文豪のつぶやき

2005.08.28
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カテゴリ: 新撰組
香川敬三は狐の香川といわれた。狭量で陰険なところがあり、人に受け入れられるということがなかった。
水戸藩を追われるようにして脱藩し、これといった才もなかったが、土佐の中岡慎太郎に拾われた。中岡は大度量の人であったから香川が使えないことを知りながら、自分の手の内に加えた。自分を認めてくれた、と思った香川は大感激であったろう。
この点、性狷介なため、人に受け入れられない陸奥陽之助と坂本竜馬の関係に似ている。もっとも、陸奥は才能がありあまるほどあり、明治後、やはり度量のある大久保利通に見出され、のち外務大臣として日本外交史上その名を残した。
香川は中岡に拾われたおかげで明治後、何するでもなく立身出世、子爵から、伯爵になっている。中岡の陸援隊にいたことが箔になり、土佐閥として時流に乗ることができた。すべて中岡のおかげといっていいだろう。
その中岡を殺したといわれる新撰組が流山にいる。
香川は自分を拾ってくれた中岡の恩に報いるべく、流山攻撃軍に志願した。
香川は、本来ならば大将でいくぐらいの地位であったが、いかんせん軍才がない。
やむなく薩摩の有馬藤太の副将格として流山に向かった。
腹の中は近藤をはじめ新撰組の誅滅である。






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最終更新日  2005.08.28 06:13:05
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