文の文

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sarisari2060

sarisari2060

2004.05.06
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カテゴリ: やややばなし
朝、友人みどりさんから電話があった。開口一番「生きてる?」と聞く。そして「連休中のあなたのこと考えたら、息がつまっちゃったのよ。だもんで、生きてるかどうか心配になっちゃったのよ」と続く。

実はみどりさんは少々予知能力がある。で、ときどきこんなふうに案じては電話をくれる。

しかし、その予知能力というのは実に気まぐれにやってきて、それがどういう意味なのかも、なかなか判読がむずかしいのだという。

見当違いもあるらしいが、例えば、体がだるくてしょうがないときは、向かいのおばさんが亡くなっていた。後になって、ああ、この知らせだったのかと納得する。

曲がり角で二人が並んで立っている時、みどりさんが「なんかあのタクシー、嫌な感じだから、後ろ下がってよ」と言うと、そのタクシーが曲がる時にポールにぶつかったりした。ああ、危なかったねえ、何でわかるの?と聞くと、それが本人もよくわからなくて、なんとなくちりちりとした感じがするらしい。

自殺の予知夢を見たこともあり、その実際の背景が夢でみたものとそっくりおなじだと知ったときは鳥肌がたったという。

わたしのことを考えたとたん息が詰まったもんだから、これは死んだか、と思ったらしい。「だって人生何がおこるかわからないじゃない」と声を高くして言う。彼女は江戸っ子3代目で、一事万事この調子のユーモアである。

「うーん、2回家出した」
「2回ですんだの?」

「やっぱりね(笑)」

20年来の親友はお互いの立場を知り抜いている。同じく大病をした身のうえである。連休明けは互いの無事を確認し会い、それぞれの訴えに耳を傾ける。

うんうん、そうかあそうかあ。
うんうん、わかるわかる。
うんうん、おんなじおんなじ。
うんうんうんうんうんうん。

そんな一日が有難い。





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Last updated  2004.05.07 01:35:45
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