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あれは2日前のことでございます。
日中遊びに出たクリは
日が暮れても家に戻りませぬ。
その日は午前様になるまで
待っていたのでございますが
諦め、戸締りをして就寝したのでございます。
それから眠りに落ち
白河夜船を漕ぐことどのくらい
経った頃でしょうか
微かに猫の鳴く声で
目を覚ましたのでございます。
時計を仰ぎ見ますと
午前三時過ぎ
私の休んでおりますのは二階
急いで階下へと降り
雨戸を開けたのでございます。
すると再び泣き声が
ニャ~・・・・
少し間をおき再び
ニャ~・・・・
か細い声が寝静まった
漆黒の闇にこだまするのでございます。
不思議なのはその声が
一向に近づいて来ないのでございます。
もしや魂だけが
ここまでたどり着き
呼んでいる声なのでは・・・?
まさか!
何処かにでも引っかかり
身動きが取れないのではありませぬか?
負傷しやっとのおもいで
近くまでたどり着いたものの
力尽き鳴くことしか出来ないのか???
などと寝起きの
まだ完全に覚醒しない頭で
思いをめぐらせるのでございます。
すると再び
ニャ~・・・
ん?
もしや!
再び二階へ戻り
雨戸を開けてみると
そこにはクリの姿が!
私が二階で休んでおりますことを
十分承知したうえでの
行動なのでございましょうか?
そうであれば
利発な猫でございます。
家に戻りますと
私どもの心配も気にせず
いの一番に
餌のあるところへ
しばしむさぼるように食事を
したのでございます。
その後は手足を洗い
体を拭いてやりますと
泥のように眠る
クリでございました。
「ふぁ~あっ」
遅くまで遊んでいた
クリは眠り足りない様子でございます。
おかげで私も眠うございました。
*本日もまだ
帰宅しておりません
心配なクリでございます。