PR
Calendar
Comments
ドイツ文学を専攻していた私の卒論のテーマは
「Todesfuge」死のフーガ、ドイツの詩人Paul・celanの代表作
ドイツ系ユダヤ人の彼が書いたこの詩は、ナチスによるユダヤ人
虐殺をもとにつくられた。
なぜだか私はアウシュビッツに興味が涌きこの詩を卒論のテーマに
選んだけど、真面目な文学少女とは到底言えないアルバイト中心の
生活を送るミーハーな学生だった。
とにかく卒論を提出して留年することなく卒業しなくては....
強く強く自分に誓わせて、せっせとアルバイトをしていた。
アハハハ、だってさ5年くらい前まではよく悪夢にうなされた
それは卒業の単位が足りずに留年しなくてはならなくなりそうで
とっても精神的に追い込まれた夢。
実際は別にそれほど悪くはない(けれど決してよくない)成績で
卒業できないなんてあり得なかったのだけど、私は自分に
プレッシャーをかけるのがとても上手だったから、すべての面で
自分の在るがままを許さず、完璧な自分を求め、自分の内側にしか
自分にしか解かりえない自分の嫌な部分を追求し、否定し
ミーハーではあるけれど、魂にとっては随分と窮屈な道を
歩いていたからこそ、卒業後も自分の在るがままを認めて
許し始めるまで、その悪夢は続いたのだと思う。
やっぱさぁ、助けてぇ~やめてぇ~という叫びの現われだったのよ。
えへへへへ、そうとは知らず10年くらいはその夢をよく見ていた。
そう....卒論のテーマは死のフーガ
Schwarze Milch der Frühe wir trinken sie abends
(夜明けの黒いミルクをぼくらは晩に飲む)
というフレーズで始まるこの詩は、とうとう私をポーランドの
アウシュビッツまで行かせたのだから.....
ああ、何度も言うけど、私は勉学一筋とは程遠い学生、ただ単に
学歴が欲しいだけの人だったからねぇ~
この文章読むと、ふふふふ凄い研究熱心な学生みたいぃ~ハハハ
アウシュビッツは遠かった....ベルリンを夜に出る夜行列車に乗って
アウシュビッツに近い駅に着いたのは夜明け前の6時くらい。
冬のヨーロッパの日の出は遅く、8時くらいでやっと明るくなって
くるくらい....ドイツの国境を越えると、ドヤドヤと大勢の
ポーランドの人々が乗ってきて、それとともにたくさんあった
トレイのペーパーがすべて消え去った.....そういう時だった。
町に人は....そんなに居ないし、観光客....ほとんど居ないって雰囲気

思ったら、タクシーはたくさん居た。その一台と親友Yが交渉
そして米ドル20ドルくらいで1時間はかかるアウシュビッツまで
行ってくれることになる。
着いたのはもちろん朝7時前みたいな時間、日本の感覚だと
観光地になっているような場所が開くのはせいぜい朝の9時
待つしかないと思ったら、なんとすんなり見学に入れたのだ。
しかし.....私達が目の当たりにしたのは....広島の原爆資料館
よりさらに恐ろしい現実だった。
エネルギー感覚を思い出していない当時の私でも、その空気は
すぐ感じ取れたのだ。部屋部屋にはガラス張りのむうこに
膨大な量の展示品が.....
ある部屋はメガネ、隣は髪の毛、隣は.....と続く虐殺された
人々の遺品をまとめた山.....す、す、凄い量なのよ
Yと見るスピードが違うので、別々で一人で周ったのだけど
今思うと....よくうす暗がりの施設内を一人で歩いたよねぇ
Arbeit macht frei 労働は自由への道と書かれているが、
....本当は死への道
そして、あ、ここは、焼却炉だ....入るのは止めようと
後ずさりしようとしたら、地元のおばちゃんに捕まって
ポーランド語で説明が始まった。彼女は「よーく見なさい」と
中へ私を連れて行き、隅から隅まで説明してくれた。
ポーランド語はちょっぴりはドイツ語に似ているけれど
全く何を言っているか解からないはずなのに、なぜだか
彼女の熱意でしゃべっていることはおおよそ理解できたのだ。
とてもとても息苦しかった....まだ鈍かった私でも、その場には
長くは居られないと思わせるものがあったから....
やはり、涙が流れそうになった。
魂は承知の上とはいえ....繰り返したくはない絶対にと強く思ったのでした。
その頃のポーランドの首都クラクフは、外国人が居ない...それもアジア人は全く居ないようで、私達は滞在している間中街中でみんなにジロジロ珍しいそうに見られた。うわぁーい、有名人みたい...ってな気分にはなれなかったなぁ。
朝絞ったミルクを馬車で運ぶのがとっても自然な風景のポーランド。写真をさらにデジカメで撮っているからボケてるよぉ~。

朝日を味わい尽くした 2025.11.17
癒されるコミック・素直な言葉が素敵ですよ 2025.11.12
便利だなぁ 2025.11.04