ココロの森

ココロの森

2011.01.25
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前回 の続きです)

前回観た 「寿式三番叟」 は端折り、
今回もご同伴頂いた 紅ずきん様 と共に
長めの昼休みでゆっくり足腰を伸ばした後、午後の部開始。



<傾城反魂香(けいせいはんごんこう) 
 土佐将監閑居(とさのしょうげんかんきょ)の段 あらすじ>

名絵師・将監の閑居の竹薮の前で、村人たちが騒いでいます。
「田畑を荒らす虎が薮に逃げ込んだので敷地に入る許可が欲しい」
と言うのですが、日本に虎はいないはず。
現れた虎に足跡がないことで絵から抜け出たものと見抜いた将監。
弟子の修理之介が筆でその姿をなぞると、虎はたちまち姿を消します。
その功績を讃え、将監は修理之介に土佐の名字を与えます。

と、修理之介の兄弟子である又平夫妻がやってきて
弟弟子に名字が許されたことを知ると、
自分にも土佐の名を継がせて欲しいと夫婦で師匠に願い出ます。
生まれつき吃音で言葉がうまく出ない又平も
出ない言葉を無理に出して必死に訴えますが
何の功もない者に大事な土佐の名を継がせるわけにはいかず、
しかも貴人に仕える身である絵師は言葉が不自由では相応しくないと
師匠から無下に却下されます。

そこへ絵師仲間である狩野元信の君主の姫君が誘拐されたという報せ。
将監は弁の立つ修理之介を使者として送り込もうとしますが
又平は自分が手柄を立てて名字を得たいとの思いから
代わりに行かせて欲しいと弟弟子にすがりついて懇願します。
あまりの又平の執念に困惑する修理之介に、
又平の妻のおとくも「師の命令は絶対だから」と夫に言って聞かせますが
又平は妻にも侮辱されたと泣き叫びます。

どうしても名が継げないのなら
自害して送り名で、と最後の望みを託す又平。
庭の手水石に自身の今際の際の姿を描くと、
その執念から絵が御影石を貫通し、裏側へと抜け出たのです!
驚嘆した将監は、又平に土佐の名字を許すのでした。





障害を持つ主人公の苦悩を扱っていながらもコミカルで爽やかなお話。
ラストには吃音も完治し、めでたしめでたしなのですが

ただちょっとどもってしまうだけなのに
又平の人格を全否定するような師匠のいい様に観ているこちらが冷汗です。。。

でも歌舞伎でも文楽でも人気のある演目で上演回数も多いというのは
きっと観た人ならだれもが頷ける筈。
興味のある方はぜひ劇場まで足をお運び下さい。
TV放映や映像化は絶対されない演目だと思います。

今回の切りの太夫は住大夫さんでしたが
ホント、素晴らしかったです。
住大夫さんの情感たっぷりの語りは今までも大好きで楽しみでしたが
今回更にその技に魅了されました





 *   *   *




<染模様妹背門松(そめもよういもせのかどまつ)
 油店の段/蔵前の段 あらすじ>


油屋の娘お染と丁稚の久松は人目を忍ぶ仲。
お染の兄の多三郎は芸鼓おいとの身請けに熱心なあまり
強欲な質屋の源右衛門と
お染に横恋慕し婿になって店を乗っ取ろうと目論む番頭・善六に騙されてしまいます。
こっそり質入れした家宝の色紙と、貸した百両を
ふたりに巻き上げられそうになりますが
その窮地をお染の許婚である大店の山家屋清兵衛が救います。

だまし取った筈の色紙を取り戻され、
だまし取る筈だった百両の証文もイカの墨で書かれたものと見破られたふたりは
ならばと次はお染と久松の密通を暴いて婚礼を破談にしようと
久松がお染にあてた恋文を取り出し、清兵衛に皆の前で読み上げろと迫ります。
真っ青になる久松!
が、清兵衛は 前もって善六がお染に宛てた文とすり替えていたため
逆に善六が密通を暴かれた形となり、善六は暇を出されてしまいます。

息子の不始末を嘆き勘当しようとする油屋の両親を説得し
多三郎とおいとの身請けを申し出る清兵衛。

いよいよ年が明ければ婚礼間近という大晦日の夜。
間違いがないようにと蔵に軟禁された久松をお染が訪ねます。
両親には別れると言ったものの思い切れないふたりは心中を決意。
丁度その時、勘当されたはずの善六が蔵のお宝を盗みにやってきます。
佇むお染に「蔵の宝を盗んで夫婦になろう」と持ちかけますが
善六が蔵の鍵を開けた途端、待ち構えていた久松に当て身をくらい転倒。
胸騒ぎを感じてかけつけた清兵衛に捕らえられます。
再び出会えたお染と久松は手に手を取り、冥土の旅へと駆けて行きます。






実際にあった心中事件を元にした狂言を

善六が原作より更におちゃらけた憎めない役どころになっています。

解雇されても、悪事が露見してこてんぱんに恥をかかされても、
これでもか、これでもかとしぶとく何度も登場する善六には
思わず「またおまえか!!!」とツッコミたくなりますw


全体的にコミカルで面白おかしいという珍しい世話物ですが


一番のチャラ場は、恋文が入れ替わっていた場面で
源右衛門の口三味線と善六の語りで

「じゃじゃーん!「お染久松道行き本」ここにあり~~~~!」

という感じで派手派手しく久松(実は善六自身)の文を文箱から取り出すシーンがあるのですが
最初にフタをあけて取り出したのは、なんと 本公演のパンフレット ッ!!!(爆)

「ええ~~ 新春文楽公演
 「染模様妹背門松」
 大夫・豊竹咲大夫・・・」


なんて咲大夫さんが読み上げちゃうのがおかしいww

こてんぱんにされたシーンでは
昨今ワイドショーを賑わせた某歌舞伎役者の名前まで登場ww
いいのか、おなじ伝統芸能だけど www (≧m≦*)


これは楽日だけのサービスだったのでしょうか?
気になる所です(笑)






今回この善六を遣っていたのは大好きな勘十郎さん。
午前の部に続いての長丁場ですが、
ひとつひとつの仕草がとても人間臭く細かくて、
じっと魅入ってしまうとまるで人間が演じているかのような錯覚に陥ります。

特に油屋の切りの段では
大夫の咲太夫さん、三味線の燕三さんとの共演で
ワタクシ、夢心地でした









楽日ということで、帰り際に本公演のポスターを戴きました。

110124_1543~0001.jpg
(大きさ比較のため、右下にパンフを置いてみました。
 この大きさを部屋に飾ってたらちとコワいw)




以上、毎度の乱文長文文楽レポ、
最後までお読み頂きまして誠にありがとうございました<(_ _)>










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最終更新日  2011.01.26 23:55:29
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