Oscar Wildeは "The Picture of Dorian Grey"のような小説、はたまた "The Importance of Being Earnest"(オチが笑えます)のような playwright(脚本)も書きましたが、あの有名なfairy tale…"The Happy Prince"「幸福の王子」も書いています。
「幸福の王子」は以前から何て理不尽なお話…なんて可愛そうなツバメ…と思っていたけれど、今回読みはじめた本の2作目が "The Nightingale and the Rose"というお話で、さらに不条理。
恋する学生のつぶやき…『彼女は赤いバラがあればボクと踊ってくれると言った』『赤いバラさえあれば夜明けまで踊ってくれるのに』『でもどこにも見つからない』…を聞いたナイチンゲールが、「これぞ "True Love"」と彼の為にあちこちバラの花を探しまわるものの見つけらず、結局その学生の窓の外のバラの木にたどりつく。でもバラの木は「この冬の厳しさで花はつかない…貴女がその胸を私のトゲに刺して一晩中歌ってくれればその暖かさで花はつくでしょう」と言う。 "True Love"を信じ、なんとか学生を助けたい一心のナイチンゲールはバラの枝のトゲに自分の胸を刺し一晩中歌う。でもバラは「もっと深く!」「まだ暖かさが足りない、もっと!!」としまいには心臓にとどくまで深く…。心臓からの暖かい血のお陰でバラは見事に深紅の花をつけ、それをナイチンゲールに知らせようにも既に彼女は息絶えている。 朝目覚めて花を見つけた学生は喜びいさんで花と共に彼女の家へ。でもその彼女は「ドレスに合わないわ」「それに『誰々』は宝石をプレゼントしてくれたの」「貴方はただの学生じゃない」etc. etc... その言葉に幻滅した学生はバラの花を道に投げ捨て、花は馬車にひかれて粉々に。"What a silly thing love is"「愛なんてくだらない」と、彼はさらっと勉強に戻っていく。
…アンデルセンやグリム兄弟等、ヨーロッパの folk tale, fairy taleは暗く理不尽なものが多いのは分かりきっているのに、やっぱり読む度に驚いてしまいます。 Life is meaningless sometimes... という教訓なのでしょうか?