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2011.03.02
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カテゴリ: カテゴリ未分類
民宿経営、炭焼きさん、動物カメラマン、などの多彩な顔を持つ

猛禽類調査員、というものがあります。
主に、イヌワシやクマタカなど希少猛禽類の保護のための
生息・生態調査、繁殖調査です。

日本国内でも、イヌワシが生息(繁殖)している地域は限られていて
特に岩手県の北上山地は、日本一の生息地です。

しかし、ここ20年で繁殖率はひとけた代に低下。
(ある年の例をあげれば、32ペアのうち3ペアの雛しか巣立ちに成功しなかった)

もしかするとゼロになるかも、という未曾有の事態になっているのです!
イヌワシの寿命は30年以上と言われます。
もしこのまま繁殖率の低下が進めば
確実に近い将来、日本の空からイヌワシの姿が消えることになるでしょう。

餌場(ノウサギなどが狩れる見通しの良い山地)と営巣地(岩棚や大木)の確保。
この2点が並び立たないと、イヌワシは生きていけません。
繁殖率の低下を招いている要因はいったい何なのか?
その理由には様々な要素があるのですが、
そんなことを議論している暇はないほど、事態は深刻なわけで
とにもかくにも、人間が考えつけるだけの対策を実施している、のが
現状のようです。


イヌワシの行動を記録したり、繁殖しているかどうかを確認したり
巣の補修をしたり、という
先にあげたような、繁殖率低下になんとか歯止めをかけるための動きです。

この時期は、繁殖に成功していれば
抱卵(卵を温めている)の頃。


調査、という仕事のほとんどは
双眼鏡や専用の望遠鏡、撮影機材などを構えて
ひたすら空を見る。。。
見晴らしのいい山の上に分け入り
遠くの稜線上にいる小さな黒い点(となって見えることがほとんど)を
見逃さないよう、ただ、空を見る。

そんな長い時間の中で、
イヌワシの姿が見えた時は
本当に心が躍ります。

※画面をクリックすると動画サイトにリンクします。

主が撮影したイヌワシの飛翔映像です。
イヌワシ飛翔
イヌワシ飛翔

イヌワシ飛翔2
イヌワシ飛翔2

これは、求愛のための飛翔(波状飛行)をしている様子です。
イヌワシ・ディスプレイ
イヌワシ・ディスプレイ


出現があれば、どのようなルートを飛行したかを記録したり
(地図上に線で書き込む~トレースという)
写真を撮ったり動画を撮ったり。
個体識別をして、どこのなわばりの個体なのか推定したり
ペアで求愛行動をするなど、繁殖につながる行動を確認したり。

私もかつて、下請けの調査員として
この仕事をやったことがありますが
とにかく双眼鏡に酔うのが(私だけ!?)つらかったです。。。
ましてや、繁殖の時期は真冬。
防寒対策をガッチリしても、しばらく外に立っていれば寒くて寒くて。

岩手県では、イヌワシの人口巣を設営したり
巣の補修(雪よけの屋根を設営)を人間の手で行う、といったこともやっています。

写真は、断崖にある巣までロープワークで降りて行って
巣の補修や調査をしてる時の様子です。
高所恐怖症の私としては、もう絶句。。。の状況です。
(崖の中程に人影が。。。見えますか?)
イヌワシの巣遠景小.jpg

巣の内部。小さなホネや羽が見えます。
イヌワシ巣.jpg


国内で650羽(2004年環境省発表)、絶滅危惧種、天然記念物のイヌワシ。
このような地道な作業の積み重ねで
イヌワシが護られている現実がここにあります。

まずは一度、その姿を自分の目で見てほしい。
「見たい」と思ってほしい、と
主は言います。

自分の住んでいるそばに、イヌワシという生き物がいること。
見慣れた空に、飛んでいるということ。
存在を強く意識する、ということ。

それが、
保護を考える時に、最も大切なこと、なのかもしれませんね。

自分の頭上に広がる空が
イヌワシが舞う空であってほしいと
そう願う人が、もっと増えていけばいいですね。






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最終更新日  2011.03.02 10:36:11
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