
4月23
4月23日 しいちやんのアトリエ舞踏 188
揺れる喉仏
春の名句
つたや夢の読書室
※ 昭和30年代の銀座風景
揺れる喉仏
シャンソン歌手の菅原洋一の歌の中に
別れていく男と女が、アパートの四つの壁に打ち付けた釘の跡や
二人暮らした壁の傷を懐かしむ歌詞がある。
アンパンと呼ばれる顔で歌う歌は、不実な男と別れる女の歌。
それも嫌いで別れるわけじゃない未練たっぷりのせつない女こころに
女性客ばかりの会場が・・なんとも不思議な気分になるのだ。
いつも最高のピアニストを連れていた。
シャンソンはなんてったって
ピアノ。
昭和30年代、土曜の午後の銀座7丁目のビルの地下にあった小さな銀パリ。
丸山明彦、今の 三輪明宏のシャンソン を聞く女性ファンの行列が、
角を曲がってヤマハのビルまで繋がっ た。
うす暗いステージで、鶴のように長い白い彼の首の真ん中にある
大きな喉ぼとけが、歌うたび揺れて妙に 艶めかしかったこと。
いつも絹のサテンの白いブラウスと、黒のサテンのゆるやかな
パンツ姿、あの大きな目に見つめられるとドキッとしたこと
伴奏は最高のピアニストだった。
今や妖怪人間となった三輪明宏をテレビで見るたびに
流れていった60年と言う月日を、あまやかに思いだされるのだ。
春の名句
富士ひとつうずみ残して若葉かな 蕪村
目に青葉山ほととぎす初鰹 素堂
万緑の中や吾子の歯生え初むる 草田男
若あゆのふた手となりてのぼりけり 子規
花散るや耳をふる馬おとなしき 鬼城
つたや夢の読書室
伊勢丹前に25階建てデラックス・マンションができた。
その一階の全フロアーにツタヤとすみやがはいった。
世界の旅行の本や料理や写真、絵画の本がぎっしり入った本棚に
三方囲まれた 呉服町通りに面した明るい窓辺に、
座り心地のよさそうな椅子とテーブルが置いてある。
喫茶でコーヒーをテイクアウトして、半日のんびり
本を読んでいるらしい、おしゃれな客が目につく。
どうやら高価な洋書を、 買わなくてもいいらしいのだ。
しめしめと思ったが、老人は意外と忙しい。
無料の読書天国が出来ても、おいそれと行く暇がない。
しばらくは楽しみを、おとりおくことにした。
都会の文化には、こういった空間が大切だと日頃思っていたから
かつて長野県が、セブンイレブンがきたと大喜びしたように
私はすごく喜んでいる。