文豪のつぶやき

2014.06.23
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カテゴリ: 人間
下駄君の友人の屑松君、若いころはいい男であった。今でいうイケメンである。
しかも喧嘩が強い。
ただ働くのが嫌いで、そのうえ酒乱である。
ずっとヒモ家業をやっていたが、年とともにその容色は消え、三十のころには七十の女性のヒモになっていた。
そしてその七十女性にも捨てられとうとうホームレスになってしまった。
彼は叔父がその筋の人ということもあり、繁華街ではブイブイといわしていた。

ある夜、酒に酔った勢いで日頃仲の悪かった男の家の家に押しかけ窓ガラスを自慢の拳でぶち割り中へ侵入した。
そして寝ていた男を叩き起こし、説教を始めた。
男ははあはあとうなずきながら、隙を見て警察に通報し屑松君は住居侵入罪で警察のお縄となった。


このころは屑松君はほとんど所有する金がなく、親戚、友人から見放され一人ぼっちだったのである。
留置されている警察では歯ブラシ一つ買えず、薄いつきあいであった私に連絡してきたのである。
「○○警察署の刑事の△△ですが」
この電話を受けた時、私は驚愕した。
当時私は高校で教鞭をとっていたので、生徒が何かやらかしたのかと思った。
刑事さんの話で事情が分かりまあそのままほおっておくわけにもいかず面会に行った。
初めて見る留置場の面会。
まさにテレビの刑事ドラマさながらであった。
とりあえず励まし、お金を置いてきた。
警察署の帰り、いろいろと考えさせられた。
ただ、留置場で面会室に入るということはそうそうないであろう。







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最終更新日  2014.06.23 09:39:31
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