文の文

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sarisari2060

sarisari2060

2009.05.20
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カテゴリ: エッセイ
昨晩、新宿のボルガという味わいのある居酒屋さんで
わが愛しきピアニストMさんと飲んだ。

演劇関係のひとがよく来るところなのだと彼女が言う。

そうきけば、いよいよ昭和の匂いと情熱のようなものが
どこかに忍んでいるようなが気がしてくる。

ひとなつっこそうな手書きのメニューから選んだのは
ひじき、焼き鳥、ソラマメ、小エビのから揚げ、ポテトサラダ
キャベツの辛みそ、イカリング、煮しめ。

生ビールに芋焼酎(これはMさん)純米冷酒(これがわたし)。


どれも気取りなくどこか懐かしいような味だった。

そんな料理が盛られたいくつかの小さな皿にお箸をめぐらせ
くいくいと杯を空けるごとに

それぞれの包み紙が破れていって
それぞれの思いがゆっくり顔を見せる。

会うのはこれで3回目。

どの時も待ち合わせ場所で会った瞬間から
彼女は大きな大きな笑顔を見せてくれる。

こちらも会いたかったと思っているのだが
その笑顔は同じ思いをくっきりと伝えてくれる。



酔客のざわめきのなかで近況を語り合う言葉が


どんな場面で、どんなふうに感じたか。
どんなふうにこころ弾み、こころ痛んだか。

過ごす日常のあれこれはまるで違っていても
そこで感じるこころにすーっと添っていける。
そして、それが心地よい。


傷つきながら、泣きながら、
苦しみながら、あがきながら、
それでも、そのことを糧にして、
顎を上げて前に進む。

そして、今彼女はここにいる。

その今に乾杯!
その未来に乾杯!
もっともっと乾杯!

2杯目からはもうもう酔いのひとになってしまい
言葉がどこをどう巡ったのか
さだかな記憶はない。

が、彼女の素直なこころ、感じるこころが
なんとも嬉しかったのは覚えている。
自分ががんばれがんばれと思っていたことも。

また会ってね、と彼女がいい。
こちらこそ、とわたしがいう。

そんな新宿の夜。















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Last updated  2009.05.20 12:41:42
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