文の文

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sarisari2060

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2009.12.30
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カテゴリ: エッセイ

どんなふうに日が過ぎたのか
もう忘れ始めているのだけれど
手帳の書き込みを眺めつつ
想いを巡らせてみよう。

12月1日
家族のお誕生会。
火曜日のお寿司屋さんの2階の御座敷には
他の客がいなくてなんだかリラックスする。

階下から運ばれてくるお寿司をつまみながら
一家のこれからを思案する。

先のことなどわからん。
案じてみても、事態はかわらん。

呪文のように「大丈夫」と唱え
不安の霧を吹き飛ばす。

大丈夫じゃなくても大丈夫と笑顔を作る。
それが人生の実力。


12月2日
千鶴子さんと高橋さんと
横浜の野毛の一の蔵で忘年会。
今年で何回目になるだろう。

今年も千鶴子さんから
ボジョレーヌーボーをいただく。
高橋さんにははちみつと御煎餅。
こちらが持参したのは紅茶。
大人のプレゼント交換。

居酒屋メニューでビールと日本酒。
それぞれの近況報告。

今年も冊子も藻乃露於具を出した千鶴子さん。
小説を書かなくなった高橋さんとわたし。

文学を語ることは楽しいことだ。
人生の景色を奥深いものにしてくれる

が、こんなにすごいものを書くひとが
こんなにたくさんにいるのに
わたしごときが・・・と思ってしまったりする。

12月5日
川崎でみどりさんと映画。
悲しい映画はいやだからと
「曲がれスプーン」を見た。

へなちょこ超能力者たちの聖夜のドタバタに
くすくす笑う。

実はみどりさんは超能力がある。
予知、みたいなの。
霊みたいなのも感じるそうだ。
そんなのあったってなんもいいことない、
のだそうだ。

こんなふうにふたりで映画をよく見たな。
あの映画のあれ、
と代名詞で言葉を交わせる相手はありがたい。
いっしょにいた時間の長さを思う。
時間をかけないと思い出は積み重なっていかない。


12月9日
朗読の教室
「ふゆのさいばん」

人数が少ないと出番が増える。
わたしにとって朗読はリハビリだ。
左あごのないことが発音に支障をきたすから
朗読は顔の筋トレなのだ。

発音を明瞭に。
それが最初の目標だったが
最近は伝わる朗読を目指している。

けっこう上手くなりましたよ
なんて人にはいったりしているのだが…。


12月13日
品川てづくり市。
詳しくは こちら

12月14日
朗読の自主講座「声で描く会」
紆余曲折あって、今はメンバー5人で
(うち一人は介護のためお休み中)
自分の読みたいものを読んでいる。

年上のおばさまがたが仕切っておられて
いわれるままに会が変化していく。
いささか疑問に感じながら
まあしょうがないかと過ごしてきた。

この日は早く切り上げて忘年会。

70歳のおばさまが「焼肉がいいわ」とおっしゃる。
元気なわけだと納得する。
わたしはあごの関係で焼肉は苦手です
とものいいをつけると
とんかつやさんに行くことになった。
オイオイ!の気分。

おばさまたちの注文時間の長いこと。
メニューについての質問のあれこれ。
わたしってこれ、だめじゃない、なんて
店員さんはそんなことしらんぞ!

のどまで出かかった言葉を幾度も呑み込んで
それでおなかがいっぱいになりそうだった。

そのあとの会話がまた、苦痛だった。
なんだかつまらんのだ。
どんな会話も上から目線で
どんなものも自分が好きか嫌いかでぶった切る。
なにさまなんだあ!

わたしは会話グルメかもしれんなと思ったりした。

12月15日
谷中の韋駄天にて骨董教室
講師は青柳恵介センセイ。
白洲正子さんが次郎さんのことを書くなら
このひと、と見込んだそのひとだ。

白洲さんからもらった猪口を
見せてもらったこともあった。

今回は高麗の器。
センセイが持参されたとっくりを拝見。

長い時を経て今ここにあることの意味
そのものが内包している時間
削ぎ落されたもの
磨き上げられたもの
誰かの人生に添いながら美しさを放つもの。

一つの茶碗に
何を聞き、何を思い浮かべるのか
それぞれの人生の美がそこにあるのだろう。

12月17日
傾聴ボランティアで特養ホームへ。
今回はグループでの傾聴だった。

テーブルの周りに車いすが並び
お風呂上がりでいささかお疲れの様子のおばあさんたちが
こっくりこっくりしていた。

そのなかのやまぐちというおばあさんが
わたしの顔をみて
「妹にうりふたつ」と言った。
いくつのときのことなんだろう。
記憶は汐のように引いていく。

ここで見聞きする
どれもこれもが老いていく道筋。
他人事ではない。

12月19日
銀座にて塩崎顕さんの個展。
みんなの幸せを願い書かれた絵の美しいこと。

滝を登りきった鯉が
龍になる途中の絵がよかったなあ。
そういう想像力が素晴らしい。

龍虎の屏風もため息が出た。

夜、大井町にて
本多信介さんのライブ

お元気な様子に一安心
あごひげが新鮮。

キーボートのかたとのセッション
聴きごたえがあった。

12月22日
鶴見大学付属病院にて定期健診。
電子カルテになっていて
いささかとまどう。
主治医もそんなふうだった。

夕刻より表参道のイルミネーションを見に行った。
東京駅までいってお濠のも見た。
有楽町の仲大通りのも。

歩みに美しく寄りそう灯り
水面に反射する光
魂のようにともるあかり。

きららきらら。

12月24日
あみだくじで決める
クリスマス交換プレセントで
また本が当たった。
「暗闇坂の人喰いの木」
ううむ、読むのがこわい・・・。

12月25日
クリスマスだあ。

12月29日
みどりさんと会う。
みどりさんの友人のマグロ屋さんで
買ってもらったマグロを受け取る。
お歳暮にぷりぷりの海老をたくさんもらう。

こういうお歳暮、いいなあ。

・・・・・

こんなふうに日が過ぎて
今年最後の日になりました。

京都の家にはだれもいなくなって
今年も帰省をしません。
東京のお正月。
それでも雑煮は白みそで丸餅で頭芋も入れて…
とやっぱり京都人の正月準備でありました。

・・・・



















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Last updated  2009.12.31 01:46:46
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