2005.08.18
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カテゴリ: その他
ビデオ+ブログ『ブイログ』が流行の兆し

本記事はポッドキャスト・個人発信メディア特集として再編集されたものです。本記事の初出は2005年7月19日
です。

 これまで、政治から技術的なアドバイス、果ては熱い歩道で目玉焼きを作る方法に至るまで、ありとあらゆる
ことを延々と書き綴ってきたブロガーたち。彼らが自分たちのコメントやアドバイス、行き当たりばったりの実
験を、今度は映像化して放送するという次なる段階に進むのは、必然的な流れだろう。それを可能にしているの
が、ウェブの最新のトレンド、ビデオブログだ。

 ビデオブログ──『ブイログ』(vlog)というパッとしない略称で知られる──とは、そもそも文章の代わりに
ショートビデオを用いるブログを指す。


すれば、定期的に提供されるビデオのダウンロードが可能となる。じつは米アップルコンピュータ社の『iTunes
』(アイチューンズ)に追加された新しいポッドキャスティング機能は、ブイログの視聴もサポートしている。

 「われわれはメディアの消費者から制作者へと移行しようとしている。その方法を現在学んでいるのだ」と語
るのは、ミネソタ州在住のドキュメンタリー映画制作者で、ビデオブロガーのチャック・オルセン氏。「祖父の
誕生日(のビデオ撮影)と映画制作は、いわばすべて互いに延長線上にあるのだ」

 誰でも「メディアを制作して、テレビなどの主流メディアを経由せずに配信する手段を持つ」ことができると
オルセン氏は言う。「ある部分コーディネイトされたケーブルテレビのようなものだ」

 ブイログの多くは自家栽培的で実験的な感じだ。毎日の生活のある瞬間(クイックタイム・ムービー)をとらえ
る人がいる。料理の手順を載せる人もいれば、地元のお祭りや卒業式などの家族のイベントを短い映画やビデオ
にして載せる人もいる。なかでも有名なビデオブログの1つは、不遜なニュース番組を毎日公開する『ロケット
ブーム』だ。


は、ビデオを使って質問を受け付け、回答している(クイックタイム・ムービー)。ボストン市議会のジョン・ト
ービン議員もビデオブログを公開している。

 テクノロジー関連の番組を毎週公開しているブイロガーのクリント・シャープ氏は、「誰もが自分自身で発信
できるということは」ビデオを様々な文化や国で共有することによって「世界を変える可能性を秘めている」と
語る。


話す。

 「ハリウッドや主要メディアというフィルターにかけられる場合、そうしたメディアが対象とするのは数千人
ではなく数百万人の規模になる」とシャープ氏は言う。「そうしたメディアで(例えば)『ディジェリドゥー』[
オーストラリア先住民の楽器]に関する番組を制作するのはコストに見合わない。インターネットが変えたのは
そこだ──とんでもなく安く素材を見つけて市場に出せるのだ」

 一部のブイログ・コンテンツは一足飛びにテレビと肩を並べつつもある。『米アキンボ・システムズ社では会
員に対し、ビデオオンデマンドのサービスの他に、いくつかのブイログを購読できるサービスを提供している。

 「自分のビデオブログが『CNN』や『BBC』と同列にある。すべて平等なのだ」と、自分でブイログを運営し、
妻と一緒に『キャロル・アンド・スティーブ・ショー』というリアリティー番組を作って公開しているスティー
ブ・ガーフィールド氏は語る。「まったくわくわくするじゃないか」

 米ヤンキー・グループ社のアナリスト、スー・リー・ウォーカー氏は、従来型のメディアを拡張したブログの
ように、ビデオブログも従来型の放送を補完する役目を果たすと予想する。

 ガーフィールド氏は、ブイログを顧客サポートに使えるかも知れないと話した。例えば、最近の『キャロル・
アンド・スティーブ・ショー』で、2人でハンバーガーをバーベキューグリルで焼いたところ、ガーフィールド
氏はバーベキューグリルの初心者たちから、ビデオを保存してガイドとして使おうと思っているというコメント
を受け取ったという。

 「もしもし、ウェーバー[バーベキューグリルのメーカー]さん? みたいな感じだ」とガーフィールド氏。

 ビデオブログが試されてからもう何年も経つが、このメディアの人気に火がついたのは今年に入ってからのこ
とだ。1月に『ブイロガーコン』が初めて開催され、先週末には夏季ミーティング『ブイロガーキュー』のため
にニューヨーク、ミネアポリス、ロサンゼルスの3ヵ所でブイロガーたちが集まり、ブイログ談義を交わした。

 ブイログのコミュニティーはブログに比べるとかなり小規模だ。ブイロガーの多くが『Yahoo!』(ヤフー)のビ
デオブログのグループでノウハウを共有したり、ネットワークを築いているが、そのメンバー数は1000人弱だ。

 このグループのまとめ役の1人であるマイケル・サリバン氏は最近、ブイログを追いかけるのに便利な『ブイ
ログディル』を立ち上げた。『del.icio.us』(デリシャス)タグで面白いと思ったビデオを互いに紹介しあうブ
イロガーもたくさんいる。

 ヤンキー・グループ社のウォーカー氏によると、まだブイログは、オンライン動画で実験するのを楽しむ技術
屋タイプを引きつけるような、発展の初期段階にあるという。

 実際、多くのブログのようにいくつかのリンクを張って簡単なコメントをつけるのに比べると、ビデオを編集
するのは概して時間がかかる。

 「編集や技巧にこだわる性格なので、たとえ簡単なもの(ビデオ)でも2~3時間で済むことはほとんどない」と
オルセン氏は言う。「自分のブログで3分のビデオを公開するために朝までかかったこともあるが、とてもお勧
めできない」

 ブイロガーたちはできるだけ多くの人を巻き込みたいと思っている。

 「ビデオをウェブに載せる方法を理解している人が増えれば、次々とストーリーが生まれてくるだろう」とガ
ーフィールド氏。

 一方オルセン氏は、ブイログには例えば『iPod』(アイポッド)のように、その流行を加速させるような広く人
気のある機器が、さしあたって今のところはないと指摘する。

 ブイログを始める人が増えるにつれ、著作権の問題も発生しつつある。ブイロガーたちが自分のブイログで著
作権のある音楽を使うことが時々あるが、この行為が公正使用の範疇に入るかどうかは不透明だ。オルセン氏に
よると、著作権侵害を心配しないですむよう、人々に『クリエイティブ・コモンズ』のライセンスに基づいた音
楽を利用してもらう動きがあるという。

 「身の回りにあるものを捕まえる技術は、ますます至るところに存在するようになっている」とオルセン氏は
言う。「既存の法律と完璧に衝突している。今は、乗り越えなければならない数奇な生みの苦しみの段階にある
と考えている」

 また、ビデオを見て浅薄でつまらないと思う人がいるかも知れないが、オルセン氏は、「日常こそが新しいパ
ンクロックだ」を合言葉に集まるブイロガーもいるのだと話した。


[日本語版:高橋達男/多々良和臣]





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Last updated  2005.08.19 18:35:41
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