文の文

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sarisari2060

sarisari2060

2007.01.25
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カテゴリ: エッセイ
今、出光美術館では
「書のデサイン」 という展示をしている。

キュレーターのかたが書かれているのだろうと思うが
各コーナーの案内文
展示品に添えられた言葉が
こういう場所ではお目にかかったことがないほど
生き生きとしていて
なんていい文章なのだろうとうれしくなる。

あんまりうれしいので少し書き写してきた。



「柔かなそして麗しい筆致の線が連なる美しさ
同じ表情をくり返しならべていく構成の楽しさ
そして細かにリズムを刻む
あるいは流れて装飾的かつ華麗にダンスする筆の線」



森田安次氏の書いた「風の又三郎」にはこんなことばが・・・

「地をふみならすように同じ音を小刻みに繰り返しています。
(この作品には)音の響きが感じられます。
それは轟音をたてながら遠くからやってくる風の音でしょうか。
三日月形にしなる全体の構成がその印象を深めています」



青木香流さんの「ゆき」にはこんな・・・

「・・・はサイレンス。まさに雪の降りしきる様子を

文字が落ちてくる空間のなかにふと目をやると
ひとひらの雪をみるかのような幻想空間
それでも「しんしんしん」と雪は止まず
断続的に空から舞い降りる様子で
まるで雪のなかに自分が立っているような気分を味わうことができます」




「小さい字でかかれているのはすべてソウ
(フェンシングの剣を逆さに突っ立てのがふたつならんでいるような字)の字です
やさしい筆致でちいさなソウを埋め尽くした空間は
萌える緑の草原です。
余白を斜めにつくり、丘のように構成することで
そこに風まで感じられる景色にしています」



前に風神雷神の展示のときもそう感じた。
きっとそのときとおなじひとなのだろうなと想像して
ますますうれしくなったりする。

どんなひとが書いているのかなあ。
年齢も性別も風貌もわからないのだけれど
「整然とならべられた6文字(南無阿弥陀仏)をじっと見ているうちに
なんだか妙な気持ちになってきませんか」
なんて書いてあると
すごく近いひとのように感じてしまう。


血が通い感性があふれる説明文。
こんな文章に導かれたら、ものすごく小難しい世界が
ふっと身近にきてくれるような気がしてくる。








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Last updated  2007.01.26 02:20:18
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