま」がほんとうに難しいのです。
(中略)

うんと若いころ、私はあたりまえが嫌いでした。
あたりまえなんてつまらない。やっぱり特別がいいと思っていました。
(中略)
では、あたりまえではない人生とはどんな人生か。
波瀾万丈、恋も涙もあり、スケールの大きな、ドラマみたいな人生。
そう、それが「特別な人生」であり、あたりまえの対極にあるもの。


(この後、田口さんご自身が高校を卒業してからの激動の半生が書かれています)

こうして書けば、かなり波瀾万丈の人生と言えそうですが、私自身はそうは思っていません。
私を中心にして環境は変化していきましたが、私の芯の部分、私の心が変化したわけではありませんでした。
状況がどう変わろうと、自分というものは台風の目のように人生の中心にいて、なにが起こっても「特別」とは感じないものなんだなあ、というのが生きてきた実感です。

(中略)

環境が激変している時ほど、あたりまえに生活のリズムを刻むことが、嵐を乗り切る智恵であることを、やっといまごろになってわかってきました。
生きているということは、すごくシンプルな所作の積み重ねなんです。
そんなことを板橋さんと会話しながら一つ一つ確認して行きました。
そして「ありのまま」にたどり着いたのです。

最初「ありのまま」というのは、私にとって無責任な言葉に感じられました。
だって「ありのまま」がよいのなら、努力する必要もないし、進化する必要もありません。
(中略)
ずっと、お話をしていると「ありのまま」とはなにか、私と板橋さんではズレていることがわかりました。
そのズレが面白くて、私は板橋さんにしつこく質問を続けたのです。
いったいありのままってどういうことなのか、この手でつかまえたかったからです。

 - * - * - * -




「ありのまま」を文字通り「ありのまま」に見つめる事は
ほんとうに難しい事だと思う。
ついつい、ありのままに「受け止めよう」としてしまうのだ。

「これはこのままでいいんだ」とアタマで考えてしまうこと。
その時点でありのままは「ありのまま」ではなく
「ありのままに受け止めようとする観念」なってしまう。

事実をそのままに、なんの観念もなく真っすぐに見つめるというのは
現代人にとって、なんと難しい事になってしまったのだろう。


「いまの<いのち>を留守にして何かを求める、これが迷いの根元」




「極楽が楽しく、美味しく、暖かい、素晴らしいところだと思う事が妄想です。
現実とは、たとえばこうして机をたたくと音が聞こえる、というのが現実です。
(机を手でたたく)
ただ、それがどう聞こえるかはひとそれぞれです。
これ以外に、極楽も浄土もない。
この音は地獄ですか?極楽ですか?そのどちらでもない。
そのとき、そのときが<事実>であるということです。
(中略)
私が今呼吸しているのは、数百万年の間の遺伝子の結果としての呼吸です。
でもそれはあとづけの説明でしかありません。
それを実感として感じられるかどうか。
それは鈍感とか、鋭感とか感度の問題じゃないですよ。
現実の事実以外に、別に真実が何処かにあるんじゃないか、という妄念がふつういっぱいあるのです」



 - - - - - - -


「神仏を信じる」と言いますが、疑いというものがあるから、信じなければならないのです。
信じなければならないものほど、それは「事実」ではない、ということです。
信じきれれば疑問はない。事実だけです。


 - - - - - - -

例えば「海の水というものはどのくらい塩辛いのかな」と考えている人に、
誰かが塩水を持ってきて「これが海の水と同じ辛さの塩水だよ」といって飲ませる。
するとその人は「ああこの辛さか」と知る。
それが「信じる」ということでしょう。
でも「信じている」うちは疑っている事です。
信じているうちは本当ではない。
そのうちに越前の海岸にでも行ってホンモノの海水をひとなめする。
「ああこれが海の水か」とわかる。そしたら横浜でもどこでもさらに海の水をなめる気にはならない。求める気が起きない。
たったそれだけのことです。
でも人は、それがわからないので、何が本当なのかを尋ねる。
お釈迦様も気づいたのはたったそれだけです。
世の中に迷っていたけれど、世の中には何一つ迷いはない、と気づかれた。

それから私は、お釈迦さまは仏法を説かなかったように思う。
現実に悩んでいる人びとに、具体的に親切に相談に乗ってあげた。
いわゆるカウンセラーの役をなされた。
大局を見抜かれた上でのカウンセリングだったと思います。
仏法の論理ではなく、相手の身になって真実の道を説かれたと思います。

 - * - * - * -



『お釈迦様はカウンセラー』という最後の一節は、私も全く同感だ。
お釈迦様は、神様ではなく、本当に優しい「ひと」だった。

だから私は『仏教』ではなく、その『教え』に心惹かれるのだ。













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最終更新日  2008.06.29 14:46:25
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