文の文

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sarisari2060

sarisari2060

2006.05.11
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カテゴリ: ひとりごと
みどりさんと話していた。

ひとり暮らしのばさまの仏壇の蜘蛛の巣に
かなりの埃がついていた話をしたら、
みどりさんは「思いで動いてないとそうなるのね」と言った。

その言葉をずっと考えている。

加齢よる記憶障害は誰にでも起こりうる。
生きてきた記憶はさらさらとどこか知らないところへ流れていって
ふっと消えてしまう。

しかも、忘れたいこと忘れたくないことを選べない。

わたしも例外ではなく、驚くほどたくさんのこと忘れている

思いからではなく義務で動いていると、
つまり、こうしたほうがいいから、とか
誰かがそういうから、とか
そうしたほうがみんながよろこぶから、とか
最後のところの責任逃れのように主体を明け渡していると
記憶はそこから途切れていくのではないか。
みどりさんの言葉の意味はこういうことのように思う。

いずれどの記憶も消えていくのだけれど
その順番が人生の決算のようにも思えてくる。

思いの主体は自分だ。

そのなになにすべきの「べき」に逆襲されるように思う。
「べき」ことは感熱用紙に印字された文字のように消えていってしまう。

自分がしたいからしてきたこと。
そういうものが背骨のように残るのだろう。
自分が大切に思ったことが最後まで残る。


最後の最後に自分の胸に残ったものが
自分の人生の主題なのかもしれない。






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Last updated  2006.05.11 09:59:07
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Re:べきの逆襲(05/11)  
今日のお話、とても考えさせられました。
今の私の生活は、その「べき」で成り立っているようなものですから・・・。
でも、子供を愛する事と、お掃除だけは、多分本能でしています。
私の主題なんでしょうね。 (2006.05.11 10:29:25)

キリングラスさん   
sarisari2060  さん
>今の私の生活は、その「べき」で成り立っているようなものですから・・・

そうなんですよね。
主婦ってそういうところ多いですよね。
仕事するてことはそういうことでもありますものね。

ただ、同じ仕事をするのに、どんな気持ちでやるかで違ってくるのかなって思ったりします。
わたしがしたいからする。そういう感じがいいのかなって思います。 (2006.05.11 15:15:12)

のこるもの・・・  
kokoro さん
いつかどこかで書いたかも知れませんが、
亡くなった祖父は、最晩年も几帳面できちんとしていて、飲む薬の順序と数を最後まで気にしていて、ああこれがおじいちゃんなんだと思いましたし、
最近老いが進み、ときどき記憶が途切れる父は、家族が全員家にいることを確認しないと寝られません。
なんどもなんども孫の名前を挙げて『○○はどうした』『まだ帰らないの』『ごはんは食べて来るのかしら』と尋ねるので、そのたびに答える方もいい加減うんざりするのですが、
これが父なのだとありがたく受け止めようと思います。
この人にとって大切なはずだと思っていたようなことも、ざるの目からけっこうあっけなく落ちていき、素裸のところが残ってゆく。
だから老親は愛しくもあり憎らしくもあり・・・なのですが。

でも、自分が愛される年寄りになる自信はないですねえ。。。いっそいじわるばあさんを目指そうかなあ。 (2006.05.14 12:57:23)

kokoroさん   
sarisari2060  さん
おとうさま、思いのありどころがあったかいですね。

わたしの祖母は最晩年実家に帰らせてもらいますと言って荷物をまとめて徘徊してました。
おまわりさんに何度も保護されました。
胸の奥にしまって我慢してきたことが出てくることもあるのかもしれませんね。
それもなんだか怖いような悲しいような・・・。

よいこともそうでないこともなんもかんもすっかりわすれはてて、何を言ってもにこにこと笑ってるおばあさんになれたら、それはそれで幸せなのかもしれんなあと思ったりしています。 (2006.05.15 00:08:26)

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